HondaGO BIKE LAB

クラシカルでも『GB350 C』は最新!その恩恵はとてつもなく大きかった……【Honda GB350 C /インプレ・レビュー 後編】

ヴィンテージな年代のバイクを維持するのは恐ろしく大変で、かつ気を使います。だけどGB350 Cは現代の最新バイク……そして、その恩恵は計り知れないものがあるんです。

GB350 Cの『安心感』や『快適性』は旧車と比較できるものじゃない

実際に街を走り出してみて改めて感じたGB350 Cのスタイルの美しさ、『Cならではの味わい』について、ここまでお話をさせていただきました。

GB350 Cは2024年発売の最新モデルということを街から飛び出したあと、高速道路で強く感じました……

GB350 Cのエンジンは約350ccという排気量にも関わらず、最高出力は20馬力しかありません。最高出力を求めなかったからこそGB350シリーズは「他にはない味わい」を手に入れることに成功しました。

高速道路だって巡航速度は自然に時速90km前後に落ち着く感じ。排気量なりの力強さは持ち合わせているので、新東名などの最高速120km区間でも流れについていくことは十分に可能ですが……実際に走らせてみると『速く走らせよう』という気持ちが湧いてこない(笑)

自然に、自分が『心地よい』と感じるペースで走りたくなります。

けれど、私(北岡)がそれ以上に素晴らしい!と感じたのは『安心感』です。

古いバイクが好きな人は分かると思いますが、年代物のクラシックバイクというのは高速道路を利用して遠出すること自体に不安が残ります。そろそろバイクを休ませないとエンジンが壊れてしまうんじゃないか……そんな不安感が常に頭から離れない……

だけどGB350 Cには(当然ですが)そんな不安は1ミリもありません。

だってHondaの最新バイクですもの。高速道路を長い時間を走ったら壊れた、なんて事態が起こりづらい。

クラシカルな装いと味わいでありながら耐久性や信頼性は世界最高峰レベル。

何の不安もなく、純粋に『味わい』に浸っていられるだなんて……ある意味、ものすごく『贅沢』だと思います。

GB350 Cはかなりの『快適性能』を持っている?

しかも、その走りは現代の最新の水準で『快適』なんです。

もちろん高速道路などでは走行風がライダーを直撃するので、ツアラーのような防風性をベースとした快適性がある訳じゃありません。

けれど!

高速道路の速度域でビシッと揺らがない直進安定性や前後サスペンションのしなやかさがもたらす乗り心地の良さは、十分以上に『快適』と言えるものです。

走行風だって先にお伝えした『自分が心地良いペース』での速度なら、そこまでしんどくもありません。

のんびり焦らずトコトコと。時間にさえ縛られなければどこまでだって走っていける。その優しい味わいもまた『GB350 C』の魅力のひとつです。

そして、シート。

Cのシートは……なんといというか『抜群』です。

スタイルに合わせてセパレートとなったシートはスタンダードモデルよりも肉厚感がありますが、それ以上に『ウレタンが良い仕事をしている』といった印象で、長く乗っていてもまるでお尻が痛くならない。実はこの時、私はGB350 Cでトータル500kmほどの距離を走っているのですが、その行程の中で「一度もステップの上に立たなかった」んです。

ツーリング中にお尻が痛くなるとステップ上に立ち上がるのが旅ライダーの常ですが……あまりにも快適……スタイルやエンジンなどの味わいの「次に気に入った」のは実はシートの完成度の高さかもしれない……と思うほどでした。

耐久性や信頼性、そして快適性。付け加えて言えばGB350 Cは、万が一の際にライダーをサポートしてくれるABSやトラクションコントロールだって備えています。アシスト&スリッパークラッチもありがたい!

GB350 Cはすべてが味わい深いというのに、乗れば現代のバイクとして『安心感』に溢れている。

それは「クラシックなバイクのオーナー」が求めるけれど、決して手に入らないもの。最新であることの計り知れない恩恵。そういう部分でもGB350 Cは『稀有な存在』だと感じるのでした……。

▼関連記事


【文/北岡博樹(外部ライター)】

関連記事

最近チェックした記事