2024年10月に発売された新型『GB350 C』ですが、このバイクはスタンダードモデルのGB350と比較すると107,800円もの価格差があります……その価格差の理由って?
『GB350 C』と『GB350』って何がどう違うの?
GB350シリーズのニューモデル『GB350 C』。
ひと目見て「これカッコいい!」って思った人は私(北岡)だけじゃないはず……
しかし実際に購入しようと思うと、ちょっと気になるのがその『価格』じゃないでしょうか?
なにせスタンダードのGB350と新型となるGB350 Cの間には、価格にして約10万円強の差があるからです。
それだったらスタンダードモデルを自分好みにカスタマイズしたほうがいいんじゃ……なんて思う人もいるかもしれません。
でもじゃあ、なぜGB350 Cは約10万円も高いのでしょう?
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GB350 C
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GB350
その理由……実車2台を並べて比べてみたら、恐ろしくなるほどに違いが歴然!?
今回はその『差』をじっくりきっちり比較していきます!
ヘッドライト
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GB350 C
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GB350
GB350 Cとスタンダードモデルのヘッドライトは2台ともにLED仕様なのですが、実際に見ると実はけっこう違いがあります。
その理由は最たるものはヘッドライトカバーで、GB350 Cは優美な曲線を描く大型のクロームメッキのカバーを装着。これにより高級感がアップしているだけでなく、ヘッドライトの形状自体が丸みを強調したクラシカルさを演出。ヘッドライトのマウント方法も違うので、見た目に大きな印象の違いをもたらしています。GB350 Cは高級感がスゴい……
フロントフォークカバー
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GB350 C
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GB350
クラシカルなスタイルを引き立てつつ、ボリューム感を重厚さを感じさせるのがフロントフォークのフォークカバーの存在です。
スタンダードタイプ GB350の一般的なテレスコピック式の正立フォークは見慣れたものですが、そこにカバーが装着されることによって印象が激変。
このフォークカバーは往年の名車たちを知る『クラシック好きライダー』にとってはたまらないディテールです。
マフラー
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GB350 C
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GB350
水平基調でスラリと車体後方まで伸びるGB350 Cのマフラーも大きな特徴。サイレンサー部分のデザインがキャブトンタイプとなっているのも見逃せないディテールのひとつです。
対してスタンダードモデルはアップタイプのメガホン。GB350というバイクはトラディショナルなスタイルですが根本的に『クラシックなバイク』ではありません。スポーティさを感じさせるメガホンマフラーの採用がそれを物語っています。
クラシカルな雰囲気が好きな人には『GB350 C』一択でしょうけれど……どちらもクロームの輝きが美しい。マフラー単体で言うなら、ここは好みが分かれるポイントのひとつかも?
サイドカバー
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GB350 C
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GB350
サイドカバーはGB350 Cの隠れた“こだわりのポイント”のひとつ。
GB350 Cはシルエット全体を尻下がりのクラシカルなラインとするためにさりげなくサイドカバーの形状を変更。視覚的な尻下がりのスタイリングを強調するようなデザインになっているんです。
もちろんGB350 C独自の立体エンブレムもオーナーには嬉しい『違い』ですよね!
前後フェンダー
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GB350 C
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GB350
スタンダードのGB350はどちらかと言えばロードスポーツ然としたフロントフェンダーを採用していますが、GB350 Cはタイヤを深く覆ったボリュームのあるディープタイプのフェンダーを採用。
GB350 Cのスタイリングを決定づけるディテールとなっています。大型化したフェンダーを支えるためのステーもクラシカルでいい感じ! ステーまでもがデザインに組み込まれているところにHondaデザイナー陣の「センス」を感じます。
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GB350 C
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GB350
同様にリアフェンダーもGB350 Cではディープタイプを採用。美しいアーチとそのボリューム感はGB350 Cにアンダー400ccクラスとは思えない重厚感をもたらします。
前後フェンダーともにスチール製を採用し、質感にもこだわり強め。重量増よりも「大事なもの」があることをHondaはよくわかっています。そして、フロント以上にフェンダーステーが存在感を感じさせ、クラシカルなスタイルを強調。GB350 Cのデザインの要とも言えるディテールです。
シート
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GB350 C
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GB350
GB350 Cのシートは肉厚なセパレートタイプとなっています。こちらもクラシカル感を演出に貢献しています。 何よりもバイクの美しさを優先する。そんな意気込みを感じられます。
リアサスペンション
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GB350 C
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GB350
GB350シリーズはオーソドックスな2本サスを採用していますが、GB350 Cにおいてはカバードタイプを採用。
カバードタイプを採用し、ボリューム感やクラシカル感を演出する“こわだり”、こういったタイプのバイクが好きな人には……わかりますよね?
メーター/グリップ/インジェクションカバー
そしてGB350 Cは細部に至るまでこだわりを貫き通しています。
それがよくわかるのが以下の3つ。
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GB350 C
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GB350
まずひとつめはクロームメッキ処理が施されたインジェクションカバーです。
スタンダードのGB350もクロームメッキ処理なので「ちょっとデザインが違うだけ」に見えるかもしれません。ですが上の2枚の写真をよく見てください。GB350 Cのインジェクションカバーはその意匠もさることながら、サイドカバーの形状も同時に調整され、古き佳き時代の雰囲気を崩さないよう徹底されているんです。
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GB350 C
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GB350
ふたつめはメーターのデザイン。メーターの文字盤の書体がGB350 Cではクラシカルな書体に変更されています。さらにメーターリングもクロームメッキ処理が施されたものに変更。
オーナーとなった人物が乗るときに「いつも目にする場所」として、細かい部分まで配慮されています。こういうところが「特別感」あるいは「所有感」になると思いませんか?
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GB350 C
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GB350
そして「普通、ここまでやるか!?」と思わせるのがグリップです。スタンダードのGB350は一般的なグリップですが、GB350 Cは樽型グリップとなっています。
これぞまさしく“細部までのこだわり”の決定版!
しかもこれ、操作性を損なわないギリギリの曲線と太さを狙ってる感じ……使い勝手とデザインのバランスを追求する。これはもう「脱帽」という他ありません。
燃料タンク
最後は燃料タンクです。ここは「比べてみると違いがスゴい」の角度を変えて2枚の写真でご紹介。
まずは後ろ側から!
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GB350 C
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GB350
比べてみるとよくわかりますが、スタンダードとGB350 Cの燃料タンクは「完全に別モノ」です。
スタンダードのタンクはこうしてみるとかなりスポーティ。対してGB350 Cのタンクは立体感よりも曲線美を重視したデザインに作り替えられています。ラバーのタンクパッドもGB350 C専用のデザインで全体のシルエットが後方にかけてスラントするスタイリングを強調しています。
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GB350 C
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GB350
また、前方から見るとよくわかりますが、GB350 Cの燃料タンクは車体後方に向けて優しくスラントしたデザインとなっていて、これがバイク全体のシルエットを決定づけています。
燃料タンクの作り替えというのは、これまた大きく開発コストがかかるものですがGB350 Cには一切の妥協がありません。
正直なところ……バイクのことに詳しい人であれば、この燃料タンク1点だけでもスタンダードとの価格差に納得してしまうかもしれません。
GB350 Cは完成している
いかがでしょうか?
これを書いている私(北岡)は個人的な趣味嗜好として、GB350 Cのようなテイストのバイクが大好きです。そのうえで感じているのは「価格差の約10万円はバーゲンプライスだ」ということ。
仮にスタンダードのGB350をベースに、GB350 Cのスタイルをカスタムで仕上げようと思ったら……かなりの費用と時間を掛けることになるはず……
はっきり言いますが、GB350 Cの美しさはHondaデザイナー陣が徹底してこだわった結果であり、これを購入後のカスタムで再現することはほぼ不可能でしょう。車両本体価格を大きく超えるような莫大な予算を掛ければ「見た目だけそれっぽい感じ」を作り出すことはできるかもしれませんが、GB350 Cはこのスタイルで「メーカー純正」なんです。
それはつまり、このスタイルでありながら耐久性や操縦安定性なども保証されているということに他なりません。言ってしまえば、GB350 CはHondaの「ファクトリーカスタム」のようなものなんです。
ということは……ですよ?
GB350 CはスタンダードのGB350より10万円以上も高い? 違いますよね。
たった10万円強でHondaのこわだりクラシックスタイル『フルカスタム』が手に入る。むしろお買い得すぎ!? と、私はそう感じるんですが……
みなさんは、そうは思いませんか?
【文/北岡博樹(外部ライター)】