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レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【CBR400R編】公道で乗るCBRはヨンヒャクがイチ推し!

フル参戦する全日本ロードレース選手権では、調子が上向きの岡崎静夏さん。もちろんシーズン中も、レースだけではなく毎日がバイク漬けで、今月はカッコよくなったCBR400Rにも興味津々。というわけで、しばらく乗ってもらうことに……。

外観の鋭さを増した優しいスポーツツアラー

全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスは、5月下旬に開催された「スーパーバイクレース in SUGO」で今季2戦目が実施され、私は決勝8位。目標としていた順位には届きませんでしたが、他車とバトルをしている中で、ストレートで少し離されたところからコーナーの進入でインを刺す“ロング砲”が撃てることに気づきました。ダメなら引こうと思いつつ、とりあえず飛び込んでスッとマシンを寝かせたら、入力することでさらなるグリップを
引き出せるブリヂストンタイヤのポテンシャルを実感。今年から使用しているブリヂストンタイヤに対する理解度が深まり、バトルでも有効に使えることが確認できました。

そんな感じで、レースのほうは次戦以降が楽しみになっているところですが、今月は2024年型でこれまで以上にレーシーな雰囲気になったCBR400Rをお借りして、ツーリングや市街地移動でその魅力を探ってみました。2024年3月に発売された最新型は、新形状のカウルとヘッドライトとテールランプを採用して、外観を一新。装備も充実化され、オンオフ式のホンダセレクタブルトルクコントロール(トラコン)、5インチフルカラーTFTメーター、車体とスマホを連携させられるホンダロードシンクを新搭載しています。

走行性能に影響を与える部分には、従来型からとくに変更が加わっていないのですが、従来型と同じく普通二輪免許で乗れる250ccクラスと比べたらトルクフルなエンジン特性がまずは魅力。車名が「RR」でも「RR-R」でもないことからも分かるように、高回転までギンギンに引っ張りながらサーキットで速さを発揮するモデルではないのですが、以前から「公道で乗るならどのCBRよりも私にはちょうどいい!」と感じていて、それは今回も変わることはありませんでした。

例えば250ccクラスの2気筒エンジンだと、公道で乗るときにもある程度の高回転をキープする必要があり、もちろんそれが楽しいと思えるときもありますが、まったりツーリングしたいときには疲労感につながりがち。対してCBR400Rのパラレルツインエンジンは、”引っ張る”ではなく”押してくれる”加速という印象で、だからこそ長い時間でも楽しく走り続けられます。ドカンという加速力ではないけど、公道走行に求められるパワーは十分。加えて、クラッチレバー操作荷重の軽さは驚異的で、発進操作は簡単だし、長距離ツーリングでも左手の疲れは少ないと思います。

嫌なところが何もなく最高にフレンドリー!

エンジン性能と同じく車格も、私の体格で乗ったときに大きすぎず小さすぎず、持て余すことも物足りなく感じることもありません。10年以上かけてじっくり熟成されてきただけのことはあり、ブレーキやサスペンションなどの性能に嫌なところがひとつもなく、公道でツーリングしたりスポーティに走らせたりしたときに十分な性能を発揮し、”ちょうどよさ”もあります。

コーナーでのフィーリングは、それこそ1000や600のCBRはフロントからグイグイ曲げていく感じだし、ネイキッドのCB系になると前輪がやや外側をトレースするイメージ。対してCBR400Rは、ちょうど旋回する円の真ん中を前輪がキープし続ける感じがあります。このニュートラルなハンドリング特性があるからこそ、ツーリングから市街地走行までいつでも気を遣うことなく走行できるんです。

「CBR」を名乗り、2024年型ではスタイリングもよりアグレッシブになったことで、激しいバイクを想像する人もいそうですが、これに騙されちゃダメ。じつはCBR400Rというのは、初心者にも向くフレンドリーなバイクで、もちろんスポーティにも走らせるのも楽しいのですが、このルックスでツーリングもかなり得意です。250と比べたらエンジン特性やハンドリングにシビアな部分は少なく、だからこそベテランライダーがゆったり乗るのにも最適。じつはかなり懐が広いんです。

しかも2024年型では、メーターにスマホ連携機能が搭載されて、ターンバイターンと文字によるナビが表示可能に。これがとにかく便利で、知らない土地にもどんどん出かけたくなりました。

これまで以上にイケメンで、しかもパートナーを優しくサポートしてくれるCBR400R。素敵です!

CBR400R:SHIZUKAの評価

1)スタイリング:2024年型で、本当にカッコよくなりました。ウイングレットの装備などでレーシーなテイストがプラスされ、CBRらしさが増しています。

2)スポーツ性:サーキットをガンガンに攻めるということではなく、公道をスポーティに楽しむためのバイクとしては、ドンピシャだと思います!

3)ツーリング:車名はCBRだし、スタイリングもアグレッシブだけど、じつはツーリングへの適応能力がかなり高め。どんな道でも快適に楽しめます。

4)街乗り:低回転域での押されるようなトルク感や、超軽いクラッチレバー操作荷重、キツすぎないライポジなどで、市街地も走りやすいんです。

5)コストパフォーマンス:高価なパーツが与えられているモデルではないですが、走らせたときの良好なバランスやメーターなどの装備を考えたら納得プライス。

SHIZUKAのお気に入りポイント

【昔は地味だったが近年はイケメン化】
11年前にデビューした初代はかなり地味な雰囲気で、Rひとつはこの路線をキープするのかと思っていたら、その後は熟成のたびに洗練され、最新型ではついにボックス内蔵型ウイングレットまで採用。CBRらしさ全開です!

【矢印のナビ表示はとっても便利です】
スマホホルダーがあまり好きではないため、地図は覚えて走る派ですが、当然ながら知らない土地では道を間違えることも……。新型のメーターにはターンバイターンのナビ表示機能があり、シンプルな表示なのに便利で感動的!

●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希
※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2024年8月号)の内容を編集・再構成したものです。

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