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前傾姿勢の『ホーク11』はツーリングには向かないバイクなのか? 【ホンダの道は一日にして成らず 第34回/HAWK 11(2022) 中編】

愛車を選ぶ基準は人それぞれ。だけどホーク11(HAWK 11)は『このバイクを欲しくなる理由』が極めて明快&シンプルなバイクでした。

快適なのも大事だけど、それだけじゃ足りない

そのバイクを欲しい! と思う理由は人それぞれだとは思いますけど、おそらくライダーならみんな共通で『カッコいい』と思えることが第一条件だと私(北岡)は思っています。

どんなに速かろうが、どんなに快適であろうが、カッコ悪いバイクには乗りたくない。自分にとって『カッコいいと思えること』は何よりも優先されるべきものです。

そこへいくとホーク11(HAWK 11)はまずこのロケットカウル。このスタイルが心に刺さった人は、問答無用で買い!だと思います。

だけど、実際に愛車として迎えるとなると、色々と気になるのがライダーの人情というもの。

街乗りに関しては【前編】でお伝えした通りですが、その他のシチュエーションについて感じたこともお伝えしていこうと思います。

【前編】はこちらです

予想外に『高速道路』が快適なHAWK 11(ホーク11)

まず、どこへ行くにも関わってくることが多い『高速道路』について。

これに関して、はじめてホーク11に跨った時は『こりゃけっこうツーリングはきついかも?』と思ったのが正直な感想でした。おそらくスーパースポーツの乗車姿勢に慣れている人以外は、私じゃなくともそう感じると思います。

ところが実際に高速道路を走ってみると、意外にも快適。そりゃもちろん『前傾姿勢のバイクとして』という範疇にはなりますけど、シートの前寄りに座って、燃料タンクを軽く二―グリップしてやるだけで、ほとんど腕に負担を感じません。ハンドル、シート、ステップの位置関係が絶妙、といった印象です。

足まわりもしなやかで、路面からの突き上げを感じることもほとんどありません。よほど大きなギャップでもなければ、高速道路での乗り心地も街乗り同様に『快適』といえると思います。

もうひとつ言っておくと、ホーク11のロケットカウルがなかなかに優秀! さすがHonda……と思った部分ですが、見た目だけじゃなく、きちんと『カウル』として機能的なんです。

ホーク11の乗車姿勢で、胴体部分に当たる走行風はおおむねカットしてくれる。ここも快適性に大きく関わっている部分だと感じています。

さらに言うと、トップギア6速で時速95km前後のクルージングの際、エンジンが心地よく回ってくれるんです。エンジン回転数は3000~4000回転あたり。このあたりで流すと味わいもあって『スピードを出さなくてもいいや』って思える落ち着き感が好印象でした。

とはいえ、こういうのは長い距離を走れば走るほど疲れがたまってくるもの。だけど片道200kmくらいまでなら、疲れを感じる前に走り切れちゃうと思う。500km高速道路を走れ! と言われたら身構えるけど、そうでないなら十分に高速道路を『楽しんで走れる』と言ってもいいです。

日帰りなら往復で300kmくらい。1泊2日なら単純にその倍で往復600kmくらい。このあたりまでは、たぶん誰でも『楽しい』の気分が勝るはず。私としては1日400kmくらい走ると、ちょっと疲れを感じるかもしれないな、という感覚でした。

でも、それ以上にホーク11には得難いものがあるんです。

それこそが本領のワインディングを走った時……疲れも何も、すべてが吹き飛ぶ。

伝統的とも言えるロケットカウルのスタイルからは想像もできないほどに、このバイクは『スポーツ』なんです!

【文:北岡博樹(外部ライター)】

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