バイク乗りたいけどどこ行こうかな…と考えるときもありますが、目的地はどこかの場所である必要はないのかもしれません。
今回はバイクで走って楽しむのではなく、バイクの写真を撮る企画。
実際にバイクを撮っているカメラマンさんに一眼とiPhoneそれぞれで撮るコツを教えてもらいました!
今回は海岸編です!
森林編はこちら
夜明け前からスタート
今回は海から上ってくる朝日で撮る、というのを前提に、海沿いの駐車場に来ました。
海まですぐそこという場所に駐車場がある海岸は少ないですが、ストリートビューで場所を探し、海までガードレールや柵などがなく、海までキレイに後ろが抜ける場所を選びました。
いい写真を撮る条件は様々ありますが、今回場所選びで意識したのは光と奥行き。
日が傾いている時間のほうがよりドラマチックな世界観を演出することができます。
今回は駐車場内にバイクを置いて撮影していますが、バイクの写真を撮る上で注意しなければいけないのが、安全な場所に停めて撮影すること。
道路上はもちろん危険ですし、人通りの多い場所も危険です。
事故にならず、歩行者の動線を塞がない安全な場所に停めて撮影しましょう。
また撮影中も常にバイクを見ておき、邪魔になりそうな場合はすぐにバイクを動かすなど、その場所のルールだけでなくモラルに沿った行動を心がけましょう!
教えてもらったのはこの人!
今回撮影テクニックを教えてもらうのはバイクや車の撮影を手掛けるプロカメラマンの安井宏充さん。
自身も無類のバイク好きで、現在は、広告、雑誌を中心に、車、バイク、ファッションまで幅広い分野で活動されています。
安井カメラマンの写真はインスタグラムでも見ることができます。
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今回撮影で使った機材はNikon Z9に35mmと50mmの単焦点レンズを付けたもの。
iPhoneは3つのレンズが付いた13Pro MAXです。
iPhoneで撮るコツ
広角レンズを使った写真
日が昇る前に明るくなっているところをバイクで隠して逆光気味にすることで、バイクのシルエットが綺麗に出る構図で撮影しました。
ホイールやエンジンなど、GB全体のフォルムが綺麗に出ていてかっこいい!
iPhoneということはなんとなくわかりますが、普通に停めているところをパシャっと撮った写真ではないことは伝わってくると思います。
この写真は iPhoneを逆さまにして広角レンズを使って撮影しています。
広角レンズでバイクに寄ることで上下に空と地面のスペースができ、無駄なものが一切写っていないシンプルな構図を作ることができました。
そのまま撮影すると iPhoneは超ハイテクなので、影の部分もしっかり写ってしまいシルエットにはなりにくいため、構図を決めて明るさを落として撮っています。
他にも日が昇ってきてからバイクの向きを変えて上から撮影してもいい写真になりました。
広角レンズ使うと少し歪んだ写真にはなりますが、周囲の景色や地面などリアルなその場所を収めることができます。
ゴチャゴチャした景色の中では色々なものが写りすぎてしまうため使いにくい場合もありますが、今回のように開けた場所で余計なものがない場所では面白い写真が撮れる方法です。
ポートレートモードを使った写真
次にポートレートモードを使った撮影。
ポートレートモードでは一眼で撮ったようなボケ感を演出できるモードです。
背景の海が少しだけボケているのがわかると思います。
さらに被写体に寄るとボケ感が強くなっていくため、バイクの一部分だけを撮りたい場合や、雰囲気を作りたい場合は便利なモードです。
後から iPhoneの写真編集機能でボケの強さを変えることができ、撮影後により作り込むことも可能です。
しかし一眼とは少し違ったボケ感になってしまうため、見る人が見ればわかってしまう機能でもあります。
一眼で撮るコツ
一眼は iPhoneよりも難しいですが、iPhoneよりも世界観を作り込めるカメラです。
iPhoneと同じくシルエットの写真を撮る場合でも、背景がしっかりボケるので、iPhoneの広角とはまた違った絵にはなりますが、明らかに iPhoneで撮った写真ではないというのが伝わってきます。
プロカメラマンはシャッタースピードや絞りなど全て自分で設定するマニュアルモードで撮りますが、よくわからない場合はシャッタースピードと絞りを自動で調整してくれるPモード、絞り優先で数値を自分で設定するAモードで撮って徐々に慣れていき、数値をなんとなく掴んできたらマニュアルモードで撮るのがおすすめです。
同じ構図で広さを変えてみたり、縦で撮影してみても同じく背景と上下が綺麗にボケるので、迫力ある写真になります。
iPhoneではバイク以外にもピントが合っている部分がありましたが、一眼ではバイク以外がほとんどボケているのがわかります。
また水平垂直を意識して構図を決めるというのも綺麗な写真を撮る重要なポイントです。
日が昇ってきてからは光を生かしてシルエットではあまり映らなかった背景の波打ち際も分かる写真も撮ることができました。
シルエットの構図よりも波も一緒に写っているおかげで、写真の中で奥行きを表現することができ、より立体感のある写真を撮ることができます。
iPhoneではピンが合っている部分が多いですが、一眼は背景の距離によってボケ感が変わるため奥行きを演出しやすいカメラだと思います。
また標識やガードレール、看板など現実を感じさせる物を写真の中から無くし、撮影する構図の中をよりシンプルにしていくことで表現するものが自然と絞られていきます。
今回の撮影場所でも現実を感じさせる看板だったりガードレールやゴミなどもありましたが、それが映り込まない場所を探して撮影しています。
場合によってはバイクの車体で写したくないものを隠して撮ることもあるんだとか。
さらに日が昇ってきて天使のはしごとGBも中々かっこいい写真に!
もちろんプロが撮っているため誰が撮ってもこうなるわけではありませんが、どの構図でも iPhoneよりも表現の幅が広い事がわかると思います。
一眼のほうが iPhoneよりも光をうまく活かすことができるため、一つのスポットで様々な写真を撮ることができます。
また、エンジンやタンクに寄った写真を撮る場合も周囲に何もない開けた環境のほうが撮りやすいと思います。
特にタンクに寄った写真などは、朝焼けがタンクに反射して綺麗な曲線が出ますが、周囲が開けていなかったり、障害物があるとこういったラインは表現できません。
特に今回の様に黒いバイクは反射しやすいので、敢えて海ではなくバイクに反射した色味を活かした写真も撮ることができます。
この点は iPhoneでも撮ることができますが、一眼の場合はボケ感だけでなく色味の表現の幅も広いため、よりリアルで鮮明な写真を撮るならやはり一眼がおすすめです。
まとめ
バイクの写真を本気で撮るというのもバイクで楽しく遊べる方法です。
撮影スポット探しや、日の入り方など、事前の下調べを念密にしたほうが、より自分の撮りたい写真が撮れるはずなので、まずは撮れそうなスポットの下調べから始めましょう。
同じスポットでも iPhoneと一眼で表現できる種類の多さが違うので、本当に写真が好きなら一眼で撮るのがおすすめ。
ですが iPhoneでも構図次第で迫力あるかっこいい写真が撮れるので、まずはiPhoneで色々撮ってみて、足りなくなったら一眼へ、というステップアップが良いと思います。
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【外部ライター/佐藤 快】