CBR1000RR-Rに乗るタイ・メッサーさんはアメリカ人。
横須賀の米軍基地で働いています。
アメリカにいた頃は、自分がバイクに乗ることなど考えたこともありませんでした。
ところが日本でバイクに出会ってから、すっかり夢中になってしまったんだとか。
どのようにしてホンダのバイクと出会い、どんなバイクライフを過ごしているのかをうかがってみることにしました。
知人から譲り受けたCB400SFがすべてを変えた
テキサスで生まれ育ったメッサーさん、当初興味の対象はバイクよりもクルマだったと言います。
「クルマに夢中でした。ドリフトとカスタムにハマっていたんです。仲間と走りに行ったり、クルマの部品を交換してばかりいました」
アメリカ軍の基地で働いていたメッサーさんは、2007年に佐世保基地配属となります。
日本でもクルマのカスタムを楽しんでいましたが、ある日偶然、ホンダのバイクを手に入れることになりました。
「知人が帰国することになり、日本で使っていたCB400SFを譲ってくれたのです」
初めて乗ったバイクは新鮮でした。
普通に街を走っただけでもクルマとはまったく違った刺激があることに気づいたメッサーさんは、ここからバイクにのめり込んでいくことになります。
「バイクがとても楽しいものだと分かったんです。それにクルマのカスタムと違ってバイクは経済的でした」
バイクに乗り出して、しばらくするとエクストリームライディングに興味が出てきます。
動画で様々なライディングをしているのを見て、自分でも練習したくなりCBR600F4を入手。
エクストリーム仕様のマシンを作り出します。
ところが少し挑戦してみたところで自分が求めていたものではないということに気が付きました。
スポーツライディングの楽しさを教えてくれたCBR600RR
「CBR600RRを友人が譲ってくれたのでワインディングを走ってみたら、とても楽しかったんです。エクストリームライディングなんてしなくても純粋にバイクで走ることのほうが自分にはあっているんだと思いました」
CBR600RRは、素晴らしいハンドリングでメッサーさんの感性を刺激しました。
ワインディングだけでなく、サーキットの走行会にも参加するなどしてスポーツバイクの楽しさを知ると、リッタークラスのスーパースポーツにも興味が出てきました。
「CBR600RRは、ハンドリングが素晴らしいバイクでした。とても好きだったのですが、もっとパワーのあるバイクに乗りたいと思うようになったのです」
そこでCBR1000RR-Rへの乗り換えを検討することになるのです。
ドリーム店の対応が決め手となりCBR1000RR-Rを購入
実はメッサーさん、リッターバイクを購入する時は、ホンダ以外の車種も選択肢に入れていました。
そんな状態で最終的にCBR1000RR-Rに決めたのは、ドリーム店の対応が決め手だったと言います。
「ホンダドリームに相談に行ったら対応がとても丁寧で親切でした。親身になって相談に乗ってくれたので、ここなら安心してバイクを任せることができると思ったんです。購入後も整備などお願いしていますが、対応にはとても満足しています」
ホンダのバイクに乗り続けることになったわけですが、それは偶然が重なっただけでなく、メッサーさんの中にある、ホンダのイメージが関係しています。
「高性能なバイクはたくさんあります。でもホンダは製造技術が高くて製品としての信頼性が高いと思っています。長年高性能なバイクとクルマを作り続け、先進的な技術を取り入れてきたから、そういった歴史が積み重ねられているのでしょう。それにホンダのバイクは、自分のフィーリングにあっていると思います。どのバイクも私を楽しませてくれました」
CBR1000RR-Rの装備と性能に大満足
CBR1000RR-Rに投入された最新の技術と性能はメッサーさんを喜ばせることになりました。
「スマートキーシステムやTFT液晶のメーターパネルなどはとても気に入っています。デザインも素晴らしいしです」
大好きな箱根のワインディングを走ったときは、スポーツ性の高さとエキサイティングなフィーリングを堪能することができました。
「600の時は低回転でもう少しパワーが欲しいと思ったこともありましたが、CBR1000RR-Rではそんなことは感じません。パワフルだし、ハンドリングもスポーティーだから、ワインディングはとても楽しいマシンです」
高性能なうえに、フレキシビリティーが高いこともこのバイクの素晴らしいところ。
どんなときも従順でとても扱いやすいのだそうです。
「このバイクは毎日仕事への通勤でも使っていて、休日はショートツーリングに出かけたりします。町中を走るときも扱いやすくて、そんなところも気に入っています」
天気が良い休日は海辺のカフェでくつろぐ
天気が良い時は、景色を楽しみながら海岸沿いを走り、お気に入りのカフェでリラックスするのが週末の楽しみ方。
「日本はバイクを楽しむのに適した環境が整っていると思います。ワインディングもたくさんあるし、美しい景色を楽しむこともできます。道路を走っている人達のマナーも良いから走りやすいです。それに美味しいものがたくんさあるのも良いですね」
今回出かけていったのは野比海岸のPILOTA MOTO。
お店から海を見渡すことができるカフェです。
店主の辻本聡さんは、ホンダのライダーとしてGP500や鈴鹿8時間耐久ロードレースにも参戦していたレジェンド。
数多くの伝説を打ち立てたライダーでありながら、明るくて親しみやすい人柄に惹かれ、休日になるとツーリングがてら多くのライダー達が訪れてきます。
辻本さんが活躍していた時代のことをメッサーさんは知りませんが、バイクに乗る人達が集うオシャレなカフェがすっかり気に入った様子でした。
横須賀から三浦半島を南下していくと、海岸沿いに雰囲気の良いカフェがいくつもあるので、その時の気分で行き先を決めます。
片道30分ほどのライディングをして、美しい景色と美味しいコーヒーを楽しむことができたら、それだけで気分がリフレッシュできるのだと言います。
ライダーのスポーツマインドを刺激するCBR1000RR-Rは、そんな使い方をしたときも心地よい刺激をメッセーさんに与えてくれるようです。
【 PILOTA MOTO 】
住所:〒239-0841 神奈川県横須賀市野比5-6-39
営業時間:11:00〜17:00
定休日:ウエブサイトにて確認
Webサイト:PILOTA MOTO
チームベストとバンダナに込められた想い
メッサーさんは、普段レザーのベストを着用しています。
これはメッサーさんが所属しているモーターサイクルクラブ「ブラックホーク」のウエア。
アメリカで創立されたこのクラブは、メンバーの1人が日本支部を立ち上げ、そこから大きく育っていくことになりました。
現在はアメリカ人だけでなく、日本人も含めた様々な国の人達で構成されていて、年に一度のBBQやツーリングを行っています。
ライディングの時は、必ずこのベストとバンダナを着用します。
バンダナは、病気で他界してしまったメンバーへの思いがこめられているのだとか。
「彼がいつもバイクに乗る時、必ずバンダナをしていました。それでチームの皆で話して、彼のことを忘れないようにバンダナをしてバイクに乗ろうということになったんです」
CBR1000RR-Rでやってみたいこと
CBR1000RR-Rには大満足だというメッサーさん。
現在はカーボン製のタンクカバーやインナーフェンダーを装着し、スクリーンを交換するなどのドレスアップを楽しんでいます。
CBR600RRで知った「ライディングすることの喜び」は、CBR1000RR-Rで更に大きくなりました。
だからもっと色々な場所に出かけてみたいとも考えています。
「長い休みが取れたら、以前勤務していた佐世保までツーリングしたいですね。素晴らしい景色を追いかけて色々な場所に出かけて行きたいです。機会があったらサーキットでライディングスキルを磨きたいとも考えています」
日本に来て、バイクに出会ったことで、メッサーさんのライフスタイルは大きく変化しました。
CBR1000RR-Rを相棒にしたこれからは、更に密度の高い時間をすごすことになりそうです。
【文/後藤武(外部ライター)】