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レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【CB125R編】先入観ナシで一度乗れば真の魅力に気づくはず!

全日本ロードレース選手権は長めのインターバルに突入とはいえ、トレーニングやイベント出演などでこの夏も大忙しの岡崎静夏さん。その間隙を縫って出かけた房総半島プチツーリングでは、CB125Rの高い満足度に驚かされることに……。

ちょうどいい動力性能とチープさを感じない走り

J-GP3クラスとしては今季3戦目となった全日本ロードレース選手権の筑波大会は、6月中旬に開催され、自己ベストラップタイムを更新して予選5位。決勝ではちょっとしたマシントラブルを抱えスタートで出遅れ、その状況に慣れてきてからはペースも安定したのですが、11位でゴールしました。

トップグループにいられたらもっと勉強できたし、そのタイムを持っていただけに残念ですが、終わったことを悔やんでいてもしょうがないので、どんな状況でも強さを発揮できるライダーになれるよう、とりあえずこの夏はめっちゃジムに通おうと思っています!

とはいえ少しは息抜きも必要……ということで、今月は房総半島までプチツーリングへ行ってきました。相棒に選んだのはCB125R。今年4月に5インチフルカラーTFTメーターなどを新採用する改良が施され、これまで以上に装備が充実した原付二種スポーツです。

じつはプチツーに出かける前に、市街地で日常の足としても使用しており、その段階ではスクーターやカブ系ほどの魅力を感じることができずにいたのですが、いざ遊びに連れ出してみてビックリ。房総半島は狭い道が多いこともあり、「これで十分……というより、これが最高!」となってしまいました。

エンジンは124cc水冷単気筒ですが、郊外の一般道をツーリングするなら不足ナシ。小排気量だから低回転域はキツいかと思いきや、頻繁にシフトダウンしなくても、意外と粘り強くトコトコ走れます。一方でビッグバイクのように速すぎるという感覚もなく、一般道を楽しむのにちょうどいい性能です。

このエンジン性能に対して、250と基本構成が共通化された車体は、ともすればオーバースペック。しかしながら、車体剛性や前後サスペンションの動きにガチガチ感はなく、しなやかで快適な乗り心地です。そのおかげで、走りから受ける印象はとにかく上質。この点は、同じ原付二種とはいえスクーターやカブ系とは大きく異なっていると感じます。ピンクナンバーを見てからCB125Rに乗ったら、「えっ、原付二種なのにここまで上質なの!?」と、大半の人が驚くに違いありません。

余裕のある車体構成が快適な乗り心地を創出

スクーターやカブ系は、どんなにオシャレな車種でも基本的な立ち位置は便利なシティコミューター。これに対してCB125Rは、走りを意識したモーターサイクルという印象があります。もちろんどちらにも長所や魅力があるので、優劣は付けられませんが、これからバイクを趣味に取り入れようとする人が選ぶ最初の1台とか、ベテランライダーのダウンサイジングあるいはセカンドバイク候補なら、CB125Rをぜひオススメしたいと思います。

原付二種クラスとしては車格があり、この点は初心者にやや取っつきにくさを感じさせるかもしれませんが、実際のところは車重がかなり抑えられているのでとにかく扱いやすく、心配は無用。逆に、これまで大きなバイクに親しんできた層にとっては、大型バイクから乗り換えても違和感がない車格というのは、大きな長所になるでしょう。

ちなみに、この季節ならではの話をするなら、”涼しい”というのもアピールポイント。フロントカウルがなく、ライディングポジションがアップライトで、なおかつバーハンドルがワイドなので、走行風をたっぷり浴びながら走れます。加えて、エンジンの発熱量が少ないので、下からの熱気もほとんど感じません。フルカウルスポーツだとツラい猛暑でも、CB125Rがあれば充実のバイクライフを送れるかも……。

高速道路や一部のバイパス道路などを使えないなど、原付二種ならではの制限は受けますが、逆に任意保険をファミリーバイク特約で賄えるとか税金が安めなどのメリットも。そのため、個々の生活環境や財政事情によっても、評価が分かれるバイクかもしれません。とはいえ、原付二種とは思えない上質で楽しい走りを備えていることだけは間違いナシ。食わず嫌いすることなく、まずは一度試乗してもらいたいバイクです。

ちなみに私がこのバイクを手に入れたら、原付二種はフェリー運賃もたいてい安めに設定されているので、フェリー移動を取り入れたツーリングも計画したいです。CB125Rが、バイクライフの幅を広げてくれるかもしれませんね。

CB125R:SHIZUKAの評価

1)スタイリング:ネオスポーツカフェは、シリーズ全車で雰囲気が共通化されていて、ブレることなくイメージが確立されているのが魅力だと思います。

2)スポーツ性:ハイレベルな走りをしなくても、郊外の一般道をツーリングするだけで、意外なほどスポーティな雰囲気を味わえるバイクでした。

3)ツーリング:原付二種なので高速道路は走れませんが、一般道オンリーでかなり楽しめそう。フェリーを使った旅なども考えてみたくなっちゃう!

4)街乗り:一般的な原付二種と比べたら車格があるので、機敏性では一歩譲りますが、扱いやすい車重とエンジン低回転域特性なので問題ナシ!

5)コストパフォーマンス:原付二種として50万円超は高価かもしれませんが、この装備と乗り味を考えたら私は納得。一度乗ってから判断してもらいたいです。

SHIZUKAのお気に入りポイント

【走りの質を高める倒立フォーク!】
倒立フロントフォークという段階で、走りの楽しさを追求していることが伝わってきます。しかも2021年型での熟成時には、前輪の路面追従性と軽さに優れるショーワ(日立アステモ)製のSFF-BPを125㏄クラス初採用しています。

【満足感を得られるフルサイズボディ】
倒立フロントフォークとも関連しますが、CB250Rと基本構成が共通化された車体は、原付二種には見えない堂々とした車格。チープな雰囲気は皆無で、所有する喜びを与えてくれると思います。それでいて、かなりの軽量級!

●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希
※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2024年9月号)の内容を編集・再構成したものです。

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