22022年3月17日に発売されたばかりの新型NT1100。
ジャンルとして言うなら『大排気量スポーツツアラー』なんだけど、どうもこれ、今までの常識とちょっと違うバイクのような気がしてなりません。
NT1100は基本的に『大型ツーリングバイク』なんだけど・・・
1,100ccのエンジンに前後17インチホイール組み合わせたスポーティさと快適さを両立する大型ツーリングバイク。ざっくり乱暴に言ってしまうなら、それが新型NT1100っていうバイクです。
少しバイクのことに詳しい人ならご存じだとは思いますけど、ぶっちゃけた話『大排気量スポーツツアラー』っていうジャンルは特に目新しいものではありません。
だけどNT1100、試しにちょっと街で乗ってみたらちょっと『あれ?』って思った。なんか思ってたのと違うかも・・・って。
なんていうか、ものすごく優しい。
NT1100って現代的なデザインなんですけど、まず見た目にデカくて、そのボリュームに圧倒されるようなところが少なからずあるんです。
それにホンダの作る大排気量スポーツバイクでしょう? ツアラーとはいえ、けっこうスポーティーなキャラクターなんだろうと乗る前は、そう思ってました。
ところが・・・
バイクはデカいのに緊張しない
そもそもですが、サイドスタンドから引き起こす時点で、やけに軽い。
NT1100は上背もそれなりにあるし、重量だって248kgもあります。
これまでの私(北岡)の経験の中にある『大型スポーツツアラー』と同じように、ヨッコイショーッ! みたいな感じで引き起こしをする気持ちで臨んだら、体感的な引き起こしの軽さに逆に驚くレベルでした。
私の感覚としては重量240kg以下のバイクみたいな印象。個人的には230kgくらいのバイクに感じたほどでした。
しかもですよ? NT1100は、ホンダ独自のバイク用オートマチック機構DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)が標準装備なので発進に気をつかう必要が皆無です。
通常、乗ったことのない大型バイクともなれば、どういうパワー特性か読めないので、慎重にクラッチをつないでソロリソロリと探りながらアクセルを開けていく訳ですが、そんな必要もありません。
誤解を恐れずに言えば・・・初乗りの大型バイクなのに、わりと雑に扱ってもスルッとスムーズに走っちゃうんです。
そこに加えて、乗り心地がこれまた優しい。一般的な大型ツアラーよりも、さらに快適な乗り心地です。
これは前後とも150mmのストローク量を確保したサスペンションのおかげだと思いますが、ちょっとアドベンチャーバイクのような趣がある。アフリカツイン(CRF1100L Africa Twin)シリーズに近い感覚でした。
だけどアフリカツインとは違う、前後17インチのホイールによりハンドリングは極めて素直です。
大柄な車体にも関わらず、ライダーの操作を受けて、タイムラグ無くスッとバイクが曲がりはじめようとするイメージ。
その動き方にも優しさが含まれていて、ハンドリングは素直だけど穏やかです。デカいバイクなのに、運転することに対する不安がどこにもありません。この安心感やハンドリングの素直さは、どっちかっていうとCB1300シリーズに近いかも?!
それにアイポイントも高めで視野も広いし・・・
なんていうか『これ、クルマの高級SUVっぽいな』って感じています。
それも、ただ快適志向なだけのSUVじゃなくて、ピュアなスポーツカーを作れる技術を持ったブランドが作るSUVな感じ。
あ、なるほど! って思いました。
そのSUV感に近いのはX-ADVなんですが、そういえばフェイスデザインあたりに共通のニュアンスがありますもんね。
だけど、ここで勘違いして欲しくないのが、NT1100がX-ADVの延長線上にあるバイクじゃないっていうこと。
X-ADVはオフロードも想定されたクロスオーバーカテゴリなのに対して、NT1100は純粋なオンロードバイク。
NT1100にはX-ADVが持っていない重厚さがあって、その中に上質さを感じる走りが潜んでる。それが先ほど『高級SUVっぽい』と感じた理由なんだと思います。
なんだかNT1100って、いろんなホンダのバイクのイメージが重なりあってる?
どうもこれ、単純に『大型スポーツツアラー』ってだけで片付くバイクじゃなさそうです。
実はけっこう奥が深いのかも。それを見極めるためにも、続編でちょっと遠くまで走りに出てみようと思います!
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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