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「EM1 e:」のメンテナンス+日常点検はどこを見るべき?電動ならではのチェックポイントを解説!

電動バイクである「EM1 e:」を乗る上でエンジン車とは少し違ったポイントがあります。
乗り方などもありますが、今回は電動バイクのメンテナンスについて。

エンジンがないため普通の日常点検とは違った電動ならではのチェックポイントがあるんです。
また、点検は明るく、平坦な場所で、モーターを起動させない状態で行います。

ブレーキ周り

ブレーキ液の量

EM1 e: は前輪にはディスクブレーキ、後輪にはドラムブレーキが装備されており、一般的な原付クラスのバイクと同等の制動力を持っており、点検方法も大きく差はありません。

常に安全に、快適に乗るためにはブレーキまわりの日常点検も必要で、出発前にブレーキ液の量を確認しておきましょう。

車体前側に立って右ハンドル部のブレーキレバーの付け根を見てみると、外側からでも液量が確認できるように点検窓がついていて、外装もその部分に穴が空いておりのでいつでも確認できるようになっています。

写真のように窓の横にある下限の線より上まで液が入ってることが確認できれば問題ありません。

パッド残量を確認

ブレーキキャリパーを下から覗くとブレーキパッドの残量も確認することができます。
ですが小柄な EM1 e: の下にまでしゃがんで覗くのは体の大きい方にとっては少し難しいので、スマホを下に入れてパッドが映るように写真を取って残量を判断すると見やすいかもしれません。

レバーの遊び、効き具合の調整

ディスクブレーキはレバーの遊び調整はできませんが、ドラムブレーキとなっているリアブレーキレバーの遊び調整は可能です。

レバーの遊びとは、抵抗を感じるまでブレーキレバーを握って実際にブレーキが効き始めるまでのマージンのこと。
適正値は10〜20mmとなっており、握りやすい適度な遊びを持たせるようにしましょう。

遊び量を調整する場合、後輪左側にあるドラムブレーキ本体で調整します。
リアブレーキレバーを握ると写真のブレーキアームが手前に引かれ、ブレーキが効き始めます。

ブレーキアームを手で手前に押しておいて、アジャスターを回すことでブレーキレバーを握ってから効き始めるまでの間を調整することができます。

アジャスターを時計回りに回して締め込む方向に移動させると遊び量が少なくなり、アジャスターを反時計回りに回して緩める方向に移動させると遊び量が多くなります。

またブレーキ内部に入っているブレーキシューが減っていた場合、リアブレーキレバーを握り込むと写真のブレーキインジゲーターの矢印(写真ではわかりにくいため赤で追記しています)と△マークが重なります。
分解しなくてもシューの残量が確認できるようになっているので、ここもチェックしておきたいポイントです。

調整後はスタンドをかけた状態でリアタイヤを回し、引きずりがないか、適正な位置で効き始めるかをチェックしましょう。
万が一ブレーキが効かなくなってしまったり、効きっぱなしになって調整ができない場合は購入店もしくはお近くのHonda二輪EV取扱店へご相談ください。

タイヤ

溝の深さ、亀裂、損傷の点検

タイヤはモーターが生み出したパワーを路面に伝えて車体を進ませるための最終的な役割を担っている重要なパーツです。
ここも一般的な原付クラスのバイクと点検方法に大きな差はありません。

日常点検では前後のタイヤを回しながら確認し、ヒビ割れや異常な摩耗が無いかどうか確認しましょう。
タイヤは古くなると溝の中や、タイヤ側面にヒビ割れが出てくることがあり、これが見られた場合には交換が必要です。

また見るだけでなく触ってゴムが硬化していないかチェックするのも有効です。

同時に溝が無くなっていないか、十分な深さがあるかも確認しておきましょう。
溝が少なくなるほど摩耗したタイヤは事故などの危険に直結するため、見た目で大丈夫と思っても安全に走るには十分なタイヤ溝が必要です。

また摩耗したタイヤで走っていると整備不良で違反切符を切られてしまうこともあります。

目安としてタイヤセンターの溝にスリップサインというブロックがあり、このブロックが表面に出てきてしまうほど摩耗していた場合は交換が必要です。

空気圧の点検

タイヤの空気圧も日常点検でチェックしておくべきポイントです。
ここも一般的な原付クラスのバイクと、点検方法に大きな差はありません。
走行後はタイヤが温まって空気圧が高く表示されてしまうことがあるため、必ず冷えて状態で点検しましょう。
EM1 e: は車体後方のスイングアーム左側にステッカーがあり、適正な空気圧が示されています。

タイヤの空気圧は徐々に減っていくため、少なくとも1ヶ月ごとに空気圧をチェックするようにしましょう。

チェック方法はタイヤのエアバルブに空気圧を測定するエアゲージを付け、多ければ抜いて少なければ空気入れを取り付けて補充します。

ガソリンスタンドで空気圧を調整することもできますが、EM1 e: はガソリンスタンドに行く必要がないので、エアゲージと空気入れを購入するか、EM1 e: 購入店またはお近くのHonda二輪EV取扱店へご相談ください。

灯火類のチェック

EM1 e: はヘッドライト、テールランプ、ウインカーがLEDとなっています。
ハロゲン電球のように球切れするものではありませんが、スイッチの劣化や配線不良で点灯しなくなってしまう事があるため、日常点検でそれぞれの灯火が光っているか確認しておきましょう。

特にテールランプはブレーキレバーと同時に点灯する必要があるため、レバーを片手で握って片手をテールランプの光が反射する位置に手を置いて確認すると簡単です。

ウインカーは左右それぞれ点滅させた状態で車体を一周し、適切なタイミングで点滅しているかどうか確認しましょう。

モーターの点検

さていよいよエンジン車と最も違った点検項目です。
モーターの点検では安全な場所でスタンドをかけ、モーターを起動させて正しく回転するかチェックします。

スロットルの動きに合わせて加速、減速するかどうか、異音がないかなどを見ていきます。

EM1 e: は静かなバイクですが、走行中は風切り音やロードノイズなど様々な音がモーター以外から鳴っているため、異常があっても気づかない場合があります。

純粋にモーターだけのチェックができるため、出発前に実施してみてください。

定期点検でより安心に

日常点検でチェックしておきたいのは以上の項目ですが、これはかなりライトな部分のみの点検で、これだけでは長期間トラブル無しで乗り続けることはできません。

道路運送車両法にて点検期間が定められており、日常点検の他に1年ごとに行う点検、2年ごとに行う点検があり、これは分解も含めたよりシビアな点検項目をプロの整備士がチェックすることになります。

またEM1 e: を使い始めてから1ヶ月、または1,000km時に行うHonda指定の点検整備項目などもあるため、自ら行う日常点検だけでなく、ご購入されたHonda二輪EV取扱店で定期点検を受けることでより安全安心にEM1 e: を乗り続けることができます。

正しい点検をして安全にEM1 e: を楽しんでください!

【文/佐藤快(外部ライター)】

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