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レーシング女子 岡崎静夏の いつもバイクで!【CT125・ハンターカブ編】趣味や遊びの幅を広げ、 新しい自分になれる!

レースが最優先の生活を続けてきたからこそ、流行のキャンプツーリングや何度か体験したことがある渓流釣りなど、バイクとは異なるアウトドアの遊びにも興味津々の岡崎静夏さん。

その相棒に“ハンターカブ”は最適なわけで……

見た目はキュートな“バイク女子”だが、’10 年から全日本に参戦して今年もJ-GP3クラスを戦う生粋の“ロードレーサー”だ。

気軽にオフロードを走れてしまう冒険派

今シーズン、レースのほうは2戦目まで苦戦してきたのですが、6月中旬の第4戦筑波大会に向けてマシンセッティングを大幅に変更して、久しぶりにタイヤの接地感をかなり得ることができました。これでようやく、自分の走りも上を目指してさらに磨いていけそう。今後に向けて、とてもワクワクしています。

そんなレーシングな日々の合間に、今月はCT125・ハンターカブをお借りしてたっぷり乗ってみました。

約2年半前に、発売直後のCT125に乗って驚かされたのは、「走る・曲がる・止まる」というバイクの基本性能がしっかりしている点でした。ブレーキはコントローラブルで、スロットルやブレーキの操作に対して前後サスの動きが分かりやすく、接地感も豊富。開発ベースはスーパーカブ C125ですが、ただ外装を変更してアウトドアテイストにしたわけではなく、乗り味から本気で磨いて、他の“カブ”と差別化しているところが「スゴい!」と思ったのです。

そんなCT125が、’22年12月にモデルチェンジされました。メインとなったのは、最新の排出ガス規制に対応したエンジンの採用。C125は’21年9月からこの新エンジンを採用していて、CT125もこれに準じた仕様になりました。ボア・ストローク値から以前と異なる123cc空冷単気筒エンジンは、最高出力もアップ。とはいえその差は0.3psなので、直接比較できていないことから、今回は明確な違いを語ることができません(涙)。

でもこれは、逆に考えると新エンジンになっても“らしさ”は健在ということ。トコトコ感と、原付二種としては十分な低中回転域での力強さが備わっていて、しかもクラッチ操作の必要がない自動遠心クラッチ仕様なので気軽に乗れます。正直なところ私としては、「こんなに楽しいバイクなんだから、よりハードにオフロードで遊べるようにマニュアルクラッチ仕様も……」なんてリクエストしたいところですが、たぶん現実的ではないですよねえ。

ちなみにカブ系のシフトチェンジは、ペダル前側を踏むとシフトアップで、後ろ側を踏むとシフトダウン。最初は「難しい……」と思っていたんですけど、これってレーサーの逆シフトパターンと同じなんです。で、シフトペダルの前側は、踏むだけでなく一般的なモーターサイクルと同じように甲部で上げることも可能。しかも、シフトダウンの適切なタイミングでブリッピングすれば、エンブレも緩和されます。これに気づいてから、「なんて乗りやすいんだ」と好きになりました。レーサー限定のような話題ですいません……。

以前のモデルに初めてライディングしたときにも感じたように、ハンターカブは舗装路をキビキビと走らせても楽しいバイクです。基本性能に優れるのに加えて、クラッチは自動とはいえギヤチェンジができるので、“操る”ということでもそれなりの満足感を得られます。

また、一般的なスクーターと比べて前後ホイールは大径なので、路面のギャップなどに対して過敏に反応しすぎず、なおかつ原付二種らしく車体は軽めなので、そういう点で考えたら通勤や通学など日常の足として使うのにも向いています。

でも私は、CT125がより輝くのは旅先でフラットダートに出会ったときだと思っています。ダートで乗る印象としてはリヤ重心で、河川敷やフラット林道をトコトコ走るぶんには、前輪のことはあまり気を遣わなくてもOK。オフロードの初中級者が冒険気分を味わうバイクとしては最適です。フルサイズの本格的なオフ車と比べて車体はコンパクトかつ軽いので、狭い道に踏み込んで「こりゃ、ダメだ……」なんてときも、押してUターンするなどすれば、なんとか自力で戻ってくることができるはず。気軽にオフロードを走れるというのが大きな魅力です。

幼いころから家族でキャンプを楽しんできましたが、バイクでのキャンプ経験は一度もナシ。もしもCT125を手に入れたら、流行に乗ってキャンプツーリングにも出かけてみたいです。あるいは、超初心者ですが渓流釣りにも……。ホンダ純正アクセサリーも豊富ですし、人気車種だからアフターマーケットのカスタムパーツもたくさんあります。自分の用途に合うようカスタムしながら、いろんな新しい遊びに挑戦する相棒にしたいバイクです!

 

CT125・ハンターカブ:SHIZUKAの評価

1)スタイリング:かつてのCT110をモチーフとした外観は、レトロであると同時に、これぞハンターカブという個性があり、それだけで高評価!

2)スポーツ性:舗装路では「走る・曲がる・止まる」の基本性能をしっかり発揮してくれて、ネイキッドスポーツのような感覚さえも……。

3)ツーリング:高速道路は利用できませんが、それでも“旅”に対するポテンシャルはパーフェクトと言ってもいいくらい。気軽なのもいいですね。

4)街乗り:オフロード走行も視野に設計されているため、荒れた路面のギャップを拾ったときにも「角」が取れていて、快適に移動できます。

5)コストパフォーマンス:原付二種としてはハイエンドに近い価格ですが、かなり幅広い用途に活用できることも考えたら、それだけの価値は十分にあります!

SHIZUKAのお気に入りポイント

【この荷台こそが存在意義かも!】大きくて頑丈かつ荷掛けフック付きで使いやすいリヤキャリヤを標準装備しているから、いろんな遊びと組み合わせて使えます。人……じゃなくてボックスを後ろに載せたくなるバイク。リヤサスプリロードも5段階に調整できます。

【オフロード走行に対応するパーツ群】インナーチューブを泥などの汚れから守るフォークブーツや、フロントフェンダーから延長されたマッドガードなど、実際にダートを走っても役立つパーツが装着されています。本気で遊べる仕様になっているのが最高!

●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希

※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2023年8月号)の内容を編集・再構成したものです

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