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レインウェアにも「寿命がある」って知ってた? 雨具の買い替え時期を見極めよう!【バイクライフ・ステップアップ講座/雨装備の寿命 編】

雨が降らなければ、たまにしか着る機会がないバイク用のレインウェアですが、実はそのままにしていると寿命が短くなってしまうこともあるのをご存知ですか?

しばらく使っていないレインウェアを久しぶりに着ようとしたら……

季節の変わり目や雨が降りやすくなってくる梅雨時期は、バイク用のレインウェアの使用頻度も自ずと多くなるかもしれません。

しかし、逆に言えば雨が降らなければ、レインウェアはたまにしか着る機会がないのものなので、久しぶりに着ようと思ったら知らぬ間にボロボロになっていた……! なんてこともライダーの間ではよく耳にする話です。

レインウェアに限らず、ほぼ全てのライディングギアにも遅かれ早かれ「寿命」や「買い替え時期」というものはありますが、他のライディングギアのように頻繁に使用していないのにも関わらず、気がつかないうちにダメになってしまうのは、なんだか腑に落ちないですよね。

どんなに高性能なレインウェアでも、経年劣化や機能性の低下は少なからずあるものですが、雨が降りやすい日本では「1年を通して使うもの」でもありますので、できれば少しでも長く使いたいものです。

そこで今回は、バイク用のレインウェアはどのようにして劣化していくのかを解説しつつ、より長く使える保管方法などをご紹介したいと思います。

バイクのレインウェアは走行風のバタつきや車体の擦れなどで普通の雨具よりも傷みやすい?

バイク用のレインウェアは一般的なレインウェアと比べて、劣化や破損がしやすいものと言えるかもしれません。

しかし、これは素材や性能が劣っているというわけではなく、バイク用レインウェアとしての使い方にあると考えられます。

基本的にバイク用のレインウェアは、プロテクターなどが付いたライディングジャケットの上から着ることが想定されていますし、バイクに乗っている時は高速道路ならば台風並みの走行風を受けながら走っていることになります。強い走行風でレインウェアがバタつき、高い風圧を受けていることに加えて、中に着たジャケットやバイクの車体などと擦れ合ったりする。これにより素材にダメージが加わりやすい状態になっています。

「まだ数回しか着てないのにもう劣化している……?」というケースがあるのは、これらが原因なのかもしれません。

破れやほつれ

さらに、バイクで走ることで受ける走行風や身体の動きなどでレインウェアの生地が擦れ合い、部分的に破れたりほつれたりといった破損が起こり、そこから雨水が浸入しやすくなります。

特にバイクのシートに座っているお尻の部分は擦れたり破れたりしやすく、走行時に受けた雨水も溜まりやすい部分なので1番最初にダメージを受ける場所でもあります。

また、乗り降りの際は、フットステップやバイクの車体などに引っ掛けたりしやすいですし、マフラーやエンジンなど熱くなりやすい場所に触れてしまうとナイロン素材は一瞬で溶けてしまうので注意が必要です。

シームテープなどの破損

一般的なレインウェアの多くは、縫い目や繋ぎ目から水の浸入を防ぐための「シームテープ」と呼ばれる防水テープが圧着されています。

レインウェアに使われているナイロンなどの生地が経年劣化し始めると、このシームテープも一緒に剥がれはじめ、防水性能が低下していきます。
シーム加工は部分的な修正なら可能なケースもありますが、長期間使用しているものは経年劣化は避けられないので、こうなってしまったら多くの場合は寿命と言えるでしょう。

加水分解

劣化と共に水を弾く撥水性が下がってしまうのは仕方ない部分もありますが、一番厄介なのは『加水分解』です。

「加水分解」とは、レインウェアに使われているポリウレタンなどの生地素材と、空気中の水分が化学反応を起こして劣化し、最悪の場合、生地や繋ぎ目のシームテープなどが剥がれてしまう現象です。

久しぶりに着ようと思ったら内部がボロボロになっていた、というケースのほとんどは、この加水分解が原因。

部分的にでも加水分解がおき始めたら、残念ながらそのレインウェアは寿命を迎えていると思った方がよいでしょう。

バイク用のレインウェアは頻繁に使わなくても、主にこれら3つの劣化や破損がおこりやすく、概ね3〜5年が寿命や買い替え時期と言われています。

レインウェアを長持ちさせるための保管方法って?

しかしながら、レインウェアは定期的なメンテナンスや保管の仕方などで寿命を延ばすこともできます。

使用した後のレインウェアは、ついつい収納袋やスタッフバッグに丸めて入れっぱなしになっていることが多いと思いますが、長期保管する場合はできればこれは避けたいところです。

綺麗に畳んで丸めて入れた状態というのは、常に圧力で潰された状態で長時間保管されることになりますので、部分的にレインウェアの素材がダメージを受けています。

レインウェアを使用したらそのまま仕舞わずに、雨水をタオルなどで拭き取り、まずは綺麗に乾かしましょう。

完全に乾いた後、レインウェア用の防水スプレーを満遍なく吹きかけ、水を弾く性能をアップさせておきます。

これで次に使うときに雨水の侵入を防ぎやすくなりますので、生地の内部まで水が浸透しにくく、加水分解や劣化を遅らせることができます。

また、レインウェアの保管も、できれば収納袋に丸めて入れずに、他のライディングジャケットや衣類と同じように湿気の少ないクローゼットでハンガーなどで吊るして保管しておきたいものです。

せっかく購入したレインウェアですから、他のライディングギアと同じように定期的にメンテナンスを行いましょう、そうすればきっと劣化を遅らせて、より長く使うことができるはずです。

たまにしか使わないものだからこそ買い替え時期を見極めよう

しばらく使っていなかったレインウェアをチェックしてみて、破損や経年劣化がおきているようでしたら、新しいレインウェアに買い替え時期と言えます。

お近くの「Honda DREAM」や、Hondaバイクのオンラインショップ「HondaGO BIKE GEAR」では、最新のレイングッズが探せるようになっています。買い換えの時期だと感じたら、価格帯や性能、使用頻度などを吟味して納得のいくものを探してみてください。

いかがでしたか?

レインウェアは雨が降らなければ、たまにしか使わないものかもしれませんが、ツーリングやバイクライフを快適にするためには必須のアイテムです。

レインウェアは「梅雨時期に限らず1年中使うもの」と思って、この機会に是非お気に入りのレイングッズを見つけてみてくださいね!

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【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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