サイズは合っているのに長時間ヘルメットを被ると頭が痛くなる……。
そんなライダーさんはもしかしたらヘルメットの内装調整が必要かも?
同様の悩みを持つ筆者が「アライヘルメット」で内装のフィッティングを受けてみました! その過程や感想をお伝えします!
頭が痛くなるのはヘルメットのフィッティングで解決できる!
ヘルメットを長時間被ると頭が局所的に痛む、といった悩みを抱えている方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
私もその悩みを抱えている一人で、左の側頭部がピンポイントで痛くなり、酷いときには2日間ツーリングをするとむこう一週間 打撲のように痛みが続きます……。
そもそも6年間のバイク生活の中でまっすぐヘルメットを被れた試しがありません。
被るヘルメットのメーカーによって痛みに差異があるので、現在私は一番痛くなりづらいと感じるメーカーのものをチョイスして被っていましたが、根本的な解決には至っていません。
読んでくださっているライダーさんの中にも「あのメーカーのヘルメットは自分の頭に合わないから」と気に入ったヘルメットを諦めてしまっている方がいるのではないでしょうか?
でも実はこれ、各ヘルメットメーカーが用意しているフィッティングサービスで解決できるらしいんです……
という訳で今回は、日本を代表するヘルメットメーカーの1つ「アライヘルメット」さんの本社に足を運び、ヘルメットのフィッティングサービスを体験してきました!
フィッティングの過程や感想をお届けするので、ヘルメットでお悩みの方は是非参考にしてください!
そのヘルメットサイズ、正しいサイズ?頭を測ってサイズを確認しよう!
今回私のヘルメットのフィッティングを担当してくれたのは、株式会社アライヘルメット国内営業部の上 幸一さん。
「RX-7X」というモデルでフィッティングを行っていきます。
頭が痛くなる原因として最初に確認したいのはヘルメットのサイズがあっているかということ。
量販店でヘルメットを買う時、自分の試着した際の感覚だけで選んでしまうとサイズが合っていない可能性があります。
締め付けを嫌って大き目のサイズを被ってしまうと一点だけに重さが集中し、長時間走ると当たっている部分が痛くなったり、首や肩がに痛みが出たりします。
被り心地ではなく、頭のサイズで適切なものを確認してみましょう。
まずはメジャーを使って各ヘルメットメーカーがヘルメットサイズの基準として定めている「頭囲」を測っていきます。
頭囲を測る際は、眉から指一本分、耳から同じく指一本分上に、そして後頭部の一番高い位置を結ぶようにメジャーを一周させて測定します。
実測した私の頭のサイズは57.3mmでした。
アライヘルメットさんだとMサイズに相当する57~58mmが適合サイズとなります。
という訳で早速57~58mmサイズのヘルメットを被ってみますが……側頭部がキツイ……。
そこで今度は写真のような道具を用いて頭の幅と頭の長さを測ります。
すると、頭幅が170mm、頭長が190mmでした。
これを採寸対応表に照らし合わせると、どうやら私の頭はヨコに長い形状らしく、内装のサイドパッドを抜くかワンサイズ上のLサイズに当たる59~60mmで対応するのが適切とのこと。
なるほど、どうりで側頭部がキツイわけです。
単純に頭囲の長さだけでは判断できないというのがサイズ選びにおけるひとつのポイントです。
今回は59~60mmサイズをチョイスすることで対応することにしました。
これで解決できれば良かったのですが、まだまっすぐヘルメットを被れず、左側頭部に締め付けを感じます。
ということでここからは本格的なヘルメット内部の換装に入っていきます!
サイズで解決しない場合は内装を頭のカタチに合わせて調整!
頭のサイズを測ることで、正しいヘルメットサイズがわかったので、次は内装を頭のカタチに合わせて調整していきます。
まず私の場合、まっすぐヘルメットが被れないのが問題。
写真の通り、鼻とヘルメットの正中がズレ、斜めに被ってしまっています。
そこで、頭のカタチを直接手で触って確認していきます。
この時、レースシーンなどで第三者がライダーのヘルメットを脱がせやすいようにするアイテム「アシストフード」を被って行いました。
こうすることでより頭のカタチがよりわかりやすくなるそうです。
そうしてわかったのは、私の頭は左前側に出っ張った形状だということ。
自分でも知りませんでした。
このせいでヘルメットをまっすぐ被ることができなかったようです。
なので、次に行うのはシステム内装と呼ばれる頭頂部を覆う内装の厚みの変更。私の場合はヘルメットを正面に向けた際に左側頭部が締め付けられないよう、緩くする方向に調整する必要があります。
標準で7mmの厚みが装着されていたシステム内装を5mmに変更しました。
そうすることでヘルメットを正面に被っても左側頭部の締め付けはなくなりました……が、今度はシステム内装を緩くしたことで丁度よかった部分に隙間が……。
なので次は緩くなってしまった外周部分に専用の部材で厚みをつけていきます。
部材をハサミで切りだして、頭と内装の隙間を埋めたい部分に丁寧に貼り付け。
深くかぶりすぎてしまうことも問題なので、眉から指一本分の高さに窓の上部が来るよう頭頂部にも硬い部材を追加。
その後も何度か被っては脱ぎ、部材を足したり外したりして偏って当たる部分が無いように調整を繰り返します。
そうして出来上がった私専用のシステム内装がこちら!
なんかすごいゴテゴテ!?
なるほど……ここまでしないとまともに被れないほど自分の頭のカタチが歪だったとは……。
ただここで、ヘルメット、システム内装のサイズはピッタリになったはずなのに、左右に頭を振るとズレる……。
しかしこれは、私の顎の骨格が細かったのが原因で、システムパッドという頬に当たるパッドを、59~60mmサイズに標準装備される15mmから25mmに分厚くすることで解決しました。
これで自分の頭に合わせたフィッティングが全て完了!
バイクに乗り始めて6年、自然にまっすぐ被れて、過度に締め付ける部分のないヘルメットに感動を覚えました!
この後1時間半ほど被りっぱなしで走ってみましたが、頭が痛くなる気配はなし。しっかり頭にフィットしたヘルメットは高速道路走行でもブレることがなく、常時快適に走行できます。
最初からフィッティングを受けてヘルメットを購入すればよかった!
この感覚を知ってしまったので、私はこの専用内装無しでは今後ヘルメットを被れないかもしれません……(汗)
内装を自分の頭に合わせて調整することで、ライディング時のストレスが大きく軽減し、ヘルメットを被る憂鬱さがなくなるのでバイクに乗るのがもっと楽しくなります!
同じようにヘルメットで悩んでいる方には、フィッティングサービスを受けることを強くおすすめしたいです!
ヘルメット購入時はフィッティングを! 悩みはプロに相談してみよう!
基本的にヘルメットメーカーは今までの開発の中で得た大量のデータから、多くの人の頭に合ったサイズを標準設定して販売しています。
しかし、人の頭のカタチはそれぞれ違うので、それが万人に当てはまるというわけではありません。
中には、標準設定のサイズが頭に合わず、今回紹介したような精密なフィッティングが必要となる方もいるでしょう。
アライヘルメットさんのフィッティングサービスは、アライヘルメットが定めた「ヘルメット講習会」及び「アライヘルメット特別技術講習」を受講修了したスタッフが駐在する「アライ・テクニカルプロショップ」に認定されたオートバイ用品の量販店で受けることができます。
ヘルメットのことで悩んだ時は、やはりその道のプロに聞くのが一番です!
ただ、基本的にそれらは購入時のサービス、または購入した店舗でのアフターサービスになるそうなので、ヘルメットのフィッティングは購入する際に受けるのがいいでしょう。
アライヘルメットさん以外のメーカーもフィッティングライセンスを持ったスタッフが駐在する認定ショップを定めているので、自分のヘルメットのメーカーが展開しているサービスも是非調べてみてください。
ヘルメットの快適性向上は、バイクライフ全体のクオリティアップに繋がりますよ!
また、HondaGO BIKE GEARやHonda Dreamでも純正ヘルメットとして各メーカーのヘルメットをラインアップしています。
購入する際は事前に自分の頭のサイズをしっかりと把握し、適切なものを選んでご購入下さい!
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【文:石神邦比古(外部ライター)】