Hondaのミドルクラスフルカウルスポーツ『CBR650R』で伊豆半島に日帰りツーリング! フルカウルのバイクなら目いっぱいワインディングを楽しみたい!
しかし、冬至に差し掛かる中、果たして日の入りまでに目的地にたどり着けるか⁉
はじめて乗る『CBR650R』で冬のスポーツツーリングへ!
暇さえあればバイクに乗って一日中ワインディングを走り回り、クタクタになって帰路に就く。
社会人になってからというもの、そんな学生の時のようなバイクの楽しみ方ができていない……ということにふと気づいた今日この頃。
大型の休みに遠出することはあっても、基本は高速道路を用いた単調なもの。ひたすらツーリングロードやワインディングを思うままに走り回るようなシーンはめっきり無くなってしまいました。
翌日に疲れを残さないようにとか、ケガをしないようにとか、色々言い訳を並べてはみたものの、やっぱり何かが物足りない!
ということで、たっぷり1日使ってグルメや観光を完全に度外視したワインディングスポーツツーリングを計画。せっかくですし、バイクも気になっているモデルをお借りしました!
それがこちら!
Hondaのミドルクラス、フルカウルスポーツモデル『CBR650R』です!
ワインディングを味わうなら快適さよりスポーツ性!
久しぶりのセパレートハンドルを採用したスポーツバイクでのツーリング。疲れようが辛かろうが、それはその時の自分と相談するとして! でも山間部は雪や凍結でおそらくまともに走れそうにないので、目指すは伊豆半島一周!
冬至で1年の中でもっとも日照時間が短いこの日。タイムリミットは日没。果たして西伊豆スカイラインに辿り着けるか⁉
日が昇る前に東京を出発! 伊豆半島一周ツーリングスタート!
車の少ない時間帯を選び、出発は陽が昇るより1時間以上早い午前5時。
街灯が煌めく東京都心を出発し、混み始める前の高速道路を駆け抜けて伊豆半島の入り口である箱根をめざします!
走り始めて数時間。周囲が明るくなり始めたとはいえ、冬の早朝は尋常じゃないほどに冷える!
そんな中『CBR650R』の小振りなウィンドスクリーンが首元くらいまでは走行風を防いでくれるので大助かり!
有るのと無いのでは大違いです。まぁ腕や肩、足の外側を撫でる風は冷たかったケド、それくらいは耐えられる……!
またセパレートハンドルの『CBR650R』ですが、ハンドルとシートの位置関係によるものか想像よりもライディングポジションは辛いものではなく、長時間クルージングでの疲労は少なく感じました。
案外、疲れ知らずのツーリングバイクだったりして?
ともあれ、なんとか一番寒い時間帯は無事クリアして7時半にターンパイク箱根の入り口に到着。
いよいよワインディングを繋ぐスポーツツーリングが始まります!
……と思った矢先、地面に白いアレが大量に出現!
しまった、朝早く来すぎたか⁉
1度停車し慎重に路面を確認すると、危惧していた霜や路面凍結ではなく、溶けて染みになった融雪剤と判明。
凍結でなかったことに安堵したものの、滑りやすいのに違いはありません。路面温度も低いので、ターンパイクは慎重に走り抜けます。
少し物足りないですが致し方なし。
それに……
指がちぎれそうなほど寒くなってきた!!!!
山の麓までは大したことなかったのですが、バイクの操作性を優先して薄手のグローブのチョイスしたのが間違いだったか……? 指がまともに動かなければ楽しむどころの騒ぎじゃありません。
しかし太陽が昇ればもう少し温かくなるハズ。……天気予報だと一日曇り予報だからどこまで気温が上がるかわからないけど……。見晴らしのいい駐車ポイントで一度休憩し、手を温めてから極寒のターンパイクをサクッと通過。
次は伊豆ツーリングの鉄板である「伊豆スカイライン」に入ります。
ここで嬉しいことに天気予報がはずれ、空には晴れ間が見え始めます。
しっかり整備されたツーリング・ドライビング道路なんて滅多に走れないので、しっかりCBRの走りを満喫!
……しようと思ったのですが、相変わらず路面温度は低いままなので、最高出力95馬力を発生する『CBR650R』を存分に楽しむにはコンディションがあまりよろしくない……。
少し残念ですが、街を見下ろす絶景を眺めながら、のんびりとしたクルージングも気持ちのいいものでした。
時間が早かったこともあり、他のクルマの姿もなかったのも良かったッ!
伊豆スカイラインを降りる前、流石に手が冷えてきたので亀石パーキングの自動販売機で温かいコーヒーを買ってひと休み。
ライダーには厳しい寒さとなる冬ですが、休憩地点でこうして温かい飲み物で手を温めるのも冬ツーリングの醍醐味!
そう、こういうことがしたかったんです!
その後、伊豆スカイラインは終点の天城高原まで走らず、冷川ICで降ります。
そのまま冷川峠を下って海岸沿いに出ることも考えましたが、その後、海岸沿いを延々と走るよりも走ったことのない道を走りたいので、国士峠(県道59号)経由で国道414号線を使い天城峠を超えます!
国士峠に突入してすぐに舗装の綺麗なワインディングが現れ、これは楽しくなってきた! と思ったら……
ひぇッ! これは聞いてないぞ⁉
気づけば落ち葉だらけの細い道に変わってしまいました。
これは、道のチョイス間違えたか? とも思いましたが、不思議と『CBR650R』は不安なく進んでいくことができます。
低い位置に設定されたセパレートハンドルのモデルは、時にフロントタイヤに乗っかって走っているのでは? と思うほど前荷重になるモデルがあります。
そういったバイクで落ち葉や砂利が浮いた道を走るのは私としては非常に怖いのですが、『CBR650R』は前後の荷重バランスが半々くらいの感覚(個人の主観です)で、意外なほど安心して走れました。
慣れてくるとクネクネと折れ曲がった道を曲がるのが楽しくなってくる!
ブラインドコーナーの先に落ち葉や対向車があるかもしれないのでバイクは過度に寝かせないし、速度もゆっくりとしたものです。けれど、セパレートハンドルのバイクでコーナーを曲がるのはやっぱり楽しい!
最高出力を12,000回転で発揮する直列4気筒エンジンは低速・低回転ではスロットルレスポンスは優しいものとなります。その点がこうした道に非常にマッチしていると感じました。
2気筒の大型スポーツモデルって意外に低中回転からドッカン!っと加速しますから……。
また、スロットルワークに気を遣わなくて済む点は、街乗りにおいても非常に魅力的なポイントでもありました。
そうして国士峠を抜けたら国道414号を通って天城峠を超え、河津方面へ下ります。
道幅が広く緩やかなワインディングが続く414号線は車の通りも多いので、流れに乗ってしばしのんびりタイム。
峠を越えた後の河津のループ橋は、無限に右コーナーが続くような楽しい体験でした!
この後、陽が短いこともあり婆娑羅峠を抜けて西伊豆に向かおうかとも思いましたが、せっかく伊豆に来たというのに海に行っていないことに気が付き、そのまま南下を決定。
……それに、せっかくならちゃんと一周したいですしね!
というわけで伊豆半島南端部に近い「弓ヶ浜」を目指しました。
途中下田の市街地を通過し、伊豆急下田駅周辺では軽い渋滞や信号にもハマりましたが、シート高810mmに対して異常に足つきの良い『CBR650R』なので不安はありません。
『CBR650R』の車重は200kgを超えていますが、車体のコンパクトさもあってか、信号待ちなどで停車している時にはそこまで重く感じることはありません。
ちなみに足つきは身長174cmの筆者だと両足のカカトまでベッタリ接地します。
そうして順調に市街地を抜け「弓ヶ浜」に到着。
名前通りの弓なりの砂浜には12月の平日ということもあり人もおらず、予報ハズレの晴天による絶景を独り占めしているようで非常に気持ちイイ!
ちょっとバイクを降りてのんびり歩いてみたりなんかもしましたが、気づけば時刻は13時。
……ちょっとゆっくりしすぎた!
日没までに西伊豆スカイラインを走りたいと思っていたけど、コレ間に合うか⁉
急いでバイクに飛び乗り、次のワインディングに向かいます!
To be continued……
【次回予告】
ひたすら伊豆半島のワインディングを繋いで走る私と『CBR650R』。後半のゴール地点は西伊豆スカイラインですが季節は冬至の迫る12月。現在時刻は13時。果たして日没までにゴールにたどり着けるのか⁉
▶ 後編はこちらから!
【文:石神邦比古(外部ライター)】