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レンタルバイクで思い知った『人生を変えてしまうバイク』は確かに存在するという事実【ホンダの道は1日にしてならず /Honda Gold Wing Tour ツーリングインプレ後編 】

冬の寒空の下、片道450kmを駆け抜けた……はずなんだけど実感ゼロ。Hondaの最高級ツアラーGold Wing Tour(以下 ゴールドウイング)をレンタルバイクで乗ってみて最終的に感じたことは?

【中編はこちら】

快適さの『究極』は乗り手の人生も変えてしまう

普通の感覚だったら、冬のツーリングは寒くて過酷で、なんなら『冬の間はバイク乗らなくていいかな』と思う人もたくさんいると思う。寒いから乗らない。それも正しい判断です。

だけどゴールドウイングで体感した12月のツーリング、片道450kmを走った時点で感じているのは、その距離が『気軽な散歩』に過ぎなかったという事実。

このバイクの前では『冬ツーリングの過酷』とか『距離』は意味を為さないんです。

前日、450km走ったにも関わらず、想定外に体力も時間も余り過ぎてしまったため翌日は早朝から始動。早朝といっても冬の日の出は遅いので、未明というほどではありませんが……

それにしても周囲が暗い中で走り出すゴールドウイングの安心感よ……めちゃくちゃ明るいヘッドライトに加えてフォグランプまであるから、日の出前の時間でもライダーの視界はクリア。言いすぎかもしれないけど、気分的には昼同然です(笑)

まず目指したのは早朝の伊勢神宮 内宮。松阪市からは一般道で一時間弱でした。

その間もグリップヒーターやらシートヒーターに守られて寒さは感じません。なんならバイクを降りている時のほうが寒く感じるくらい……。

ところで最近はインバウンドもあり、伊勢神宮も観光客でごった返すと聞きますが冬の早朝はやはり別世界。静謐そのものです。

日常の喧騒を離れての非現実感。前日、東京から走ってきても(快適すぎて)まるで実感が無かったんですが、ようやく『遠くまで来たんだな』ということを感じられました。

キリッと冷えた空気の中、五十鈴川御手洗場で手を洗います。ピークは過ぎていたけど紅葉の名残もあり、なんだか得した気分。

冷たい水を触ることに対しても、ゴールドウイングの豪華ヒーター(グリップヒーター&シートヒーター)のおかげで、身体も手指も冷えていないのでためらいはありません。あとトップケースにヘルメットが入るのが超便利でした。手ぶらで目的地を散策できます。

 

この旅の無事と息災を祈りつつ、伊勢神宮を後にします。

ほんの1時間程度の散策だったけれど気持ちが洗われたというか『ここへ来て良かったな』と素直に思えていました。

峠のGold Wing(ゴールドウイング)は別の顔

そして、その後に向かったのは、ほど近くにある『伊勢志摩スカイライン』です。

だって昨日、ほとんど高速道路しか走ってないし。でも言っておくと、ゴールドウイングは『高速道路の上がめちゃくちゃ楽しい』バイクなんですが。

ちなみにゴールドウイングはバイクのカテゴリーとして言うならば『ツアラー』になると思います。普通のツアラーの枠組みを軽く飛び越えているような気がしなくもないですが、あえてカテゴライズするなら『ツアラー』でいいはず。

な・の・で・す・がッ!?

ワインディングでのゴールドウイングは本当にめちゃくちゃ『スポーツバイク』です。

そう言われても、自ら実感してみるまではおそらくピンとこないと思います、でも事実として『ものすごくスポーツ感がある』ことだけは言っておきたいと思います。

重量390kgのボディと排気量1,833ccのパワーを自在にコントロールできる前後連動ブレーキと車体の設計により、安心感に包まれたままバイクを操る喜びを堪能できる。ワインディングにおいては間違っても『乗せられているだけ』じゃありません。

このあたりは流石に「Hondaが世界に誇る究極のバイク」というべきでしょうか……豪快さとエキサイティングに包まれて走るワインディングでのスポーティさには舌を巻くしかありませんでした。

この走り、バイク乗りなら一度は経験してみてほしい。たぶん誰もが、感動します。

ちなみにひとつ付け加えておくとライディングモード『SPORT』はけっこうエグいです(笑)

排気量1,800ccオーバーの大パワーがアクセルオンと共に即座に湧き出してくる……いや、押し寄せてきます。ABSやトラクションコントロール等の電子制御に守られているから大丈夫! なんて生やさしいものじゃありません。

電子制御があることを頭では理解していても、ライダーとしての本能がアクセルを開けることに躊躇する。怒涛、と言うしかないほどの力強さだと覚えておいてください。

伊勢志摩スカイラインは全長16.3kmの爽快ワインディングですが、ゴールドウイングの走りを楽しんでいるとあっという間に終わりを迎えます。

なにがすごいって、見知らぬワインディングにおける対応力の幅広さ! コーナーの先が思ったより深く回り込んでいても、大きめのギャップを踏んでも……すべて盤石。つづら折れの峠道を信じられないほど軽快に駆け抜けることができてしまいます。長距離が快適でワインディングまで楽しいって、なんかズルいなゴールドウイングって!?

 

それでもまだ物足りないので……

伊勢市側から『伊勢志摩スカイライン』を駆け抜けるとその先は鳥羽市。

そういや鳥羽水族館って全国的にも有名だし、寄ってみようかなと思ってみたり。でもソロ水族館かぁ、ひとりでイルカショー見る勇気は無いなぁ……なんて思いつつ鳥羽水族館の駐車場へ向かって行ったところ。

目の前にフェリー出てきた。

そこに立っている係員さんに聞いてみたら『20分後に出港だけどまだ乗れるよ~』とのこと。なのでそのままの勢いで乗ってみました(笑)

まぁ正直、ゴールドウイングの性能を持ってすれば、帰路もまったく疲れることがないのは明白。だけど逆に、それこそを恐れたんです。高速道路に乗ってしまえば鉄壁の快適性で、またたく間に東京まで運ばれてしまうから。

だけど、この思いつき船旅が大正解!

フェリーに乗るのなんて何年ぶりだか思い出せないけど、鳥羽港から伊良湖への1時間。このひとときが素晴らしく優雅でした。

底抜けに青い空と海。今回のようにレンタルバイクで1泊2日みたいな旅の場合、こうやって『風情』を楽しむのも悪くないなぁ、と思います。バイクは走ってナンボのものですが、走らない時間を味わうというのも大人の余裕というやつ、でしょうか?

まぁ、海の揺れがあまりにも心地よくて……ちょっと寝ちゃったんですけど(笑)

ゴールドウイングはバイク乗りの人生を変える

束の間の仮眠で(もともと疲れていないけど)体力ゲージをフルまで回復。あとはまっすぐ帰るだけ。

通常、ツーリングは「帰り道のほうがしんどい」のが相場というものですが、ゴールドウイングにその常識は通用しません。

快適な海沿いをゆるりと流して、豊川ICより高速道路へ。

帰り道の新東名高速道路も、まるで昨日のツーリング出発時点のように余力たっぷりで……『自分はいま帰っているのか?』と不思議な気持ちに包まれていました。

その帰り道で思ったのは……このバイクがもしも自分の愛車だったら、ということ。

もちろんゴールドウイングは最初に言ったとおりの超高級車で、おいそれと手が出るバイクではありません。小市民な私では、こうしてレンタルバイクでその世界を垣間見るのがせいぜいです。でもレンタルバイクでも何でも、それを体感できたことは大きな収穫でした。

たぶんこのバイクは『人生を変えるバイク』のひとつなんです。

バイクに乗りはじめたことで人生が変わった、というのは、我々ライダーはみんなそうだと思っています。

その後に、自分だけの「バイクのある暮らし」が育っていくのですが、もしゴールドウイングというバイクが傍らにあったら、そこから自分のバイクライフは一変する。絶対にそうなります。

だって片道450km/往復900kmの冬ツーリングが『散歩』に感じるんですよ?

冬の過酷は、すべてこのバイクがひっくり返してくれます。まだ見た事のない景色を求めて、美味しいものを求めて、どこまでだって走っていける。ゴールドウイングはそういう『夢のあるバイク』です。

今回のツーリングの最初に私は、レンタルバイク料金51,000円~に対して「費用対効果はどうなの?」と言いました。

それを安い!とは、旅の終わりを迎えた今でも言いません。でも、その価値はある、と言い切れます。

冬はバイクに乗ること自体がちょっと億劫になる季節です。

でも、いつもの愛車とは違うバイクをレンタルして走り出してみたら、また違った世界が見えてくる。今回、私はそれをゴールドウイングという最上級のカタチで身をもって知りました。

冬だからバイクに乗らないもの正しいでしょう。でも『走りたい!』って気持ちがあるならレンタルバイクを試してみるのは大いにアリ!

まぁ、それで?

借りたバイクの魅力と、その先に拡がる新しい世界の虜になってしまうことがあるかもしれませんので……無責任ですが、そこはご注意ください。

実際に私、日常に戻ってから何日も(自分のバイクに乗っている間ですら)ゴールドウイングのことが忘れられませんでした。

あああ……ゴールドウイング様、返却したくなかったナァ……!?

【文/北岡博樹(外部ライター)】

▶▶ 「Honda Gold Wing Tour ツーリングインプレ」、前編からご覧ください!

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