『スーパーカブ110』をベースに遊び心のあるデザインとアウトドアフィールドに適した走行性能を取り入れた派生モデル『クロスカブ110』。ツーリングも見据えたアクティブなシティコミューターです!
シティラン&ツーリング性能が絶妙にバランスした『クロスカブ110』
『クロスカブ110』は『スーパーカブ110』をベースに、遊び心のあるデザインとアウトドアフィールドでの使用を見据えた走破性を取り入れたクロスオーバーモデル。
エンジンや骨格などのベースを共有しつつもそのスタイリングは大きく変更され、レッグシールドを省いたことによるスッキリ感と、ヘッドライトを覆うパイプフレームが軽快かつタフな個性を強調しています。
アウトドアフィールドへの進入を意識してサスペンションのストローク量が若干大きく取られていることもあり、シート高は784mmと『スーパーカブ110』よりも46mm高いセッティング。
数値的なシート高は上がっていますが、車両重量の軽さもあり、実際の足つき性としてはさほど大きな違いは感じられません。
『スーパーカブ110』に対し変化が大きく感じられるのはライディングポジション。
ハンドルの位置が広め&高めのセッティングになっていて、腕の位置が上がり、体格の大きいライダーでも窮屈感を感じづらいポジションになっています。
またレッグシールドが省かれたスリムな車体も相まって、足元の視野も広々としている印象がありました。
見た目やライディングポジションだけでも『スーパーカブ110』とは大きな違いがみられますが、明らかに異なるのはその走り。本当に元が同じバイクなのか? と思えるほどにキャラクターの違いが感じられました。
まず、運転している時のハンドリングが『スーパーカブ110』より明らかに穏やかで安定感があります。
扁平率70のフロントタイヤを装着する『スーパーカブ110』に対し、『クロスカブ110』は扁平率80の一回り太いタイヤが採用されているのに加え、ホイールベースが25mm、トレール量が5mm長く、キャスター角もやや寝ています。
これらの数値的な部分からその性格を読み取れなくもありませんが、スペック表で見る数ミリの差よりも実際に体感した方が大きな違いを感じられます。
実際に乗って比べてみると、体感としては『スーパーカブ110』の方が軽快感の強い印象ですが、だからといって『クロスカブ110』の動きが鈍重なわけではありません。
ヘッドライトやそれに付随するパーツがフレームマウントになっているのでハンドリングが素直。幅が広く抑え込みやすくなったハンドルのおかげで安定しつつも軽快なコーナリングを体感できるようになっています。
ちなみに、デザインのタフさも「見かけ倒し」ではなく、実際にちょっとした不整地を走ってみても、ライディングポジションと太めのフロントタイヤ、ストロークが増えたサスペンションのおかげで頼もしく感じつつ走れてしまいました。
そして、エンジンの変速比はスタンダードモデル『スーパーカブ110』と同様だけれど、低~中速スピード域での力強さを重視したセッティングになっているのがクロスカブ110。これによるものか『スーパーカブ110』に比べ、瞬発力が良くなっているように感じ、エンジンのフィーリングにアクティブさがプラスされていました。
その逆に、流れの速い幹線道路などでは苦しくなるかと思ったのですが、これが思いのほか気持ちいい! なんなら『スーパーカブ110』よりも4速・60km/hでのフィーリングはシルキーに感じたほどです。
ある程度、道路の流れが早い道でのクルージングも気持ちよく走ることができたので、ツーリングシーンにおいても十二分に楽しむことができるでしょう。
また、『クロスカブ110』のフロントブレーキは『スーパーカブ110』よりも豪華な装備。2ポットを採用したブレーキキャリパーで制動力が強化されていて、ブレーキフィーリングも明らかに良くなっているように感じます。
個人的には原付二種モデルの「カブ」シリーズの中で一番効きが良く感じたほどでした。
基本コンポーネントを『スーパーカブ110』と共有していますが、各部のデザインはクロスカブ専用。
ギアポジションインジケーターを内蔵したメーターパネルの配置や基本デザインは変わらないけれど、メーターカバーはクロスカブ用に設計されていて、ヘッドライトを覆うパイプフレームと合わせてタフなイメージを強調しています。
『クロスカブ110』は『スーパーカブ110』の兄弟モデルでありながら、市街地を抜け出し、郊外で遊ぶための装備が充実している、まるでSUVのようなバイクに仕上げられています。
日々の移動手段から休日のツーリングまで、1台で幅広く楽しみたい人にとって『クロスカブ110』は魅力的な相棒になるでしょう!
▼▼▼『クロスカブ110』に乗ってみたいなら「HondaGO BIKE RENTAL」で!▼▼▼
【文:石神邦比古】