HondaGO BIKE LAB

バイク初心者の人もこれだけは知っておいて! 愛車の『バッテリー充電のしかた』は覚えておくと絶対に役立ちます!【バイクライフ・ステップアップ講座/バッテリー充電 編】

久しぶりにバイクに乗ろうと思ったら、セルが弱々しく回ってエンジンがなかなか掛からなかったことはありませんか?

今回は愛車のバッテリーチェックの仕方やバッテリー充電を自分でできるようになれる手順も解説します!

しばらくバイクに乗れていなかったらバッテリーの状態をチェックしよう

大型連休や夏休みなど、長期的な休暇が取りやすいこれからの時期は、バイクツーリングにピッタリの季節です。

そんなバイクで走って気持ちいい穏やかな気候を迎えると「バイクで走りに行きたい!」と思う方も多いと思いことでしょう。

しかし、いざバイクのエンジンをかけてみると「セルが弱々しく回ってなかなかエンジンがからない……」や「そもそもメインキーをONにしても電源が入らない⁉︎」など、愛車のエンジンがスムーズにかからなかったことはありませんか?

そんな時は、バッテリーの電圧が下がっていたり、バッテリーそのものが弱っている場合があります。

スマートフォンなどの電子機器だって、使っていなくてもバッテリーが減ってしまっていることってありますよね?

それと同じようにバイクのバッテリーも、何もしていなくても自然放電などでバッテリー電圧が徐々に下がってしまうことがあるんです。

バッテリーの電圧が測れるバッテリーチェッカーなどを持っている方は電圧の状態を測ってみることもできますが、バッテリーチェッカーを持っている人は正直なところ少ないと思います。でもぶっちゃけ、正確な数値はそれほど重要ではありません。数値ではなく感覚で「なんだかおかしいな?」と感じたら、とりあえずバッテリーを充電してみる。最初はそういう感覚でいいと思います。

正確な診断はプロの領域ですから、不安な場合はお店でチェックしてもらってください。

だけど今回は、バッテリー不足で突然エンジンがかからなくなった時に備えて、愛車のバッテリー充電を自分でできるようになっておくための知識を解説します。

現代のバイクはバッテリーが生命線なので、覚えておいて絶対に損はありませんよ!

愛車のバッテリーが車体のどこにあるのかを知っておく

まず大事なのは、愛車のバッテリーが車体のどの部分に搭載されているのか確認しておくこと。

シート下に搭載されている車種や、サイドパネルを外した位置に搭載されているなど、車種によって様々ですが、これを知っておくことが大切。搭載位置は取扱説明書などにも書かれていますし、お店の人に聞けばすぐ教えてもらえるので聞いてみてください。そして、一度でいいから自分の目で愛車のバッテリーの搭載位置を確認しておくのがおすすめです。

現在 主流となっている密閉型の鉛バッテリーは「MF(メンテナンスフリー)バッテリー」と呼ばれ、基本的に定期的なメンテナンスは不要になっています。(Honda車の一部車種にはリチウムイオンバッテリーが搭載されている車種もあります)

また、バイクにはバッテリーの他にもジェネレーターと呼ばれる発電機が搭載されており、「走ることでバッテリーを充電して電力を蓄えることができる仕組み」も備わっています。

基本的にはスマートフォンなどのモバイル端末のように定期的な充電は必要ありませんが、問題は長期間バイクを動かしていない時。自然放電でバッテリーが弱ったり、使えなくなっていたりする場合があるんです。

バッテリー本体を車体から外してみよう

ちなみにバッテリーの充電は基本的にバッテリー本体を車体から取り外して行います。

車種によってバッテリーがどのように取り付けられているのかは様々ですが、多くの場合はシートの下あたりに搭載されていることがほとんどです。スクータータイプなどシート下にバッテリーが搭載されていないこともあるので、シートを外してバッテリーを視認できない場合はプロに聞いてみるのもひとつの手段でしょう。

今回はCL500を使ってバッテリーの取り外しを行ってみたいと思います。CL500のバッテリーはメインキーで開閉できるシート下にこのように備わっていました。

CL500の場合は、プラスチックのカバーが付いているので、まずはこのパーツを外して行きます。

このカバーはプッシュリベットと呼ばれる、中央部分の杭を押すことで外せるプラスチックタイプのビスで止められていました。これを工具などで押して外していきます。

これがプッシュリベットです。数カ所あるので全て外します。

最新のHonda車にはカウル部分の固定などにも使用されています。

ネジのように回して取り外しする必要がなく、中央の柱を写真のように戻して押すだけで簡単に留められる仕組みになっています。

プラスチックカバーを外すと、バッテリーが現れます。一般的な車種はこのようなゴムバンドで固定されていますので、ゴムバンドも外します。

このバンドはフックで引っ掛けてあるだけなので工具を使う必要がなく、手で取り外せると思います。

外したパーツは紛失しないようにトレーなどに並べておくと良いでしょう。

バッテリー充電後に逆の手順で取り付けていくので、どのパーツがどこに付いていたのかが分かりやくなります。

バッテリー端子の外し方は「マイナス(ー)」から「プラス(+)」の順番で!

これからいよいよバッテリー本体を車体から取り外していくのですが、ここでひとつだけ注意点があります。

バッテリーは「+(プラス)端子」と「ー(マイナス)端子」の2つの端子が取り付けられていますが、バッテリー端子を外すには正しい順番があります

バッテリーの電気ショートや配線へのダメージを防ぐため、「マイナス端子」から外すことです。

マイナス端子から外す。これだけは鉄則として覚えておいてください。

そのマイナス端子を外したら、続いてプラス端子を外します。

一般的なバッテリーにはプラス端子側に赤色のカバーが付けられているので、順番を間違えないようにすれば簡単に外せます。

はい、これでバッテリー本体が取り外せました。

一般的な鉛タイプのMFバッテリーは手で持ってみるとずっしり重たいです。

不慣れなうちは、その重さもありバッテリーを外すのに難しさを感じるかもしれませんが、これはもう「経験と慣れ」としか言えません。慣れれば簡単に外せるようになります。

ちなみに、バッテリーを車体から取り外す際に1点だけ注意しておきたいことがあります。

バッテリーと車体の配線を繋いでいるプラスとマイナスの金属部分を「ターミナル」と呼ぶのですが、この中に小さな四角い“ターミナルナット”が入っていて、これが落としたりして、けっこう紛失しやすいのです。

このターミナルナットを無くすと、バッテリー充電後に車体へ再び取り付けられなくなりますので注意しましょう。

バッテリー充電器でセルフ充電してみよう

車体からバッテリーを取り外したら、いよいよバッテリーを充電します。

バイクのバッテリーを充電させるには、専用のバッテリー充電器が必要です。これは自身で愛車に合ったものを用意しておく必要があります。

バッテリーの電力が下がってエンジンがかからなくなると、オイル交換やメンテナンスなどでバイクショップに自走して運ぶこともできなくなるので、バイクを所有している方ならバッテリー充電器は必ず持っておきたいアイテムのひとつです。

一般的なバッテリー充電器には赤いクリップと黒いクリップの2つのクリップがあり、赤をプラスへ、黒をマイナスへ挟んで繋ぎます。

この時もクリップを挟んで繋ぐ順番があり、取り外すときとは逆「プラス→マイナス」の順番で取り付けます。

あとは個々のバッテリー充電器の説明書や種類に従って操作します。

多くのバッテリー充電器はクリップを繋いだら満充電になるまで待つだけでOKです。

バッテリー充電器の種類やバッテリー本体の状態、もしくはバッテリー容量(バッテリーの大きさ)にもよりますが、だいたい3〜8時間程度で充電が完了します。

充電が完了したら逆の手順で取り付けて完了!

バッテリー充電器の完了マークなどが点灯したら充電が完了です。

あとは取り付けた時と逆の手順でバッテリー本体を車体に取り付ければ完成です。

どうです?けっこう簡単そうですよね。

プラスとマイナスどっちからだっけ……?と迷ったら

ちなみに、先ほどバッテリーの取り付けや取り外しには、プラス端子とマイナス端子の取り付ける順番があると解説しましたが、久しぶりにバッテリー充電を行うときに「あれ?プラスとマイナスどっちからだっけ??」と忘れてしまう場合があるかもしれません。

電流は電圧の高いプラス(+)から電圧の低いマイナス(ー)へ流れる法則がありますので、この電流の流れをイメージすると分かりやすく、取り外す時は電気の流れを遮断させたいから「マイナス→プラス」の順番で外し、取り付ける時は通電させたいから「プラス→マイナス」の順番で取り付ける、といったイメージで覚えると忘れにくいかもしれません。

ちなみに今回バッテリー充電を行ったCL500は、形状的にバッテリーのマイナス端子からしか外せない仕様(※前述のプラスチックカバーを外すときにマイナス端子を先に外す必要がある)になっていました。メンテナンスでのミスを防ぐ配慮……さすがHondaのバイクです。これなら間違えなくて済みますからありがたいですね。

バッテリー充電は一度自分でやってみれば誰にでも簡単にできるようになると思いますので、イザという時に備えて、是非トライしてみてくださいね!

【文/岩瀬孝昌(外部ライター)】

関連記事

最近チェックした記事