はじめて乗るバイクにワクワクしつつも、雨上がりの路面はずっしり濡れたまま。タイヤが滑るかもしれない……と慎重に走り出してみましたが……
エンジンだけじゃない、安定感もスゴいんです……
ようやく乗る機会を得た新型CL250。けれど季節は梅雨真っ盛りで、この日も朝までがっつり雨でした。
だけど先の【第一印象編】でお伝えした通り、エンジンを掛けた瞬間からテンションは上がってます。雨上がりの街へ、いざ!
クラッチミートから発進。250ccながら極低速のトルクがきちんとあって、走り出しで不安を感じるようなことはありません。というか、かなり力強い?
弾けるようなサウンドとリニアなスロットルレスポンスが手伝って余計にそう感じたのかもしれませんが、極低回転域でも十分以上のパワーを感じます。
だけど基本的にはフラットにパワーが出てくる特性。扱いやすさも備わっていました。
アクセルを開ければ、そのぶん低速からきちんと加速してくれて街中のクルージングスピードまでストレスなく速度が乗っていきます。
でも個人的に印象が良かったのは、その加速の中にあるフィーリング。単気筒エンジンらしい明確なエンジンの鼓動感、あるいはパルス感によって普通に走っているだけでも嬉しくなってくるんです。マフラーからのサウンドも歯切れが良いものですが、走りも歯切れがいい感じ。レブル250と基本的には同じエンジンなのですが、印象は全然違います。250ccの単気筒エンジンとして、かなり満足できるフィーリングだと、素直にそう思いました。
でも、実を言うとエンジン以上に驚いたのは、車体の安定感でした。
CL250はスクランブラースタイル&軽い未舗装路の走行も視野に入れたバイクだというので、雰囲気も含めて、石畳の路面なんかも走ってみたんです。だけど濡れた石畳、ご存じのかたもいらっしゃるとは思いますが、雨に濡れた状態だとめちゃくちゃタイヤが滑りそうな予感しかしません。
だから、さすがに交差点などは恐る恐る……だったのですが。
なんだか予想外に安心感が高い……前後のタイヤが、きっちり路面を捉えていることが伝わってくるんです。
アドベンチャーバイクが履くようなオールラウンドなキャラクターのタイヤの対応力もあるとは思いますが、それ以上にCL250の足まわりがしなやか。前後サスペンションが繊細に動いてくれて『濡れた石畳』のような厳しいシチュエーションでも不安を感じない!?
特に良かったのは、そんなシチュエーションでもフロントタイヤの接地感が失われず、自信をもって運転できること。曲がる時もそうですが、ブレーキにもしっかり感があって、滑りそうな路面でも不安を感じず車体をコントロールできるんです。
そして、そうこうしているうちに日が差してきて、初夏の気温も手伝って、路面は急速に乾いていき……路面状況が良好になるほどに、ますます強くなる安定感。
え? これちょっとスゴくない!?
サウンドに気持ちが盛り上がって、走り出せばパワフル。滑りやすい路面でも安心感がある。
そこに加えて、アクセル一定でゆったり流している時に、ほどよく伝わってくるエンジンの鼓動感にも満足。しかも、さすがは軽いダート路面も想定されているバイクというべきか、乗り心地も快適です。だけど、走っていてフワフワと頼りない感じもしない。街中を走っている分には、前後サスペンションにきっちりコシのあるスポーティさのようなものも感じられる。
そのうえで、アクセルを開けてバイクを加速させるのがめちゃくちゃ楽しい!
街乗りに関して文句をつけるべき部分がどこにも見当たりません。そのスタイルから見た目優先のバイクかもしれない……なんて心配する必要はゼロです。
逆に、その性能とパランスの良さに驚くことになると思う。
そして、そういった驚きが高速道路やワインディングでもどんどん出てくるのがCL250なんです。このバイクの万能力、ちょっとハンパじゃないぞ!?
▶▶「Honda CL250 試乗インプレ③ 高速道路編」もご覧ください。
【文/北岡博樹(外部ライター)】
ホンダ『CL250』に乗ってみたいなら!