ライダーの聖地と言えば、「上は北海道、下は阿蘇」と言われるほど、熊本県の阿蘇山周辺はライダーに人気のスポットです。普通のツーリングでは見ることのできない絶景や、大自然の中を走れるエリアなので、中には阿蘇に惚れ込んで移住するライダーも。
今回はそんな阿蘇ツーリングの魅力と、行くならここだけは走っておきたいスポットを紹介していきます!
阿蘇の自然はライダーを楽しませてくれる
ミルクロード
ミルクロードは阿蘇山周辺をバイクで走るなら、まず最初に行きたいスポットです。
阿蘇山火口を目指すならもっと最短ルートがありますが、バイクで走っておきたい阿蘇エリアは周辺にも広がっています。
ミルクロードは大津から阿蘇エリアの左上を通るルート。
途中まで何の変哲もないワインディングのルートなんですが……
標高が上がるにつれて高い木々が無くなり、左右に開けた大草原が始まります。
この変化も走っていて気持ちの良いポイント。
しばらくは大草原の中の一本道を走るルートなので、景色を楽しみながらゆったり走るのにおすすめです。
阿蘇山周辺は昔にあった火山の影響でこういった大草原が多く見られます。
日本では広大に広がる田んぼの一本道を走ることはできても、こういった草原の中を通るルートで、かつ適度にアップダウンやコーナーなど、バイクで走って楽しめるルートはそう多くありません。
ミルクロードはフルで走ろうとするとかなり長く、阿蘇山の北エリアをぐるっと半周でき、途中から後述するやまなみハイウェイにも乗り換えができます。
バイクで走れば阿蘇の自然を体で感じられるルートなので、是非走ってみてください!
大観峰
大観峰は阿蘇北外輪山の最高峰の山で、ミルクロードの途中に展望所があります。
絶景スポットとして有名な場所で、阿蘇市街を一望することができ、阿蘇カルデラや阿蘇五岳、九重連山などを一望できるスポットです。
売店などもあり、ツーリングの休憩所としても便利。
道の駅ではありませんが、広い駐車場があって道の駅のように利用できます。
売店の前がバイク駐輪場となっていて、取材した日も様々なライダーたちで溢れかえっていました。
一種のライダースポット的な役割も兼ねているので、中々見ない名車だったり、同じ車種のバイク仲間が見つかるかも?
売店のジャージー牛乳を使ったわらび餅ソフトはかなり濃厚で、舌で阿蘇の大自然を感じられる美味しさなので、是非食べてみてください!
やまなみハイウェイ
やまなみハイウェイは、熊本県阿蘇市と大分県別府市を結ぶ、全長約50kmのルートです。
別名県道11号となっていて、阿蘇に来たならここを走りたいと思うライダーも多いと思います。
今回は阿蘇側のミルクロードの途中からやまなみハイウェイに入りましたが、大分側から阿蘇に向かって走るライダーも多いそうです。
左右が開けた草原になっているエリアもあれば、アップダウンがあってしっかりワインディングなエリアも。
道が長いので色んなバリエーションの道を楽しむ事ができます。
コーナーもタイトではなく、緩やかで道幅がある程度広い道なので、走りをゆったり楽しみたい方にもおすすめです。
途中にある長者原は左右に開けていて九重連山の登山口としても有名なスポット。
走って気持ちのいいスポットですが、阿蘇山をバックに写真が撮れるということで、フォトスポットとしても人気です。
長者原から阿蘇側に進んだところにある牧の戸峠近辺は、ワインディング好きにはたまらないスポット。
途中に売店付きの休憩所があり、その先に進むとクネクネ曲がりくねったアップダウンの道が続きます。
やまなみハイウェイは景色が開けていて緩やかなカーブが多いですが、このエリアは適度なコーナリングを楽しむことができます。
その先にある瀬の本レストハウスはかなり大きな施設なので、やまなみハイウェイを走ったときの休憩におすすめのスポット。
敷地内にガソリンスタンドがあるのも嬉しいポイントです。
正面側にバイク駐輪場は無いのですが、看板の案内に従って施設裏に回ると二輪専用のスペースがあり、ライダーでかなり賑わっていました。
やまなみハイウェイ自体が長いので全部走りきるには時間が必要ですが、気になった一部エリアのみ走っても楽しめるので、近辺まで来た際は是非走ってみてください!
箱石峠
いよいよ阿蘇山沿いのワインディングに突入!
箱石峠は阿蘇山の東側にあるルートで、これまでとは一味違った角度で阿蘇の大自然の中を走ることができます。
こちらは箱石峠の展望所から見た景色ですが、ワインディング好きのライダーならワクワクするはず!
緩やかに続くコーナーなので、走るのが疲れるといったこともなく、流すだけで楽しいロードレイアウトとなっています。
阿蘇山山頂を目指して走るなら出発する場所によっては通らないかもしれませんが、阿蘇山の周りを一周するなら通過するルートです。
今回個人的に走って一番楽しかったのはこの箱石峠。
景色を眺めても常に絶景、道も走りやすいので、一石二鳥な感じがしました。
阿蘇山に来たなら一周するのもおすすめの楽しみ方です!
阿蘇パノラマライン
阿蘇パノラマラインは阿蘇山火口に向かうルートで、登るにつれて近づいてくる阿蘇山を横目に走ることができます。
上りがキツイわけではありませんが、「山頂に近づいている!」というのを走りながら感じられるルートです。
ロードレイアウトは他と同様にタイトではなく走りやすいので、初心者の方も安心して走れると思います。
阿蘇山以外にも大草原だったり、これまで登ってきた山々が綺麗に見えます。
取材時は深山霧島(ミヤマキリシマ)というツツジが咲いていて、一部がピンクに染まっていました。
5月上旬~5月中旬が見頃だそうです。
阿蘇山山頂を目指すなら大体通るルートなので、景色を楽しみながら走ってみてください。
阿蘇山火口
阿蘇パノラマラインを登りきり、阿蘇山山頂へ到着!
頂上には休憩所や神社などもあるんですが、その先お金を払って進むと火口を見学することができます。
公園道路使用料金として料金所で二輪車400円を払い、更に登っていきます。
ルート自体はの短いですが、登っていく途中も走って楽しいスポットの一つ。
これまで登ってきた景色とは違い、火山口に向かって登っていってるのが周囲の景色から伝わってきます。
登りきった先には駐輪場があり、火口の近くに駐車できます。
ここで撮る愛車写真は相当アドベンチャーな写真になりそう…。
歩いて進むと火口を見下ろすことができ、立ち上る煙を見るとまだ火山活動が続いている事がわかります。
この直後、火山ガスの濃度が濃くなってしまったため強制下山となりました。
かなり見応えありますが、日によって登れたり登れなかったりするので、火口まで登れる際は是非行ってみてください!
草千里ヶ浜
火口を降りて先に進むと見えてくるのが草千里ヶ浜。
活火山の阿蘇山は途中から岩肌がむき出しで、「いかにも!」な雰囲気がありましたが、草千里ヶ浜は火口跡に雨水などが溜まってできたため、一面緑が広がります。
このすぐ横をバイクで走るのは中々爽快感があるもの。
停まってじっくり見てみても面白いスポットだと思います。
観光している人たちの小ささを見ればどれだけ壮大な場所なのか伝わるでしょうか?
とにかく大自然の規模感が凄いエリアです。
絶景の中を走れる阿蘇ツーリング
草千里ヶ浜を通りずぎてそのまま進むと阿蘇市街に降りることができます。
今回ほぼ丸一日、日が落ちるまで阿蘇周辺を走りましたが、正直まだ走り足りません。
もう1日同じルートを走ってもいいな、と思いました。
阿蘇はそれくらい走り応えがあります。
今回紹介しきれなかったスポットや、まだ有名になっていないけど素晴らしいスポットが至るところに眠っているはず!
普通のツーリングでは絶対見れない景色の中を走ることができるので、ライダーなら一度は走ってみて欲しいスポットです。
自身の愛車、もしくはHondaGO BIKE RENTALなども活用してツーリングしてみてください!
【文/佐藤快(外部ライター)】