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はじめてのバイクキャンプなら『ADV160』が1番おすすめな理由って? 実際にツーリングに行って確かめてみた!【バイクキャンプ GO!GO!/ADV160 レビュー 前編】

クロスオーバースタイルのスクーターモデルとして登場したHonda『ADV160』は、キャンプツーリングがどれくらい楽しめる?

アウトドア好きライダーが気になるADV160のマシン性能や利便性を確かめるために実際にキャンプ旅へ行ってみました!

『ADV160』ってキャンプツーリングにどれくらい向いている?

クロスオーバースタイルのスクーターモデルとして2017年に登場した「X-ADV」。その小排気量版として、2020年に軽二輪クラスのスクーターでは初となるクロスオーバー仕様の「ADV150」が登場しました。

そこから約3年後の今年2023年1月に160ccへの排気量アップや、各所を大幅にブラッシュアップさせて登場したのが「ADV160」です。

普段使いからツーリングまでマルチに使える大人気スクーター「PCX160」をベースモデルにしているだけあって、コーナリングやワインディングでもスポーティに走れ、高速道路を使った長距離移動も難なくこなせるツーリング性能を合わせ持ちながら、未舗装路の走行やアウトドア遊びにまでフィールドを広げられるマルチ・スクーターとしてリニューアルされました。

前モデルのADV150と基本的なデザインコンセプトが共通しているので「ちょっと排気量が上がっただけなの?」と思われがちですが、実はエンジンもフレームも新設計となり、フルモデルチェンジと言えるレベルで進化しています。

排気量もアップした新設計エンジン「eSP+」を、剛性バランスと軽量化を実現した新設計フレームに搭載したことで、街乗りなどの普段使いはもちろん、コーナリング時のスポーツ性能や長距離の移動が格段に快適になりました。

原付二種/125ccスクーター並みのコンパクトな車体に、高速道路にも乗れる排気量(160cc)を搭載したHonda『ADV160』は、キャンプツーリングやアウトドアにも最良の相棒になってくれると思うんです。

今回は、ADV160でキャンプツーリングに出掛け、日常的な使い方に加えてキャンプやアウトドア遊びにどれくらい向いているのかを実際に確かめてみたいと思います。

高速道路に乗れる排気量で移動できるフィールドが更に広がる!

キャンプ道具さえ積載できるのであれば、基本的にはどんな排気量のバイクでもキャンプツーリングはできますが、やはり高速道路に乗れることでフィールドの選択肢が格段に広がります。

前モデルの149cc(ADV150)から→156cc(ADV160)へ排気量がアップしたことに伴い、スクエアに近かったボア×ストローク比もショートストローク寄りに変更され、最高出力も1馬力アップした16PS/8,500rpmに向上。高速道路を100km/hで走行していると馬力アップしたパワーフィーリングがしっかりと感じられ、ツーリング性能がさらに進化していることを体感できました。

小排気量モデルにありがちなエンジンの“頭打ち感”がほとんど無いと思えるほど、高回転域までスムーズに上昇してくれるようになっているんです。

しかもフロントのウインドスクリーンは手動で上下に調整でき、ハイスピードな高速道路でも走行風を綺麗に受け流してくれるので、移動がビックリするほど快適でした。

ADV160は、250ccクラスと同じ軽二輪カテゴリーになります。ちょっと馴染みが薄い160ccと言う排気量ですし、高速道路の長距離移動は「少し疲れるのでは?」と思いましたが、目的地付近のインタージェンジを降りる頃には、そんな事はすっかり忘れていました。

速度に上限はありますが、快適性に関しては250ccクラスのモデルとほとんど変わらないほど、高速道路の巡航性能も高いと思って間違いありません。

日常とは違う景色の中をバイクで走れるのは、遠くまでツーリングに来たライダーの特権かもしれません。

ツーリングに出掛けると、走っていて疲れないモデルほど「どこまでもずっと走っていきたいなぁ」と思えますが、ADV160はまさにそんな感じ。普段使いの「日常」から、ツーリングやアウトドア遊びの「非日常」まで、様々なシチュエーションで扱いやすいモデルに進化しています。

キャンプ場へ続く道が未舗装路でも安心して走れる!

進化したADV160は、排気量アップやツーリング性能以外にも、実は様々な性能が格段にアップしているんです。

ちなみにキャンプ場へ近づくと、アスファルトが整備されていない未舗装路が現れる事はよくあります。オフロードって慣れていないとちょっと怖いですよね……だけど目的地のキャンプ場まで舗装されていない道を走らなければならない時こそ、ADV160のマシン性能の高さがありがたいんです。

専用デザインのセミブロックタイヤと前後サスペンションの最適化

普段使いの街乗りから高速道路を使ったツーリング、ちょっとした未舗装路の走行など、様々な路面状況での仕様が考慮されたセミブロックタイヤは、ADV160専用のデザインパターンが採用されています。

前後チューブレスのタイヤサイズは、フロントが110/80-14、リアが130/70-13のワイドタイヤになっていて、太めのトレッド幅と豊富なエアボリュームによって快適な乗り心地とスムーズなハンドリング性能を両立しています。

さらに、ADV160に進化したことで前後のサスペンションも最適化されているんです。

フロントサスペンションは、前モデル(ADV150)よりも10mm伸ばした130mmのストローク量が確保され、バネの強さや減衰特性などのサスペンションセッティングが変更されたことで、より快適で安定感のある足まわりになっています。

リアサスペンションは、リザーバータンク付ダンパーを備えた2本仕様になっていて、車体のコンパクト化や荷重特性にも貢献しつつ、ワンランク上のしっかりした乗り心地。ストローク量も110mm確保され、アスファルトの走行はもちろん、ちょっと荒れた場所でも安心して走れる路面追従性を誇ります。

前後サスペンション共に、路面のギャップを乗り越えた時の突き上げ感が抑えられ、凹凸が連続するような路面でもタイヤのバタつきが減ったことで、特に未舗装路の走破性が格段にアップしているように感じました。

すぐに足が着けるシート高と操作しやすいハンドル切れ角

ADV160がキャンプやアウトドア遊びに向いている大きな理由として、取り回ししやすい「コンパクトな車体」と、すぐに地面に足が着ける「足つき性の良さ」があると思うんです。

ADV160のシート高は780mmで、前モデルのADV150(シート高:795mm)より15mmも低くなり、足つき性がさらに向上しています。

バイクでキャンプツーリングに行くとなると、ダート走行が得意不得意に関わらず、未舗装路の走行が必要になるキャンプ場がほとんどです。ADV160は未舗装路に慣れていなくても、走るのに不安定な場所があれば、サッと両足を出して二輪二足で通り抜けられますし、狭い道での旋回もしやすいので安心してキャンプサイトまで辿り着けるんです。

特に筆者が感じたのは「ハンドル切れ角」の自由度。

フラットで操作性にも優れるテーパーハンドルを採用したADV160のハンドル切れ角は、なんと左右46°もあり、バイクを寝かせずにハンドルを切りながら走ることもあるオフロード走行や、狭い道などでの小回りが抜群にしやすい形状になっていました。

ちなみに車両のタイプは異なりますが、CRF250Lのハンドル切れ角が左右45°なので、まさにオフロードバイク並みの自由度があるんですね。

トラクションコントロールを新搭載!スリップしやすい路面での安心感が向上

そして極め付けは、ADV160に進化したことで「HSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)」が新搭載されたことでしょう。これは、リアタイヤのトラクション性能が弱まった時や、スリップしやすい路面などで、必要に応じて自動でライダーを手助けしてくれるトラクション・コントロール・システムです。

特にキャンプ場などにありがちな路面が柔らかくてスリップしやすい未舗装路を通過しなければならない状況での安心感が格段にアップしています。

軽二輪クラスのスクータータイプにも「HSTC」が標準装備されたのは本当にありがたいですね。

ちなみに、スピードメーター前方のスイッチで「HSTC」のON/OFFの切り替えも可能になっていますので、その気になればリアを滑らせながら走るようなスライドコントロールも楽しめますよ!

ニーグリップができないスクータータイプのバイクで未舗装路を走るのは少し不安でしたが、荒れた路面も走りやすい前後サスペンションやセミブロックタイヤ、更に「HSTC」の安心感もあって、ダート走行が楽しくなるほど快適に走れました。

純粋なオンロードバイクだとちょっと侵入するのをためらってしまうような場所でも、ADV160なら「もっと行けるかも!」と思わせてくれるんです。

キャンプ場へ辿り着くまでの道のりも楽しめるのがADV160の魅力

ADV160は、想像していた以上に高速道路を使ったツーリング性能も快適に楽しめるし、郊外のワインディングもスポーティに走れるだけじゃなく、足場の悪い未舗装路の走行も不安なく走れるように様々な性能がブラッシュアップされていました。

原付二種/125ccクラス並みのコンパクトな車体は、街乗りなどの普段使いが便利なだけじゃなく、アウトドア遊びにまでフィールドを広げてくれる、まさにマルチパーパスなアドベンチャー・スクーターに進化しています。

高速道路が走れる排気量だと距離や移動時間の感覚も掴みやすいから、想定していた時間にお目当のキャンプ場に辿り着けました。

う〜ん、天気も最高!

本日は「ここをキャンプ地とする!」

▶▶ 続き「ADV160でキャンプツーリング 後編」もご覧ください!

【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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