50ccから125ccへ。ホンダの『モンキー』が50年以上も愛され続ける理由って?
モンキー125は、2017年に125ccクラスへリニューアルされた「モンキー」シリーズの原付二種モデル。
遊び心溢れるスタイルなのに、ひと度走り出せば本格的なバイクに引けを取らないほどの走りでライダーを楽しませてくれるファンバイクです。
モンキーの歴史は古く、そのルーツは1961年に登場したZ100になりますが、「モンキー」と言う名前で登場したのは1967年のZ50Mから。
そこから50年以上も愛され続け、ビギナーからベテランまで根強いファンが多く、ホンダ レジャーバイクの代名詞になっています。
50ccクラスから125ccクラスへリニューアルされたことで、初めは「モンキーにしては大きすぎるのでは?」と言う意見もありました。
しかし、モンキー125を実際に見て、触れて、乗った人達からは「これは紛れもなくモンキー!」「むしろ、このサイズいい!」「125ccで出るのを待ってました!」と、再び大人気モデルになりました。
ホンダはミニバイクを作るのも本当に得意なメーカーです。
これは、バイクという乗り物を「誰にでも気軽に楽しめる“趣味”にしたい」と願って創らなければ、決してできないこと。
現行車の原付二種の同クラスでも「グロム」や「CB125R」、今年新しく登場した「CT125 ハンターカブ」など、選ぶのに迷ってしまうほどのラインアップがあります。
その中でもモンキー125は“レジャーバイクの代表格”と言って良いでしょう。
そもそもレジャーバイクってなんだろう?
「レジャーバイク」とは、趣味と一緒に楽しむ乗り物なのかもしれません。
これまでレジャーバイクと言われてきたオートバイは、キャンプなどのレジャーで広大な敷地内を走ったり、買い物などで現地の足として使ったりと、アウトドアなどの趣味と組み合わせて楽しむ目的から生まれたジャンルです。
例えば、先代モンキーはハンドルを折りたたむことができ、クルマのトランクなどに積んで現地まで運んで乗っていました。歴代モデルでは「モトコンポ」や「ダックス」などもそうでしたね。
でもクルマに乗せて現地まで運ぶ必要があったのは、きっと50ccモデルだったからでしょう。
原付一種バイクでキャンプ場などの遠方まで走っていくのは、結構大変ですからね(笑)
125ccへの排気量アップはレジャーバイクとしての可能性を更に広げる
原付二種モデルに生まれ変わったモンキー125なら、そんなレジャー施設まで「自走でもいける!」って思わせてくれるバイクです。
もちろん、モンキー125は原付二種モデルなので高速道路は乗れません。
しかし、法定速度もクルマと同じ60km/hで走れますし、二段階右折なども必要ありません。
むしろ下道を走りながら、その地域の特有をゆっくり堪能できるので、ツーリングの楽しさを改めて感じられます。
原付二種って高速道路に乗れない以外は、普通のバイクとなんら楽しみ方が変わらないのです。
どことなく、バイクには“排気量が大きい方がエライ”というような風習があるように思うことありますが、モンキー125に乗っていると、その排気量ならではの楽しさがあるんだって気がつきます。
車格は小さめですが、大人が乗っても窮屈にならないように、ハンドルの位置やシート形状、ステップの位置などが綿密に設計されているからでしょう。
車体の重さや足つき性などを気にすることなく、コンパクトで軽くて、パワフル。
原付二種に生まれ変わったモンキー125は、レジャーバイクでありながら、毎日でも乗りたくなるストリートバイクの役目も果してくれます。
何処へでも連れていきたくなるペットのような可愛らしさもありながら、ひと度走り出せば楽しくて仕方がないほど。
車格や排気量が大きくなったことで、レジャーバイクとしての使い方が更に広がったように思います。
モンキ125は、正しく「ネオ・レジャーバイク」に生まれ変わったんだなぁ……。
時代やニーズに合わせて変化してきたモンキーシリーズが、50年以上も愛され続けている理由が良くわかりました。
続編では走りのフィーリングを中心にお伝えしたいと思います。
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】
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