最新の排ガス規制に対応し、2月に発売された2023年モデルのCBR250RR。
パッと見はそれほど変わらないように見えたけれど、これはもう従来型とは比較にならない!?
CBR250RRが想像以上に進化しててヤバい……
Hondaのスーパースポーツ『CBR-RR』シリーズの250ccモデルとしてCBR250RRが新登場したのが2017年。その当時としても突き抜けたスタイリングだったこともあり、あまりそんな気がしないけれど、国内初登場からもう約5年も経っていたとは……
そんなCBR250RRは2020年に最高出力を41馬力にアップするなどマイナーチェンジを受けています……が!
今回、最新の排ガス規制に対応してきた2023年モデルがさらにヤバい。2020年のアップデートとは比べ物にならないというか、もはや別のバイク状態です。
まずスタイリングなんですけど、CBR250RRの実車をまじまじと見た事のある人でなければ、一瞬『ん? どこが変わったの?』と思うかもしれません。
そう感じてしまう理由は、このCBR250RRシリーズが発売された2017年から踏襲している……
この『顔』がイケメンすぎるから!
2023年モデルでも基本的なフェイスデザインのコンセプトは変わっていないので、どうしても目を引くこのディテールに視線を持っていかれちゃうんです。
だけど、実際は従来型までとはかなりスタイリングも変わってます。こうやって『真横からの写真』を並べてみると……
ね? カウルの形状とか、けっこう変わってるのがわかるでしょ?
でもぶっちゃけますが、これは写真だとかなり伝わりにくい!
実車はレイヤー構造のカウルになっていて、複雑かつ洗練されたスタイリングに生まれ変わっていて、新旧モデルを見比べたら全然違う印象です。従来型も十分に斬新なスタイルだったけれども、新型を見た後では『ちょっとデザインが古い』と感じてしまうくらいに。
たぶん、こういうのを『デザインがより洗練された』って言うんだと思います。
今、CBR250RRが気になっている人で『従来型を中古で買えば十分かなぁ』と思ってる人がもしいたら、一度は新型のデザインを自分の目で見ておいてください。後悔することになるかもしれませんので……
新型『CBR250RR』は1馬力パワーアップしてる……けれど!
だけど、私(北岡)としてスタイリングや細部のデザイン以上に驚いたのが、その走りです。
新しくなったCBR250RRはエンジン最高出力が従来型より1馬力アップとなっていますが、驚くべきなのはそこじゃない。なんだかもうクラッチをつないだ瞬間からエンジンの印象が違うんです。
ご存じかもしれませんがCBR250RRは2気筒エンジンながら13,500回転で最高出力を発生するという超高回転型の高性能エンジンです。そのパワーが41馬力から1馬力アップして42馬力になった訳ですが、こういった最高出力のわずかな差というのはサーキットのような場所でなければその違いを感じにくいもの。
ところが新型のCBR250RRはそういった極限の世界だけではなく、日常使いからさらに扱いやすさが増していた。例えば極低回転域を使う信号待ちからの発進。その時点で従来型より圧倒的に気を使わない。体感的には『え? 前より排気量ちょっと上がった?』と勘違いするくらいです。もちろん250ccクラスなんだからそんなことはありえないんだけど……これは正直、予想外でした。
しかも、街中で使う常用回転域でも従来型より力強さが感じられる。フラットに力強さが溢れてくるイメージで、高回転域以外は非力……なんて印象はありません。これまでもタウンユースに困るようなことはなかったけど、新型は今まで以上に『気楽に乗れる』ようになっています。この進化、バイク初心者の人だったらかなり嬉しいかも。
そのうえで交差点を曲がったりする時の安心感も従来型とは段違い。新型CBR250RRはショーワ製のSFF-BP(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)倒立フォークを新採用したんですが、その効果は街中でも感じられるほどです。車両重量168kgの軽量なバイクながらフラフラすることがなく、前輪側にドシッと路面を捉えている安心感がある!?
ぶっちゃけ、すこし街を走っただけでもわかりました。
この新しいCBR250RRをワインディングに持ち込めば、かなり楽しいことになることは間違いない!
そして、そうと感じて街中だけで終われる訳はありません。なので、ちょっと近くのワインディングへ。と思ったら、その前に別の部分に驚くことになるのでした……
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【文/北岡博樹(外部ライター)】