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日焼け,熱中症,水分不足…夏のバイクを楽しむために知っておきたい、ライダーが教える夏ツーリングの心得

夏はライダーにとって過酷な季節です。
バイクに乗っていない人からは「バイク気持ちいいでしょー!」なんて言われますが、実際涼しいのは加速している一瞬だけで、街中の信号待ちや、渋滞の中なんかはとんでもない暑さですよね…。

それでもバイクに乗りたい!というライダーは本物であることは確かですが、乗るならしっかり夏バイクの対策をしておく必要があります。
今回は暑い時期にバイクに乗るうえで注意しておきたい、夏ツーリングの心得をご紹介していきます!

日焼けには要注意

夏の直射日光をライダーは直接体に受けるため、日焼け対策は街を歩く時やレジャーに行く時以上に対策が必要です。
一番わかりやすいところからまずは服装。

半袖半ズボンで乗るライダーは流石に少ないと思いますが、日焼け対策としても薄着はよくありません。

最低でも長袖・長ズボン、グローブ着用で肌を露出せずに乗ったほうが、直射日光を受けないため日焼けの心配が少なくなります。
日焼けは肌が軽い火傷をしている状態なので、半袖で乗っていて最初は涼しく感じても、そのまま2~3時間乗っていると長袖で乗っているよりも熱く感じて来ることも。

日焼け的にも安全面的にも、肌は露出せずにバイクに乗ったほうが結果的に涼しく乗ることができます。

ライディングウエアでも最近のメッシュジャケットは通気性が良いのに、ある程度の耐久性もあるメッシュが出てきており、内側から見ると外が透けて見えるほど薄いものもあります。

半袖で乗っているのとほとんど変わらない通気性を得ながら、いざというときはプロテクションしてくれるので、下手に長袖で乗るよりメッシュジャケットを着てしまったほうが簡単だと思います。

しかし稀にあるのがメッシュ焼けと呼ばれる、メッシュの形に肌が日焼けしてしまうというもの。
これは長時間同じ角度から日が当たり続けることによってメッシュの穴を日光が通ってしまい、日焼けするものです。

これを防ぐため、長袖のインナーを着てメッシュジャケットを着るというのも有効手段。
着ていて涼しく感じる冷感インナーなどもあるので、現代のテクノロジーを活用しましょう。

意外と忘れがちなヘルメット内部の日焼け

走っている最中は気にならなくても、ツーリングが終わった翌日くらいに気づいて「あれっ?!」と驚くのが、顔の日焼け。
露出の少ないフルフェイスでも日光が当たりやすい鼻、頬骨あたりが日焼けしてしまうことがあります。

これを見越して部分的に日焼け止めを塗っておくか、日焼けの心配があるのは日中だけなので、ヘルメットのインナーバイザーを使って日焼けを防ぐという手段もあります。

スモークシールドは日焼けの心配は少なくなりますが、日中は良くても日が落ちてからは暗いところが見えにくくなってしまうという欠点があります。

インナーバイザーはシールドはクリアのままで、必要なときのみシールドの手前からバイザーが出てきて、日差しが収まったらワンタッチで収納できるため、夏のツーリング時はもちろん、季節限らず一時的に日光を防げる便利なアイテムです。

熱中症になりやすいライダーの特徴

次に気をつけておきたいのが熱中症。
ただでさえ危険な熱中症ですが、ヘルメットを被って生身で運転しているライダーにとっては軽度の熱中症でも、事故に繋がってしまう危険があります。
ここで熱中症になりやすいライダーの特徴を見ていきましょう。

・普段はデスクワークが多い
・仕事が忙しくて寝不足がち
・血圧か心臓に関する薬を服用している
・糖尿病などの生活習慣病を抱えている
・タバコ、お酒が好きで日常的に嗜んでいる

現代社会を生きるビジネスマンならどれか最低1つくらいは当てはまってしまいそうですが、このどれか1つでも当てはまった方は熱中症になりやすいライダーです。
上記は自覚症状があって自身で判断するものですが、次は一緒に走っている仲間が熱中症になっているか判断するポイントを紹介していきます。

・ライディングがフラフラ、ギクシャクしている
・せっかくのツーリングなのに楽しそうに見えない(倦怠感があるように見える)
・生あくび、めまい、立ちくらみがある
・足が攣っている、手に力が入らない
・大量の発汗

以上どれか1つでもツーリング仲間に当てはまった場合は熱中症の疑いがあるため、本人にしっかり確認するか、自覚症状がない場合もあるので、一度安全な場所に停車して日陰で休憩、水分補給をして体調の経過を確認してみてください。

休憩して本人の意志、もしくは他者から見ても回復したようであればツーリングを続行しても問題ないと思います。
もし症状が悪化してしまったり、意識障害が出た場合は迷わず119番通報して救急隊員の判断を仰ぐようにしましょう。

熱中症のライダーの体の冷やし方

熱中症になってしまった、仲間が熱中症のような症状があると判断した場合、大切なのはまず体を冷やすことです。
生あくびや倦怠感、頭痛や吐き気などの熱中症の軽度、中度症状の場合は、全身の衣服をゆるめ、涼しく風の通る場所で休ませましょう。

日陰のベンチや木陰などでもOKですが、出来れば空調のある室内がベストです。(25度前後の室温で本人が寒いと感じる室温は低すぎて逆効果)

首に濡れたタオルを掛けるだけでも冷却効果があります。
冷たい缶飲料を手に握ったり、横になれる場合は体の太い血管がある首や脇の下を重点的に冷やして、体全体の温度を下げるようにしましょう。

症状が治まれば問題ありませんが、最初は軽度の症状でも徐々に悪化してしまうこともあるため、本人以外も一緒に経過を観察しておくのが安心です。

次に意識障害や痙攣など熱中症の重度症状が出た場合は迷わず119番通報して救急隊の判断を仰ぎましょう。
救急が到着するまでは冷たい床に寝かせて衣服を緩め、全身に常温水をかけて周囲から風を送って冷却するという方法もあります。

こうなってしまった場合本人だけでは行動できない可能性が高いので、一人の場合は周囲に助けを求めることも重要なポイントです。

水分補給でリスクを軽減できる

熱中症はソロツーリングの場合などは特に、なってしまってからでは遅いかもしれません。
それを防ぐためにも、ツーリング中に無理せずこまめな水分補給や休憩が必要です。

熱中症対策として有効な飲み物は市販の経口補水液が挙げられます。
スポーツドリンクでも有効ですが、経口補水液に比べて糖分が多いため、必要な水分、塩分、糖分を摂ることができる経口補水液がおすすめです。

熱中症になってしまった場合は、素早い対処が重症化しないための重要なポイントなので、真夏の時期のツーリングで自分や仲間に熱中症らしき異変を感じたらすぐに確認、休憩を取るようにしましょう。

対策をしっかりしておくことで真夏でもバイクを楽しむことができますが、暑いことには変わりないので、できるだけ避暑できるエリアへのツーリングルート組みがおすすめです。
街中を走るなら合間に休憩できるカフェやお店を挟むなど、バイクに安全に気持ち良く乗れるように、走り方や楽しみ方にもこの時期ならではの工夫が必要かもしれません。

まだまだ暑い時期は続きますが、しっかり夏対策をしてライディングを楽しんでください!

【文/佐藤快(外部ライター)】

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