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リターンライダーにこそオススメしたいアフリカツイン。その魅力とは?

バイクにもう一度乗りたいというリターンライダーが増えています。
そんな人達に注目されているのがCRF1100L アフリカツイン
「こんなバイクがあったら良いな」というライダーの夢を先進の技術で形にしてしまったようなマシンです。
いったいどんなところが凄いのか、リターンライダー目線で説明させていただきたいと思います。

そもそもアフリカツインってどんなバイク?

80年代後半から90年代にかけて、アフリカツインが発売されていたことを覚えている方もいらっしゃると思います。

当時のマシンはパリ・ダカールラリーの技術をフィードバックしていたことが強くうたわれていたので”タフで本気なラリーモデル”というようなイメージを持っていた人もいました。
実際にアフリカツインは、市販モデルに近い状態でパリダカのマラソンクラスで2連勝しましたし、レプリカなどの過激なバイクが全盛だったこともあって、ある意味でオフロードカテゴリーの頂点に位置するようなぶっ飛んだバイクだと、ユーザー達はポジショニングしていました。

「あんなデカイバイクでオフロード走るなんて、ターザンみたいな筋肉持ったオフロードエキスパートじゃなきゃムリ」って考える人達もいたはず。
実を言えば私もその一人です(笑)。

でも今のアフリカツインは、名前こそ同じでもずいぶん違うバイクになったと考えてください。

本気のオフロード性能を確保していることは現在も変わりません。
ビッグオフでもトップクラスの走破性を持っています。

ただ、凄いのは最先端の技術を投入したことにより、日常のコミューティングやオンロード性能が格段に向上していること。
オンロードでも快適で、長距離の移動も疲れの少なさは特筆レベル
ちょっとオーバーな表現かもしれませんが、コーナーリングの楽しさはオンロードバイク以上です。この理由は後述しますが、特にリターンライダー向けのハンドリングであることは間違いないと私は思っています。

おまけにタンデムや荷物の積載性も考えられています。
つまり何でもこなせて、やろうと思えば地の果てまで旅することができてしまう万能かつ高性能なバイクになっているのです。

ということで、ここからはCRF1100L アフリカツイン・アドベンチャースポーツESのDCT仕様を取り上げ、そのメカニズムや走りなどを説明していくことにします。
※ Dual Clutch Transmission

夢のバイクを可能にした最先端の電子装備

バイクのことを知っている方なら、相反する要素を両立させることが難しいということはご存知だと思います。
例えばオンロードとオフロードの性能です。
昔は両方を高いレベルで走るバイクなど作ることはできませんでした。
ところがその難しい部分を解決してしまったのがこのマシンなのです。

アドベンチャースポーツESの場合、電子制御サスペンションが装備されていて、オフロードとオンロードで最適なサスセッティングを選択することができます。
しかもDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を装備した今回の車両では、クラッチ操作が必要なく、走行シーンに応じて常に最適なギアを選んでくれるのです。

昔は「バイクにオートマは必要ない」なんて敬遠する声が多かったのですが、アフリカツインのDCTに関しては別物です。

四輪の高級スポーツカーなどで使用されているこのメカニズムをバイクに合わせて設計したことにより、マニュアル操作のバイクと同等以上の楽しさとスポーツ性があると多くのライダーが語っているほど。
実際に販売されているバイクの半分がDCTモデルになっています。

「なんか凄そうだと」いうことは分かっていただけましたよね?
ではもう少し具体的な説明を続けます。

オンロードバイク以上に扱いやすいハンドリング

「若いときみたいにガムシャラには走らないけれど、バイクに乗るならコーナーリングは楽しみたい
リターンライダーならそう考える方が多いはずです。
けれど忘れているライディング感覚を取り戻さなければならないことを考えると、ある程度の鷹揚さも必要でしょう。
あまり過敏なハンドリングではなく、それでいて乗りやすくて、しかもコーナーリングが楽しい
そんな特性だったら理想的ということになります。

実はアフリカツインはそんなマシンです。

オフロードバイクが軽快で自由自在なハンドリングを持っていることはご存知かと思いますが、あの軽快さを生かしたまま、オンロードバイクのサスペンション性能で極めて高いコーナーリングを可能にしているのです。
そして今回試乗しているアドベンチャースポーツESでは、これが更に高次元でバランスしています。

その秘密はこのモデルに搭載されているショーワの電子制御サスペンション
ライディングモードの切り替えによってサスのセッティングを走行シチュエーションに最適なセッティングに変更するだけでなく、サスのストロークスピードと走行状態に応じて瞬時に減衰力を調整するのです。

オフロードバイクのハンドリングとこの電子制御サスペンションが組み合わされたことで生まれるコーナーリング性能は感動的ですらあります。
先日20年ぶりにリターンした私の知り合いもこのバイクに乗って「今になってバイクの本当の楽しさが分かった気がする」と言っていたほどです。

更にABSが緻密にコントロールされるのも大きな安心要素
コーナーリング時もホイールがロックしないようにコントロールしてくれることに加え、ライディングモードの選択によってオンロードとオフロード用のABSを切り替えるので、様々なシチュエーションで安定したブレーキングが可能になっています。

官能的かつパワフルなエンジン

久しぶりにバイクに乗るのであれば、色々なところに出かけてみたいと思うことでしょう。
そうなると単にパワーがあるだけではなく、疲れない特性で、いざという時はスポーツ性を発揮してくれるなど、欲張ったエンジンが欲しくなります。
アフリカツインの270度クランク1100ccの並列ツインエンジンは非常にパワーがあり、全域でトルクフル
クルージングやストリートをゆっくり走っている時にはツイン特有の心地よい鼓動感があり、過敏な反応をしないので急かされるようなことはありません
しかも排気バルブによって低中回転域ではツインのパルス感をより強く感じられる設定になっています。

加速したいと思った時にスロットルを操作すれば素晴らしいパワーを発揮。
この時は排気バルブが切り替えられてエキサイティングな排気音を奏でるようになり、心地よい排気音と共に高回転まで回っていきます。スロットルは電子制御ライディングモードの切り替えにより、最適なパワーの出方やエンジンブレーキの効き方、トラクションコントロールの効き方などを選ぶことができます。

ワイヤー式のキャブレターに慣れた人でも一度乗ってみれば、緻密に制御されたスロットルの扱いやすさとパワーがどんなに素晴らしいか分かるはずです。

ベテランライダーも満足させるDCT

リターンライダーにとって、異次元のメカがDCTでしょう(笑)。
しかし私はリターンライダーからマニュアルとDCTのどちらを選ぶべきかを聞かれた時、迷うことなくDCTをオススメしています。
クラッチとシフト操作から開放されることで、ライディングを自由に楽しむことができるようになるということも一つですが、このメカにはマニュアルにない楽しさが感じられるからです。

様々な走行シーンを想定して進化してきたDCTの設定は秀逸です。

一般的なクルマのオートマとは違って加速感もダイレクトで、シフトダウン、シフトアップも一瞬で終了し、しかも的確です。

ちょっと感覚的な話になりますが、メチャクチャに出来る人と仕事をしたらレベルが高くなり、とても高い充実感が得られた、という経験をした人もいらっしゃるかと思います。
DCTってそんな人と一緒にバイクをー走らせているような感じだといえば、楽しさが分かっていただけるのではないでしょうか。
犬好きな人だったら、忠実に言うことを聞いてくれる犬と一緒に過ごしてくれるような感じ……ちょっと脱線しすぎました。

最初に覚えるべきDCT操作はコレだけ

昔のバイクしか乗ったことがない人が、アフリカツインに初めて跨った時「ヒエ〜」と思うのがスイッチ類。
しかもDCTモデルではセレクターやマニュアルのボタンが追加されます。
ファミコンに燃えた人達なら「コントローラーみたい」と大喜びでしょうが、「ガラケーで十分」なんていう人が見たらクラクラしそうです。
でも大丈夫。
最初に覚えておくべきことは多くありません

極端なことを言うと絶対に覚えないといけないのは右手のこのボタンだけ
DCTモードのセレクターです。
エンジンが始動したら通常の走行を想定したD、スポーティーな走りで選択するS、マニュアルのMの3つの中から一つを選んでボタンを押します。
そうするとクラッチが切れてギアが入った状態になり、あとはスロットルを開ければ発進して、勝手にシフト操作をしてくれます
Nを押せばニュートラルに戻りますし、ギアが入ったままエンジンを停止したら勝手にニュートラルになります

操作自体はクルマのオートマとまったく同じです。
Mを選択した場合、左スイッチボックスのボタンでシフト操作を行います。

“+”のマークがあるレバーはシフトアップ。
左手の人差し指で操作します。

“−”のボタンはシフトダウンです。
ちなみにこのボタンはD、Sで走っている時も使えます
クルージングしている時など、ギアを変えたいと思った時にはこのボタンを使ってみてください。

ライディングモードを操作すると別なバイクに生まれ変わる

アフリカツインの全モデルは、ライディングモードを変えることでエンジン特性をシチュエーションにあったものへ、瞬時に変えることができます
更にアドベンチャースポーツES電子制御サスペンションを装備しているので、モードによってサスセッティングまで最適なものを選んでくれます。

正直に言うと元々の性能が高いので、別に変えなくて普通に走れてしまうんですが、ここを操作してみるとバイクの性格が変わって、より楽しめるものになりますから、慣れてきたら是非トライしてみていただきたいところ。
難易度はテレビのリモコンでチャンネルを変えるくらいのレベルです。

右側のスイッチボックスを見るとの形にボタンが配置されていることが分かると思います。
ライディングモードを変えるのは、この上下2つのボタンです。
ボタンを押すと6つのモードが順番に表示されていきますが、重要なのは初期から設定されている4つ、いや最初の3つかな。

舗装路を走るのであれば基本的にこのTOURを選択すれば良いでしょう。
荷物を積んだりした時も十分なパワーを発揮します。

市街地などを走る時はパワーよりも穏やかな特性にしたくなるかもしれません。
そんな時はURBANに切り替えるのがオススメです。

雨や泥などで滑りやすいなど、条件の悪い路面になったらGRAVELを選択すると、より安心して走ることができるはずです。

こちらは本格的オフロード走行を考えたOFFROAD
リターンしたばかりだと、本格的なオフロードを使う機会は少ないかもしれませんが、昔オフロードで頑張っていたライダーがカンを取り戻したら「アフリカツインならオフも楽しめそうだ」ときっと思うことでしょう。
そんな時はこのモードでガンガン走ってみてください。

パワーモードには好みの設定を記憶させるユーザーモードが2つあります。
マシンに慣れてきたら自分の乗り方に合わせた設定を作って記憶させておく、なんていう楽しみもあります。

ちなみに私の場合ですが、あまりいろいろなことをするとシッチャカメッチャカになるのでユーザーモードには手を出しません。
それでも十分だからです。

夜のコーナーリングも怖くない

アドベンチャースポーツESで夜間峠を走った時に驚かされるのが、コーナーリング中、自動的に行きたい方向をライト照らしてくれるコーナーリングライト
夜、バイクでコーナーリングしている時に「もっとライトが行きたい方向を照らしてくれたら」と思った記憶があるかと思いますが、そんなところまで考えられているのです。
しかもバンク角に応じ、三段階に照射角を変えて、前方の視界を確保してくれます。
実は私、この機能を知らずに夜の峠を走って、メチャクチャに感動しました。

ということでザックリとCRF1100L アフリカツイン・アドベンチャースポーツES DCTモデルについて説明させていただきました。

まだまだここで紹介しきれていない機能がたくさんありますが、長くなりますのでそちらについてはメーカーサイト等でご確認ください。

取り敢えず最新の電子装置がサポートしてくれるスーパーで万能なマシンということがお分かりいただけたかと思います。

ただし、乗りやすいだけのマシンではありません

ベテランライダー達がこのマシンを評価しているのは「走る楽しさ」があるから。
そして乗れば乗るほどに新しい魅力を発見していくができます。
だから多くのライダー達がアフリカツインを選んでいるのです。

【文/後藤武(外部ライター)】

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