夏は最高のバイクシーズン! だけどスーパーカブシリーズやGB350などのバイクはちょっと気を付けて欲しいポイントがあります!
ぜひ、チェックしておいてくださいね!
GB350やカブシリーズの『空冷エンジン』はうっかりオーバーヒートに気をつけて!
バイクやクルマのエンジンのオーバーヒート。
メカに詳しくない人でも、一度くらいは聞いたことがあるんじゃないでしょうか?
エンジンのオーバーヒートというのは、その名の通りですが『エンジンが熱くなりすぎてしまった状態』のことで、その状態になると、場合によってはエンジンに深刻なダメージが残ってしまうことがあるんです。
みなさんも何となくは知っていると思いますが、ガソリンを燃料として走るエンジン(内燃機エンジン)というのは、エンジンの内部でガソリンと空気を混ぜた混合気を燃焼・爆発させて動力を発生させています。
ちょっと想像するとイメージできる話ですが、そのためにエンジンは『熱』を持ち、冷却しないと際限なく熱くなり続けていきます。そして、許容できる熱量の上限を超えた状態(オーバーヒート)になるとエンジンは不調になる、あるいは深刻なダメージを負ってしまうことがあるんです。
エンジンの冷却方式は大別すると2種類あって、LLC(ロングライフクーラント)という沸騰しにくいように加工した専用の冷却水を使って、それをエンジン内部に循環させることで冷やす『水冷方式』と、バイクを走らせることでエンジンに直に走行風を当てて冷却する『空冷方式』があります。
水冷方式はエンジンが過酷な使用条件になることが多いスポーツバイクなどに採用されることが多いのですが、水冷方式でも基本的には走行することでラジエターという装置に走行風を当てて冷却水を冷やす必要があります。しかしながら、水冷方式を採用しているバイクにはモーターでファンを回して強制的に風を発生させ、冷却水を冷やす装置がついている場合が多く(例外もあります)、オーバーヒートの心配はそれほど強くありません。
ですが!
Hondaでは人気モデルのGB350やスーパーカブ50/110、CT125・ハンターカブなどに搭載されている空冷エンジンは、特に気温が高くなる夏場はちょっとオーバーヒートに対する気遣いをしておいたほうが賢明です。
ただ、夏場でも普通に走行していれば基本的にはオーバーヒートになってしまうようなことはありません。
最新のHondaのエンジンはそんなにヤワじゃありませんので。
だけど、ちょっと気をつけたいシチュエーションもあります。
そのひとつが『渋滞』です。
夏は行楽シーズン真っ盛りですから、休日ともなれば一般道、高速道路に関わらず渋滞が発生することはもはや必然。
そういったシチュエーションの中では『エンジンが掛かっている状態のままで、ほとんど走行しない』という状況に陥りがちになります。
先にも言ったことですが、エンジンは基本的に『走行することで熱を冷却する設計の機械』なので、渋滞などは過酷な環境といえます。これが冬であれば外気温の低さも含め、すこしの走行でもエンジンは冷えてくれますが、問題は夏。
特に最近の日本の夏は、酷暑日なんて呼ばれる日もあるほどで、そういった環境下ではどうしてもオーバーヒートしやすくなってしまうんです。
また、渋滞のような環境でなくても、エンジンを掛けたまま(アイドリング状態)で友達とのおしゃべりに夢中になってしまったり、景色の良い場所で写真を撮りたくなったりすることもあるかもしれません。
そういう場合にもエンジンがオーバーヒートしてしまう危険性は高まります。
オーバーヒートしないためには?
誰しも、望んで愛車をオーバーヒートさせる人なんていないと思いますが、知識不足でうっかり……が無いとは言えません。
じゃあ、スーパーカブシリーズやGB350などの空冷エンジンをオーバーヒートさせないためにはどうすればいいのか?
その答えは極めて単純!
走って冷やす、あるいはエンジンを停止させて冷えるのを待つ。基本的にはそれしかありません。
渋滞などで満足に走れない状況でオーバーヒートが心配になったら、自らの休憩も兼ねてひと休み。
エンジンが停止していれば熱はそれ以上発生せず、そのうちに冷めていきます。なので、夏の渋滞などのシチュエーションでは自分のためにもバイクのためにも『早めの休憩』がおすすめです。
あとは写真を撮ったり、友達と談笑するときは基本的にエンジンを停止させるようにすること、でしょうか。
もちろんHondaのエンジニアだって、渋滞などのシチュエーションは想定済みなので、夏場だからって簡単にエンジンがオーバーヒートしてしまう訳じゃありません。
だけどバイク、特にスーパーカブシリーズやGB350のオーナーさんには知っておいて欲しいと思います。
エンジンは不適切な使用をするとオーバーヒートしてしまうもの。
そのことを頭の片隅でいいので覚えておいてください。それはきっと愛車と過ごす幸せな時間、そして末永いバイクライフを楽しむために役立つ知識のひとつに違いありませんので!
【文/北岡博樹(外部ライター)】