発売前から大人気モデルとなった「CT125・ハンターカブ」の走行性能は一体どんなものなのでしょうか?
ここではCT125・ハンターカブのマシン性能や乗り味について解説してみたいと思います。
跨るだけで冒険心が湧いてくる、不思議なカブ
長い歴史と伝統があるスーパーカブシリーズのアウトドアレジャーモデル「CT125・ハンターカブ」の走行性能はどんなものなのでしょうか?
10数年前にスタンダードモデルの「スーパーカブ50(Super Cub 50)」を所有していた、元カブ主の私(岩瀬)が体験してみたいと思います。
ますは、カブシリーズに一度も乗ったことがない方に向けて、カブシリーズの特有のシフト操作についてご紹介します。
カブシリーズの操作で最も特徴的なのが「自動遠心クラッチ」ですが、CT125・ハンターカブもこのシステムが採用されています。
基本的にはギアを入れっぱなしで停まってもエンストしない画期的なクラッチシステムなのですが、ここでは簡単な操作だけちょっとおさらいしてみましょう。
一般的なカブシリーズとはちょっとだけ異なるシフト操作
カブシリーズはハンドル左にクラッチレバーを持たず、スロットルを戻して左足のチェンジペダルを踏むだけでシフト操作が可能な「ロータリー式ペダル」を採用しています。
シフトアップ
シフトアップはニュートラル状態から前ペダルを踏み込むと1速に入ります。これは一般的なバイクと同じですね。
しかし、一般的なバイクの『リターン式』では、ここから2速、3速・・・と“蹴り上げ”になっていきますが、カブシリーズのシフト操作はそのまま踏み込んで2速、3速・・・とシフトアップする仕組みになっています。
そしてトップギヤの4速までシフトアップすると、そこから踏み込んでも走行中は4速のまま固定され、停車時に再度踏み込むことでニュートラルに戻すことができます。
ちなみに、この仕組みはカブシリーズの自動遠心クラッチが誕生した時、靴のつま先を汚さないようにと考慮されたシフト構造でもあるんです。
シフトダウン
シフトダウンは後ろ側のペダルを踏み込んで3速、2速・・・と下げていきます。
この仕組みはシーソーペダルとも言われ、操作の流れはこのようになります。
【走行中のシフト操作】
前ペダル:N→1→2→3→4
後ペダル:4→3→2→1→N
【停車時のシフト操作】
前ペダル:N→1→2→3→4→N→続く
後ペダル:N→4→3→2→1→N→続く
ちなみに、後ろのペダルが踵で踏みにくい場合は、ステップから一度、脚を離してつま先でガチャガチャ・・・とリズミカルに踏むとやりやすいです。
また、急激にシフトダウンすると強烈なエンジンブレーキがかかりますから、停車してからシフトを戻していくのでも問題なく走れます。
つま先でシフトダウンもできる
CT125・ハンターカブが他のカブシリーズのロータリーペダルとちょっと違うのはここから。
手前のペダルをつま先で蹴り上げることができるようになり、後ろのペダルを使わなくても“シフトダウン”ができるようになったことです。
ただ、ちょっと注意が必要なのが、通常のバイクは“蹴り上げがシフトアップ”ですが、シーソーペダルなので“蹴り上げもシフトダウン”になりますから間違えないようにしましょう。
要約すると、シフトアップは「前のペダルの踏み込み」のみで、シフトダウンは「後ろのペダルの踏み込み」と「前のペダルの蹴り上げ」の両方で可能、ということになります。
乗りやすさに“瞬発力”が加わった
シーソーペダルを1速に入れ、スロットルを回して走り出すと、発進の状態からこれまでのカブシリーズとは明らかに違う動きをみせてくれます。
現行車にラインアップされている原付二種のカブシリーズは「スーパーカブ C125」や「クロスカブ110(CROSS CUB 110)」などにも乗ったことがありますが、CT125・ハンターカブは乗ってすぐに他のカブシリーズとは、瞬発力や加速力がまず違うと感じます。
出だしから気持ちよく加速してくれるので交通の流れにのりやすく、一般道でも比較的スピード域が速い幹線道路などもスイスイ走れる。
スーパーカブ C125の空冷4ストロークOHC単気筒エンジンと同タイプとしながらも、中低速のトルクを増強させた出力特性や、36丁から39丁まで増やしたドリブンスプロケットの効果もあって、発進からググッと加速してくれます。
悪路での走破性を高めるために、1速の出だしでオフロードバイクのようなトルクがあり、エンジンの回転が一気に上がっていきます。
スプロケット丁数が変わったこともあり、1速の吹け上がりが少し早く感じますが、素早く2速、3速・・・とシフトアップしていくと、低速寄りのギア比になっていることを忘れるほどスムーズに走れるんです。
コーナリングでは、自動遠心クラッチでも普通のバイクと何ら変わらないアプローチができることに驚きます。
トップギアの4速からコーナーに差し掛かかり、減速しながらギアを3速…2速…と落としてみても、意外なほど急激なエンジンブレーキはかからない。
リアブレーキもディスク式になったことで、制動性が更に高まった印象で、狙ったスピード域まで減速しやすく、明らかにブレーキのコントロールがしやすくなっています。
コーナーの立ち上がりでは、その瞬発力が更に効力を発揮してくれます。
スロットルを開け始めると、低速からリニアにトルクが立ち上がるので、意外なほどスポーティな走りも楽しめるようになっているんです。
ホイールサイズは前後ともに80/90-17で、更にセミブロックタイヤを履いているので、小排気量のオフロードバイク並みに細くてやや大径な足まわりなのですが、車体を寝かしこみやすく、ヒラヒラとコーナリングしてくれます。
ヘアピンカーブのようなキツめの下りコーナーでは、シフトダウン時のブリッピング(スロットルの空ふかし)も有効で、慣れれば普通のマニュアルクラッチのバイクと同じように走ることも可能です。
120kgの軽い車体や高めのハンドルポジションも加わって、本当にオフロードバイクに乗っているような軽快さを感じさせてくれます。
これまでのカブシリーズは、ビジネスバイクやシティコミューターのイメージが強かったのですが、CT125・ハンターカブは更にバイクらしい「走る楽しさ」も加わっているように思えました。
スーパーカブの「信頼性」に「走る楽しさ」が加われば、もはや無敵⁉︎
誰にでも扱いやすく、長きにわたって世界中で愛され続けているカブシリーズですが、CT125・ハンターカブは、その「信頼性」に「走る楽しさ」が加わりました。
街乗りやビジネスシーンはもちろん、普段使いやツーリングを問わず、跨っただけで「どこでも走れそう!」と思えるって、とてもスゴいことだと思います。
これなら普段使いや街乗りはもちろん、ちょっと荒れた道を走るようなツーリングバイクとしても楽しめるはず。
次回はCT125・ハンターカブで未舗装路やトレックルートを走ってみたいと思います!
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】
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