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普段スポーツバイクに乗っているライダーがモンキー・ダックスに乗ると楽しめる?大型にはない125の楽しさを感じてみよう!

バイクは同じ乗り物でも排気量によって大きくキャラクターが変わります。

スポーツバイクは速く走るための装備が揃っていて、サーキットのような高速走行が楽しみやすいバイクタイプ。
対して125ミニは町中で十分扱えるパワー感でミニサイズならではの扱いやすさがあるバイクタイプです。

今回は普段フルカウルスポーツバイクに乗っているライダー2人がダックスとモンキーに乗るとどう感じるのか検証してみました!

SS乗りの20代ライダー


乗ってもらう2人は普段750cc〜リッター超えのフルカウルスーパースポーツバイク(以下:SS)に乗っている20代のライダーです。
これまで小さい排気量のバイクにも乗ったことはあるそうですが、大型クラスのバイクのほうが圧倒的に多く乗っているため小排気量の魅力というのはイマイチピンときていない様子

まず跨ってみた最初の反応は2人とも揃って「可愛い〜」というお決まりの反応。
しかし愛嬌あるダックスとモンキーに可愛さを感じないライダーのほうが少ないくらいなので、誰もが感じる感想だと思います。

ミニというサイズも新鮮なので、まずは乗ってもらってどう感じるのか聞いてみました!

扱いきれる魅力


それぞれ乗ってみたところ、まず一番に感じたのは扱いきれるパワー感。
125ではよく言われることですが、訳を聞いてみることに。

「やっぱり125くらい小さい排気量だとエンジン回して走っても安全な速度で走れるのが感動でした。普段乗っているSSの場合、高速道路でも乗らない限りエンジンを回して走ることってそうそう無いんです。回したらめちゃくちゃ速度が出てしまうし、こんなに楽に街を走れません」
「僕も扱いきれるパワーは楽しく感じた部分です。SSの良さとは全く別ですが、エンジンを回して走れるので、スピードが出ていなくても爽快感がありました

SSのようにパワーを持て余さない125は郊外に行くと持っているパワーをフルに扱うことができます。
もちろんずっと全開で走るわけではありませんが、エンジンの一番気持ちいところを使って走ることができるんです。

SSのエンジンは中回転〜高回転がおいしい部分ですが、ダックスとモンキーはおいしいところは低回転〜中回転メイン
一番トルクが出ていて無理せず気持ちよく走れる回転を使って走れるので、フルに扱いきって走る喜びを感じることができます。

モンキーはクラッチ付き5速ミッションのため、若干シフトのタイミングはダックスよりも短いですが、トルクのあるエンジンなのでどこからでも吹け上がるし、場合によってはシフトダウンして走れるので扱いきれる魅力としてはモンキーのほうが楽しく感じたそうです。

一発目から普通に乗れた?


今回のダックスにはクラッチがなく4速の遠心クラッチモンキーはクラッチ付きの5速ミッションです。
普段から乗っているためクラッチ操作はできる2人ですが、どちらも一発目から問題なく乗ることができました。

慣れるまで多少難しかったのがシフトの配置。
モンキーは一般的なバイクと同じく1→N→2→3→4→5ですが、ダックスはN→1→2→3→4のため、ニュートラルの位置が違うんです。
ダックスに乗っている時についつい1と2の間でニュートラルを探してしまいましたが、どちらも慣れたら問題なく運転できました

視界がめちゃくちゃ広い


これはダックスにもモンキーにも両方に言えることですが、ミニサイズは視界が広くポジションが楽、というのもSSと比較すると大きく感じた部分でした。
SSの場合超前傾姿勢で視界もそれほど広くありませんが、ミニの場合は直立姿勢で乗れて、車体が小さいので視界がSSの3倍くらい広いんです。

運転が楽というのは確かですが、SSでは味わえない開放感も2人は感じたそうです。

125ミニだから違和感なく走れる場所も


色んな場所を走るため駅前の繁華街も走ってみましたが、ここでSSとは明らかに違うポイントを発見。
人混みの中にいても周りの人が受け入れてくれやすいんです。

「SSってバイク乗っていない人からするとウケが悪いんです。でもダックスもモンキーも誰でも親しみやすい愛嬌があるから、ここみたいに人混みの中に紛れていても異物扱いされないといういうか、変に目立っていないのを感じました」

またこのサイズならではの魅力として楽にバイクを押して歩けるというのも町中を走る上で高ポイントでした。
「SSも同じようにエンジンを切れば歩行者と同じように歩けるんですが、無駄に目立つし、そもそもダックスやモンキーより全然重いし、こんなに気楽にできません。周りに受け入れられやすいってこういうときにも役立つんだなと思いました。」

気軽に乗りやすい


ダックスとモンキーの親しみやすさは見た目だけでなく中身もそういうバイクで、変に気合を入れなくても気軽に乗ることができます。
大きなバイクに慣れている方からすると極論自転車に乗るくらいライトな感覚で乗れるので、乗るまでの覚悟がほとんどありません。

「SSが好きで楽しいから乗っているんですが、速く走るために設計されたバイクなので、乗るまでにちょっとだけ覚悟がいります。いざ乗ったら楽しいんですが街じゃ乗りやすくはないし、ダックスとモンキーと同じようには走れません。SSしか持ってなければ問答無用で乗っちゃうんですが、この乗りやすさと気軽感を知るといいなぁと思いますね

小さなコーナーも楽しめる


ミニサイズの良いところは交差点のような場所でも低速で楽しく走れることにもあります。
常に安心感を持って走ることができるため、低速でもコーナーの楽しみを見出すことができます

「町中をSSで走っていて交差点を曲がっても速度域が低すぎてSSの面白みを感じることはできませんが、ダックスとモンキーはコーナーの楽しみも多少感じることができました
。もちろん速度が出ていて緩やかなコーナーのほうが楽しいのは確かなんですが、SSの場合かなり攻め込まないと感じられない面白みがもっと手前から感じることができるので普通に走っているだけで楽しいと思えるポイントが多いのは確かです」

あえて選ぶならダックス!


今回街メインで丸一日乗ってもらいましたが、いたるところでSSとは違うポイントを発見することができました。
当然街を走る上ではダックスとモンキーは適しているのに対し、SSは最も適していないとも言えるくらいかけ離れたバイクなので良く感じるのは当然なんですが、同じバイクという乗り物でも走る場所やバイクタイプで全然違うんです。

「排気量が大きいバイクをたくさん乗ってきましたが、別のバイクの魅力を知ることができました。SSのように走ること自体の魅力は正直薄く感じましたが、それよりも普段見えていない広い視界での景色だったり、扱いきれるパワーだったり、街での走りやすいギア比だったり、これは確かに125でしか味わえないかもしれません」

敢えて選ぶならどっち?と聞いてみると今回は2人ともダックスをチョイス!

「どっちも乗っていて楽しいし、色んな使い方を想像できるんですが、多様性を求めるのであればタンデムができるダックスが自分のバイクとして選ぶなら良いなと思いました。SSはタンデムするものではないし、利便性に欠けるので125ミニには利便性も求めたいんです」
「僕もダックスがいいと思いました。単純にスタイルが好みというのもありますが、SSとは全く違ったこんなバイクの遊び方、使い方ができるならタンデムもできるほうを選びます。逆に大型のクルーザーとかを持っていたら125はタンデムしない前提でモンキーを選びますね

ダックスとモンキーはSSライダーのバイクに対する価値観を少し広げてくれたようです。
タイプの違うバイクに乗るとこれまで見えていなかったバイクの楽しみ方を感じることができるため、色んなバイクに乗ってみるのがおすすめです!

【文/佐藤快(外部ライター)】

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