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レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【Dax125編】お散歩をおねだりする愛犬のようなバイク!

今号が発売される頃には、全日本ロードレース選手権のシーズン後半戦もスタートし、上位入賞に気合十分の岡崎静夏さん。一方で息抜きも大切ということで、胴長短足のかわいい相棒に乗って、まだ夏の香りが残る郊外へトコトコ散歩に……。

軽快性や機敏性だけでなく安心感にも優れるのが長所

前号でもお伝えしたように、この夏はジムに通ってトレーニングに取り組むことを決意したのですが、私にしては珍しく、飽きることなく続いています。さらにこの夏休みは、ロードやモトクロスのコースでバイクに乗る機会も例年より多く確保。ライディングの練習と勉強を重ねました。

9月から全日本ロードレース選手権J-GP3クラスはシーズン後半を迎えますが、インターバルにやってきたことをリザルトにつなげて、前半戦で味わった悔しさを晴らしたいと意気込んでいます。

さて今回は、そんな充実の夏休みも終盤に差し掛かったあたりでダックス125をお借りして、郊外の河川敷などを散策するプチツーリングを楽しんできました。レースとは真逆の世界観という感じのバイクで、息抜きにはピッタリです!

以前にも乗ったことがあるダックス125ですが、「欲しい/欲しくない」の結論を先に言うなら「やっぱり欲しい!」。すでに原付二種スクーターのリード125を所有していて、日常生活の足としてフル活用するならスクーターのほうが便利だとは思いますが、近隣をふらっと散歩するように走るなら、スタイリングにオシャレな雰囲気があり、ギヤチェンジなどがもたらす操る楽しさが備わっているダックス125は、最高の遊び道具だからです。

ダックスのかわいさ、レトリバーの逞しさ

ホンダの原付二種クラスには、モンキー125などのレジャーバイクが多数ラインアップされていますが、その中でもダックス125はコンセプト感が強めのモデルという印象。昔のダックスホンダを“元ネタ”に、犬種のダックスフントをすぐに連想できる個性的でキュートなルックスが与えられていて、もうそれだけで惹きつけられちゃいます。

同じく前後12インチホイールを履くグロムやモンキー125がマニュアルクラッチ式なのに対して、ダックス125は自動遠心クラッチ式。そのため、ギヤチェンジする楽しさもありながら、より気軽に扱うことができ、このモデルのコンセプトやイメージと合っています。

パワーユニットはスーパーカブ C125用がベースながら、吸排気系や変速比は専用化されており、やや低中速重視にセットアップ。この恩恵もあり、発進時の出足でしっかりと加速できるため、市街地で交通の流れに乗って走れます。ものスゴくパワフルというわけではないけど、それなりに伸びもあり、幹線道路を走るのにも十分な性能です。

車体は、前後タイヤが12インチ径だけどワイドなこともあり、キビキビと走れるだけでなく、安定感や接地感もあります。小径ホイールじゃないと胴長短足なダックスフントらしさを演出できないと思いますが、それでいて、クイックすぎず安心できるハンドリングも実現されている点が好印象です。

ちなみに私は、そんな12インチ径の前後ホイールや、このバイクを象徴する鋼板プレス製バックボーンフレームとともに、前後の段差がないフラットなロングシートも、ダックスフントを思わせる外観を成立させる大きなポイントになっていると感じています。そしてこのシートは、ソロで乗るときには着座位置の前後自由度を高めてくれるので、長距離走行時の疲労軽減にもつながります。

また、後席の座面が高くないのでタンデム走行時のふらつきが少なく、慣れていない人でも後ろに乗ったときに怖さを感じづらいはずなので、夫婦や恋人同士で二人乗りするのにも比較的向いているはず。もちろん、コンパクトボディの原付二種なので、タンデムが楽しいのは近距離メインになりそうですが……。

今回、約1年半ぶりにこのバイクで遊んでみて感じたのは、ルックスに“ダックスフント”らしさはありますが、乗っているときの頼りがいある雰囲気は“レトリバー”に近いということ。ちょっとしたフラットダートくらいならトコトコ走るのはコワくないし、そういうアクティブな要素も考えたら、長めのツーリングや小冒険に連れ出しても、かなり楽しめそうです。

ただし、やっぱり一番向いていると思うのは、気楽さと軽快さと安心感を味わいながらの近隣散策。ダックス125が家にいたら、「ちょっと海沿いのカフェまで!」とか「郊外に抜けて探索を……」なんて、アチコチ行きたい場所が浮かんできて、生活に彩りが加わりそうです。

Dax125:SHIZUKAの評価

1)スタイリング:誰がどこから見ても“ダックス”で、疑う余地は皆無。コンセプトがはっきりしていてブレのないスタイリングは大好きです!

2)スポーツ性:かわいい愛犬に、わざわざ本格的なスポーツをさせる必要ナシ。とはいえ、ウォーキングくらいの適度な“運動”なら十分できます。

3)ツーリング:原付二種なので一般道オンリーですが、エンジンはカブ系で低燃費だし、走らせていて疲れないので、お散歩も遠出もできちゃいます。

4)街乗り:スクーターほど便利ではありませんが、機動力は抜群。単なる移動ではなく、市街地でも楽しみながらバイクに乗りたい人に最適。

5)コストパフォーマンス:同じクラスのスクーター系と比べたらお高めですが、意外と多用途だし、唯一無二のルックスなので、納得できる価格設定です。

SHIZUKAのお気に入りポイント

【新色も出たけど好きな色は継続!】
デビュー時の車体色は、ダックスホンダのイメージカラーだったレッドと、今回乗ったグレー。その後にブルーとブラックが登場し、レッドはなくなりましたが、絶妙な色味とオシャレな雰囲気が以前から好きだったグレーは健在!

【靴をキズつけないシーソー式ペダル】
変速はペダル操作のみで可能。チェンジペダルはシーソー式で、前側をつま先で踏むとシフトアップ、後ろ側をカカトで踏むとシフトダウンできます。甲部にペダルを引っかけないので、ブーツや靴の表面を傷めることがありません。

●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希
※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2024年11月号)の内容を編集・再構成したものです。

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