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タイヤの空気圧って何でそんなに重要なの?知っておかないと損をする!【バイクライフ・ステップアップ講座/エア不足のデメリット 編】

バイクで楽しく走るにはタイヤの空気圧がとっても重要!
と、よく聞くけれど、逆にタイヤの空気圧が下がると『なにが良くないか?』はご存じですか?

タイヤの空気圧が低い=デメリットしかない

当たり前のことですけど、前後のタイヤはバイクと路面をつなぐ唯一の接点です。だから、どんなにバイクが高性能でもタイヤのコンディションが悪ければすべてが台無し……

ここで『タイヤのコンディション』って聞くと、タイヤの溝が減っているとか、タイヤが古いといった状態を思い浮かべるかもしれませんが、実は新品でもきちんと規定値の空気が入っていないとタイヤはその性能を発揮できないんです。

しかもタイヤの空気圧が減っているのは、目で見てもなかなかわかりません。

今回はGB350のフロントタイヤを例として取り上げます。

GB350のフロントタイヤの空気圧の規定値は200kPa(2.00kgf/cm²)ですが、上の写真……実は試験的に「空気圧をわざと低くしてある状態」です。
既定の空気圧よりかなり低い138kPa(1.38kgf/cm²)まで減らしてみたのですが、正直、目視では規定値200kPa(2.00kgf/cm²)との差がまったくわかりません

試しにタイヤの表面を指でグイグイ押したりもしてみましたけど、同じく差がわかりませんでした。
つまるところタイヤの空気圧っていうのは専用のエアゲージで計測するしか、その数値を知ることはできないものだと思ってください。

しかし、走ってみるとその違いは歴然。まずタイヤの空気圧が減ると『バイクのハンドリングがおかしくなる』んです。

体感的にはバイクの動き方がもったり重くなるというか、軽快感が失われます。だけど、そこから空気圧を規定値まできっちり充填すると『えっ!?』って思うほどに軽やかにバイクが動く。空気圧の低い状態でもなんとなく走ることはできるんですが、どうにも気持ち良くありません。

走ることそのものが楽しいバイクという乗り物において、この違いはとても大きなものです。

そもそもタイヤというのは『規定の空気圧に調整されていること』が大前提となっています。その規定値の空気圧によってもタイヤは『性能を発揮できるカタチ』を維持している部分もあるので、空気圧が低くなれば、タイヤの接地面となるトレッド面の形状もタイヤメーカーが想定していたものとは違ってきてしまうんです。

そのため、ハンドリングがおかしくなって楽しく走れない。バイクが持つ本来の性能を発揮できない状態になってしまいます。

しかも、空気圧の低下がもたらすデメリットはハンドリングの悪化だけじゃありません。

上の写真では実験的に目視でわかるくらい空気圧を下げてみたのですが、実際の話、この時の空気圧はほぼゼロに近い状態。

このままではほとんどパンクしている状態に等しく、走るどころの話じゃありません。

ちなみにこのタイヤの状態のままエンジン停止&ギアはニュートラルでバイクを押してみると……GB350がとてつもなく重いバイクに感じられました。ほとんどキャタピラー状態というか、まともにタイヤが転がってくれません。

もちろんこれは『極端な例』なのですが、要するにタイヤの空気圧が低くなると、転がり抵抗が増すのだと理解してください。

そして、タイヤが転がるための抵抗が増せば、当然『燃費性能が悪化』します。昨今はガソリンの価格もバカになりません。空気圧が下がることでお財布にもダメージが……そういう意味でもタイヤの空気圧の管理は重要になってきます。

さらに、空気圧が規定値よりも低い状態で走り続けると、タイヤは綺麗に減っていかず『偏摩耗』を起こしやすくなります。

本来は曲面になっているはずのタイヤのトレッド面がガタガタになって減っていく偏摩耗。こうなるともうバイクのハンドリングは最悪です。

しかも修理することができるものではないので、対処としてはタイヤを新品に交換するしかありません。空気圧の低下は、場合によっては『タイヤそのものの寿命を縮める』ことにもつながってしまうんです。

さらに言うと、空気圧が著しく低下したままの状態で走ると、最悪の場合『バースト』という走行中にタイヤが破裂する現象を引き起こしかねません。

楽しく走ることができないし、燃費も悪化。タイヤの寿命が短くなって、安全性も損なわれる。

バイクのタイヤの空気圧不足は、百害あって一利無し。基本的にデメリットしかないんです。

タイヤの空気圧管理は何よりも『自分のため』に行うもの。

幸せなバイクライフを送るためにも、愛車のタイヤ空気圧、是非チェックしてみてくださいね!

【文/北岡博樹(外部ライター)】

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