より遠くまでツーリングに行く時は、移動時間を短縮することができる「高速道路」を利用するのが便利です。でも、はじめて高速道路に乗るのはちょっと不安ですよね?今回は高速道路の乗り方やETCについて解説します。
はじめての高速道路は不安がいっぱい
全国各地に繋がっている高速道路は、ツーリングの移動時間の短縮になるはもちろん、一般道以上に遠くへ出かけられるとても便利な道路です。
しかし、エリアによっては100~120㎞のハイスピードで走ることになるので、はじめて高速道路に乗るのは、けっこう勇気がいると思います。
でも安心してください。
信号も交差点もない高速道路は、ある意味で一般道よりも安全にツーリングできる便利な道路なんです。
今回はバイクで高速道路を利用するための予備知識をご紹介していきたいと思います。
高速道路の入り口と出口には「一般レーン」と「ETCレーン」がある
高速道路に乗るためのインターチェンジに入ると、このような入場ゲートが現れます。
通行料金の支払い別に区分されており、基本的には「一般レーン」「ETC専用レーン」に加えて、どちらでも利用できる「一般/ETC」の3種類のゲートがあります。
それでは、それぞれの利用の仕方を見ていきましょう。
『一般レーン』の利用の仕方
「一般レーン」は通行料金を現金またはカード類で直接支払うためのレーンです。
入り口では発券機などから出てくる「高速道路通行券」を受け取ると、ゲートのバーが開くようになっています。
場所によってはゲートのバーが開きっぱなしのところもあるので、忘れずに通行券を受け取るようにしましょう。
高速道路通行券はこのような細長い券になっており、乗り口のインターチェンジ名などが記載されています。
通行券を受け取る時に重要なのは、とにかく焦らないこと! 走っている時に落とさないように確実にポケットなどにしまいましょう。
目的地のインター出口に着いたら、同じく「一般」レーンのゲートに入り、通行券を係の方に手渡せば、通行料金が提示されるので、現金等で支払いを済ませます。
最近では一般レーンでも無人化されているところが増えていて、出口でも自動精算機が設置された無人タイプも結構あります。音声案内などに従って料金の支払いを済ませばゲートが開くようになっています。
ちなみに、バイクの場合はグローブをしていることもあり、現金で支払いをするのはけっこう大変です。クジレットカードやETCカードを持っている場合は、そのカードで決済するほうが色々とアタフタしなくて済むので便利。ただし、都市高速などでクレジットカードが使えない場合もある(ETCカード手渡しでの決済は可能)のでご注意ください。
『ETCレーン』の利用の仕方
一般レーンで行う通行券の受け取りや料金の支払いなどを、無線で自動的に行い、スマートにゲートを通過できるようにしたシステムが『ETCレーン』です。
『ETC』とは「Electronic Toll Collection System」の略称で、このレーンを利用するには「ETC車載器」と「ETCカード」が必要になります。
こちらは「CB400 SUPER BOL D’OR」に標準装備でされている「ETC車載器(2.0)」です。
車載器の種類にもよりますが、バイク用のETC車載器は先の写真のような本体と、上のようなアンテナが別になっているアンテナ別体型と、防水仕様の本体&アンテナ一体型の2種類があります。
ETC車載器にクレジットカード会社などと契約したETCカードを取り付けます。
カードのICチップがETC車載器の電子基盤に密着するように、ETCカードを正しい方向で差し込みます。
ETCカードの利用期限が過ぎていないかも忘れずにチェックしておきましょう。
ETCカードをこのように差し込み、蓋を確実に閉じます。
ETC車載器が標準装備のバイクにはメーターなどにある「ETCマーク」があり、それが緑色に点灯していたらETCレーンが利用可能になります。
ちなみに後に紹介しますが、ホンダのラインアップにはETC2.0の車載器が標準で装備されているモデルがたくさんあるんですよ。
続いてETCを利用するメリットを見ていきましょう。
ETCの3つのメリットって?
①料金の支払いなどで停車する煩わしさから解消
ETCレーンは料金の支払いなどでその都度、停車する必要がなくなることがなくなり、ストレスフリーでゲートを通過できるようになります。
グローブを外してお金を取り出して、お釣りを受け取って、それをしまう。これはバイクに慣れているライダーでもかなり面倒です。
ETCはクルマでも便利ですが、はっきり言ってバイクこそETCレーンを利用するメリットが高いんです。
②ETC割引を受けられる
もう一つの利点は、ETCで高速道路を利用する場合は様々な割引が適用されること。
最近ではETC車載器を取り付けているバイク限定で、通行料金が大きく割引になるキャンペーンなどが定期的に行われています。その割引を有効活用すれば、ETC標準装備ではないバイクに自腹でETC車載器を取り付けても、わりと短期間で『元が取れる』と思います。
現在でも(2022年4月2日〜11月27日の期間)土日祝日限定で「二輪車定率割引」が受けられるサービスが開始されていますから、そちらも是非チェックしてみてください。
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③「スマートETCゲート」で乗り降りできる
また「スマートETCゲート」が利用できることも利点です。
「スマートETC」とはETC限定の出入口で、通常のインターチェンジからでなくても高速道路に乗り降りできるETC専用ゲートが利用できるようになります。スマートETCのゲートが使えると高速道路利用の自由度がかなり向上しますので、これも見逃せません。
バイクのETC車載器は自分で取り付けることができないの?
ホンダ車では標準でETC車載器を装備したモデルも増えていますが、結論から言うと、バイク用のETC車載器は「自分で取り付けることができない決まり」になっています。
バイクはクルマと違い、車種ごとにETC車載器を取り付ける位置や方法がかなり異なるため、専門の知識と取付資格を持ったショップなどに依頼して取り付けてもらう必要があるのです。
ちなみにホンダのバイクではETC車載器が別途取り付けが必要なモデルでも、純正オプションとして車種ごとに「専用キット」が用意されている場合がほとんど。これらホンダ純正オプションのETC車載器は、その車種に合ったハーネスの長さや、アンテナの位置などが調整されているんです。
その車種に合ったベストな車載器の取り付けができるので、ETC車載器が標準装備されていない車種でも安心して取り付けを依頼できるようになっているんですね。
そして、バイクはカテゴリーごとにデザインや車体形状も様々なので、ETCの取り付けはホンダ車のことをきちんと分かっているお店に依頼するのが一番。
高速道路を使ったツーリングでは、ETCを利用するメリットがいっぱいありますので、是非、お近くのホンダドリーム店などに相談してみてくださいね。
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】