CB1300シリーズはもはや完成している、と個人的に結論づけていたのに、完全に裏切られました。さらなる高みを目指して進化することを止めない。CB1300、おそるべし・・・
4気筒スポーツとして『CB1300SB SP』は正しく成長した
スーパースポーツに代表されるような『本当に速いバイク』たちは、今や200馬力も当たり前。
そんな時代の中で、ルーツを1992年のCB1000SFに持つCB1300シリーズは『伝統的なビッグバイク』といったところでしょうか。
我々のような一般ライダーにとってはツアラー的な要素も、そこには含まれていると思います。
言ってしまえば、CB1300シリーズはもう、速さをうんぬん言うバイクではないと私自身も思っていたかもしれません。
だけど、2021年モデルではそこに挑んできた。
電子制御スロットルバルブとライディングモードの搭載で、緻密なコントロールを手に入れたCB1300。
今回、乗っているCB1300SB SPに関して言うなら『アクセルを開けて走る楽しみ』がこれまでより確実に大きいんです。
腕に覚えがあるライダーならば、ライディングモードを『SPORT』に。
1,300ccもの大排気量とは思えないほどCB1300SB SPはダイレクトにレスポンスし、【中編】でお伝えした軽やかさをもって加速します。
その時に感じる4気筒エンジンらしい伸びやかさとサウンドは、快感としか言いようがありません。
ただ、そうは言ってもMAX113馬力のパワーと1,300ccの大トルクを擁するパワーユニット。
手強さもある! と言いたいところなのですが・・・そこは前後にオーリンズ製サスペンションとフロントにブレンボ製モノブロックキャリパーを装備する『SP』です。
コントローラブルな特性のブレーキと、抜群の接地感を乗り手に伝えてくれるサスのおかげで、ほとんど不安を感じません。
仮にコーナリング中にギャップを踏んでも、乱れた挙動の収束はあっという間。車体が落ち着くまでの『待ち』を一切感じず、即座に次の操作に移れるんです。
さらに言えば、今回の進化でHonda セレクタブル トルク コントロールを手に入れているため、イレギュラーに対する安心感もあります。
だから、アクセルを開けたくなる。デカいバイクに乗っていることを忘れそうになるくらいに!
盤石とは『CB1300SB SP』のことを言う?
重量級の大型バイクには望めないだろうと思っていたスポーツバイクとしての純粋な楽しみ。
『CB1300SB』はそこにメスを入れ、狙ったものを手に入れた。
そして『それによって失っているものが何もない』ことも驚くべきことです。
俊敏なレスポンスを必要とせず、心地よいペースで流したい時はライディングモードを『STANDARD』にすれば、パワー感はそれほど変わらないままリラックスして走れますし、のんびりペースのツーリングや街中では『RAIN』モードでどっしり、ゆったりと走ることだってできます。
しかも、新搭載されたクルーズコントロールによって高速道路クルージングは快適の極み。
それこそハーフカウルのCB1300SB SPであれば、掛け値なしに『どこまでも走り続けられる』と感じられます。
走り出したら、止まりたくない
この2021年型に乗る前までは、最初にお話ししたように『既に完璧なCB1300をこれ以上どう進化させるつもりなのか?』っていう部分が謎でした。
その答えは、今では明確です。
新型は大型バイクの王道として、ホンダのCB1300シリーズとして求められるものを満たしたまま、そこにバイクの最も原点的な魅力でもある『走る喜び』を上乗せしてきたんです。
大型バイクとして、4気筒スポーツとして、時には快適なツアラーとして。
ひとたび走り出せば、ずっと乗っていたくなる。
努力を続ける実力者ほど恐ろしいものはありませんが、CB1300SB SPはまさにそれ。従来型で感じた『完璧』の基準を自ら更新してきたんです。
まさに盤石。これぞ王道。
やっぱりCB1300っていうのは、大型バイクの王様だと・・・
そう感じずにはいられないのが、新しいCB1300SB SPなのでした!
【文/北岡博樹(外部ライター)】
よろしければ、前編からご覧ください!
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