バイクの消耗品の中でも特に定期的な交換が必要になるのが、“バイクの血液”とも言われる「エンジンオイル」。
でも、自分の愛車にあったオイルの種類ってどうやって選べばいいのでしょうか?
今回は、Honda純正オイルの新ブラント「Pro Honda(プロホンダ)」の「STANDARD(スタンダード)」について解説します!
Honda純正オイルは新ブランド「Pro Honda」へ
Hondaのバイクのエンジン性能を100%発揮させる純正オイルが、2025年4月より新ブランド「Pro Honda(プロホンダ)」として生まれ変わりました。
“ライダーと製品を力づける“というブランドコンセプトを表現し、ボトルパッケージのデザインも一新。
Honda二輪車のエンジン性能を最大限に引き出してくれる最適なバランスを目指して開発されました。
Pro Hondaの「4サイクルエンジン用オイル」は全5種類
Pro Hondaの「4サイクルエンジン用オイル」は「STANDARD」「SPORTS」「PREMIUM SPORTS」「RACING」「SCOOTER」の全5種類がラインアップされています。
しかしながら、これだけの種類があると「自分の愛車にあったエンジンオイルってどうやって選べばいいの?」と思ってしまうかもしれません。
そこで今回は、エンジンオイルにはどんな役割や効果があるをのかを解説しつつつ、Pro Hondaの定番オイルとなる「STANDARD」について解説します!
そもそもエンジンオイルの役割って?

Honda4サイクルエンジンオイル Movie ~NEW G1~より引用 https://www.youtube.com/watch?v=oyWlIcD-OAg
そもそもエンジンオイルとは、エンジン内のピストンやトランスミッションなどの動きと一緒に内部を流動しながら常に循環しているエンジン専用のオイルのことです。
エンジンの内部には様々なパーツがものすごいスピードで動いているので、歯車などの動きをよくしたり、金属同士が触れ合ったりして発生する汚れを取り除いたりと様々な役割を果たしています。逆に言うと、エンジンオイルが入っていなければバイクを走らせることができないとても重要なオイルになります。
そのエンジンオイルがエンジン内を循環することで、各金属パーツの「潤滑」や、発生する汚れの「洗浄」、高温となる内部の「冷却」などをメインで行なっている他にも、劣化やサビを防ぐ「防錆」やパーツ同士の「密閉」など、様々なことを行なってくれています。
しかし、高温となるエンジンにおいて、オイルは長時間の連続使用で酸化したり、性能が徐々に劣化して汚れてしまいますので、定期的な交換が必要となる消耗品となります。
エンジンオイルにはどうしていくつも種類があるの?
エンジンオイルがバイクにとってとても重要なオイルであることがおわかりいただけたと思いますが、どうしてPro Hondaの4ストロークオイルには「STANDARD」や「SPORTS」、「SCOOTER」など、いくつかの種類があるのでしょうか?
バイクのエンジン性能やマシン性能に違いがあるように、エンジンオイルにもその性能に相応しいオイルのグレードや規格を選ぶことで、エンジンのパフォーマンスを最大限発揮できるようになります。さらに燃費性能や走りの快適性能にも影響しますから、愛車や走るシチュエーションなどに相応しいエンジンオイルを選びたいものです。
自分の愛車に推奨されるエンジンオイルの種類は、新車購入時に付属されている取扱説明書や、インターネットでいつでも確認できるHonda Motopubでチェックすることができます。
しかし、取扱説明書の「エンジンオイルの選び方」の項目を見てみると、何やらちょっと難しい言葉が並んでいますね……
これはその車種に推奨されるエンジンオイルの油成分やグレード、規格などが書かれていて、「この規格を満たしているオイルを選んでください」ということなんですが、初めてエンジンオイルを交換するときは分かりにくいですよね。
【エンジンオイルの規格や種類】
■ベースオイル(油成分):オイルを製造する際の基礎となる“ベースオイル”の油種です。主に「化学合成油」「部分合成油」「鉱物油」の3つの種類に分類されます。このベースオイルに添加剤を配合することで、耐熱性や潤滑性、ハイパフォーマンス性などが変わります。
■オイル粘度(SAE規格):ボトルラベルに表記されている「5W-30」や「10W-40」といった数値は、そのオイルの粘度(粘り気)を表していて、ざっくり説明するとそのオイルの硬さや使用できる環境を示しています。Wは「Winter」の頭文字で、前半の数値が低温時の粘度を表し、ハイフン後の数字で高温時の粘度を表しています。
■オイル規格:オイルには油性分や粘度以外にも、一定の品質を維持するためにいくつかの規格が存在しますが、主にラベルに表記されているのが「JASO規格」と「API規格」です。「JASO規格」は「MA/MA1/MA2/MB」の4つに分類され、オイルの摩擦特性を示していています。Pro Hondaの4ストロークオイルはSCOOTERを除き、全てMAグレードで統一されています。「API規格」はエンジンオイルのグレード(等級)を示していて、「SA/SB/SC〜」などアルファベットが進むほど高性能かつ最新グレード(規格が新しく制定された年度)であることが特徴です。Pro HondaのAPI規格は、全てのタイプで二輪車用オイルとして最上位グレードの「SL」になっています。
エンジンオイルには主に上記ような種類やグレードがありますが、はじめはこれらを細かく知っておく必要はありません。
Pro Hondaの4ストロークオイルは、その車種やエンジン性能などに予め対応した油性分や規格・グレードで開発されているので、逆に言えば「STANDARD」「SPORTS」「PREMIUM SPORTS」「RACING」「SCOOTER」の5つの中から選ぶだけでいいんです。
今回はこの5つの種類から、Pro Hondaの4ストロークオイルの基準とも言える「STANDARD」について解説します。
迷ったらコレ!幅広いHonda車に推奨される「STANDARD」

■Pro Honda「STANDARD」●SAE規格 5W-30 ●API規格 SL ●JASO規格 MA ●油種 部分化学合成油 ●メーカー希望小売価格(税込み)2,090円 ※1リットルあたり
Pro Hondaの4ストロークオイルの中でも幅広いバイクやシチュエーションにマッチするエンジンオイルが「STANDARD(スタンダード)」です。
名称通り“スタンダード”のオイルではありますが、Pro HondaのエンジンオイルはこのSTANDARDから愛車のマシン性能を最大限に発揮してくれる定番オイルです。
STANDARDのベースオイルの油種は「部分化学合成油」で構成され、オイル粘度(SAE規格)は様々な気温や環境に対応できる「5W-30」、オイルグレードを示すAPI規格は二輪車用オイルの最上位「SL」グレードになっています。
「SuperCUB 50(スーパーカブ50)」などの原付一種モデルから「CB1000 HORNET (ホーネット)」などの大型バイクまで幅広い車種に対応しているのはもちろん、様々なHonda二輪車の開発段階からこのSTANDARDオイルで設計されているので、Pro Hondaのラインアップの中でもっとも基準となるオイルです。
様々なエンジンや使用環境で快適な走り出しと低燃費、低温時特性を強化した高性能のマルチタイプオイルなので、迷ったらSTANDARDを選んで間違いないでしょう。
自分の愛車に相応しいオイルに迷ったらお店に聞いてみよう!
Pro Hondaの4ストローク用エンジンオイルはSCOOTERを除くスポーツバイクに相応しいオイルグレードが「STANDARD」「SPORTS」「PREMIUM SPORTS」「RACING」の4種類がラインアップされています。
自分の愛車や走り方に相応しいエンジンに迷ったらHonda DreamやHonda二輪社正規取扱店のスタッフさんに相談してみること、最適なオイルをアドバイスしてくれますので、ぜひお店で気軽に聞いてみてくださいね!
▶Pro Honda公式Webサイト・ラインアップはこちら
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※ SAE(米国自動車技術者協会)によるオイル粘度分類
※ API(アメリカ石油協会)が定めた品質規格
※ JASO(日本自動車規格)が定めたエンジンオイル規格
※ DOT(アメリカ交通省)が定めたブレーキフルード規格[アメリカ連邦自動車安全基準(FMVSS) ]
※車種ごとにJASO規格の指定があります。必ず取扱説明書やサービスマニュアルをご確認ください。
※価格はすべて1リットルあたりです。価格はメーカー希望小売価格(消費税10%込み)で参考価格です。販売価格は販売店が独自に定めております。
※価格には、交換工賃は含まれておりません。詳しくは販売店にお問い合わせください。
※Pro Hondaは本田技研工業株式会社の登録商標です。
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】