寒くてバイクに乗る機会が少なくなる冬場こそ、125cc 原付二種バイクならではの“高速道路にのらない気軽な下道ツーリング”がおすすめ。
今回は『スーパーカブ C125(Super Cub C125)』が真冬のツーリングでどれくらい楽しめるのかを検証してみたいと思います。
下道のみの「原付二種」+ 「ちゃんとした防寒装備」なら真冬のツーリングもそんなに寒くない?
じっとしていても寒い真冬の時期。バイクに乗って出掛ける機会がだんだんと少なくなってきませんか?
外気温の低さに加えて、走行風をダイレクトに受けるバイクは、より一層、寒そうなイメージがあるかもしれません。
暖かい時期のようにバイクで走りに行きたい気持ちはあるものの「寒さに震えながら走る真冬のツーリング」って、そもそも楽しめるものなのでしょうか?
もちろん、“寒さの感じ方”は人それぞれですし、住んでいる地域やその日の気温、環境などによっても大きく異なりますから、真冬にバイクに乗っていて「絶対に寒くない」という方法は無いのかもしれません。
でも、筆者の私(イワセ)は、真冬でも寒さをあまり感じずに楽しめそうなツーリングの仕方を思い付きました。
それが「原付二種」と「防寒装備」で走る、自宅から「半径100km圏内の下道ツーリング」です。
真冬のツーリングで特に寒さを感じるシーンは、高速道路を時速100km/hのスピードで淡々と走っている時だと思うんです。
このような状況は確かに寒い!
だって「外気温の低さ」に加えて、100km/hの走行風を受けている「体感温度」、さらにはその寒さに耐えている「時間」の3つの寒さが組み合わさっているんです。当然、寒く無いわけがありません。
でも、原付二種クラスのバイクなら、そもそも高速道路には乗れませんから、一般道を時速60km/hまでのスピードでのんびり楽しめます。
それに加えて、近年の秋冬用ライディングギアはびっくりするくらい高性能になっていて、極寒の日でも「これなら走れるかも!」と思わせてくれるほど暖かいウェアが登場しています。
今回は、ミリタリーウェアを展開する老舗ブランド「AVIREX®(アヴィレックス)」と「Honda」がコラボレーションした、Honda純正の秋冬ライディングギア「エクワックスパーカ」を着て、「スーパーカブ C125(Super Cub C125)」で真冬のツーリングに出掛けたら「どれくらい寒くないのか?」も同時に検証してみようと思います。
出発時のこの日の気温は8.6℃。しっかりとした秋冬ライディングギアを着ていれば、極寒というほどの気温でもないですが、湿度は32%で空気もカラカラに乾燥している状態。じっとしていればそれなりに寒さを感じる気候です。
果たして、「原付二種」と「防寒装備」で、どれくらい“寒くないツーリング”を楽しむことができるのでしょうか?
トコトコ走れて気になった場所があれば直ぐに停まれる気軽さがイイ!
今回、スーパーカブ C125に乗って向かった先は、東京都内から千葉県・房総半島まで走る、内房総エリアの下道ツーリング。
125ccの原付二種クラスであるスーパーカブ C125は、ビジネスシーンで培われた利便性と快適性を兼ね備えているだけあって、市街地でもスイスイ走れるスムーズさがあります。そして125ccバイクは高速道路に乗れない分、街乗りやシティコミューターとして、比較的、短い距離を走る使い方をされている人が多いと思います。
でも、原付二種クラスの法定速度である時速60km/hまでのスピード域って、しっかりとしたライディングギアを着ていれば、ほとんど走行風による寒さを感じさせないので、逆に「冬のツーリングに向いているんじゃないか?」って思えるくらいなんです。
それに一般道を使った下道ツーリングなら、気になった場所があればすぐに停まれる気軽さもあります。
普通のバイクなら通り過ぎていたような場所でも、スーパーカブ C125ならサッと停まれるコンパクトな車体と取り回しのしやすさがあるから、これまでは先を急いで通り過ぎていたような場所へも立ち寄れる“散策”のような楽しみ方ができます。
まずは、昭和36年に世界平和の理念の元に建立された、高さ56mの「東京湾観音」で交通安全を祈ってから先に進みます。
千葉県の市街地を抜けて、県道127号を南下していると、気になる看板を発見。
……ん?ヒカリモ発生地?
「ヒカリモ」ってなんだ……⁇
謎の“ヒカリモ”とやらが、駐車場からすぐ近くにあるらしいので、スーパーカブ C125を停めて散策開始!
そこには、海蝕洞穴の隙間に小さな池と「祠(ほこら)」がポツンとありました。
おぉ⁉︎これが…ヒカリモ……
……なのか?
祠を目の前にしてもどれがヒカリモなのかよく分かりません(笑)
どうやら“ヒカリモ”とは、日本でも珍しい「光る藻」のことらしく、調べてみると国指定の天然記念物にも指定されるほどの貴重な“藻”が生息する場所とのこと。
3月から5月くらいの菜の花の咲く時期になると、外からの光線を反射した藻が黄金色に輝くことから、別名「こがね井戸」とも呼ばれているそうです。
今回はタイミングが悪くて残念ながら藻が光って見えませんでしたが、春になったらまた見に来ようと思う発見がありました!
坂道でもパワフル!自動遠心クラッチはバイクを操っている楽しさがある
スーパーカブ C125で下道ツーリングをしていて楽しいのは、気軽に扱える車体に加えて、スーパーカブシリーズ伝統の「自動遠心クラッチ」によるシフト操作で“バイクを操ってる感”があるところ。
スーパーカブシリーズなどに採用されている「自動遠心クラッチ」とは、クラッチレバーが無く、アクセルを戻してシフトペダルを踏むだけでギアチェンジができる画期的なミッション機構で、その仕組み上、エンスト(エンジンストール)することがないので、125cc 原付二種までのオートマチック車に乗れる「AT小型限定普通二輪免許」でも運転することができるんです。
シフトチェンジのパターンは一般的なバイクのリターン式とは異なり、ニュートラル状態から前ペダルを踏み込むと1速に入り、そのまま繰り返し踏みこんでいく2速…3速…とシフトアップしていきます。
スーパーカブシリーズにはシーソーペダルが採用されており、後ろ側のペダルはこれと全く逆の操作でシフトダウンできます。
【自動遠心クラッチのシフト操作】
前ペダル:N→1→2→3→4
後ペダル:4→3→2→1→N
この仕組みは、普通のバイクに乗り慣れた人でも完全に慣れるまではすこし時間が掛かります。だけど、走行中でも自在にアップ&ダウンのシフト操作ができるようになると独特の楽しさと快適さの虜になるんです。
自動遠心クラッチのシフト操作は普通に走っていても楽しいのですが、より本領を発揮してくれるのが、アップダウンのある坂道を走っている時。
急な登り坂でもパワー不足にならないように走りたい時に、ギアを下げることで力強く加速してくれるので、ライダーの思い通りにバイクを操る楽しさがあるんです。
急勾配の坂道を登ったら、次の目的地の「燈籠坂大師の切通しトンネル」に辿り着きました。
この場所は、全長約100m、高さ約10mに渡って山肌を人力の手掘りによって作られたトンネルで、弘法大師が行脚中に腰を休めたという「燈籠坂大師堂」へと続く参道にもなっている場所です。
日本とは思えない神秘的な空間になっている場所として、TVやSNSなどで「フォト映え」するスポットとして話題になっているので、バイクで訪れるライダーも多いとか。
まるでミルフィーユのケーキを切ったみたいに、いくつもの年代の地層が折り重なっていて、幻想的な空間が広がるトンネルになっています。
千葉県・房総半島の山々は地質が柔らかい事から、手掘りのトンネルがたくさんありますが、この場所は本当に見事なので、是非バイクで走りに行ってみてくださいね。
切通しトンネルを後にして、再びスーパーカブC125で走り出してから気が付いたのですが、距離にしてここまで100kmほど走っているはずなのに、正直、寒さなんて忘れてしまっていました(笑)
でも、まだまだ真冬の内房総ツーリングも中間地点。
次回はさらに内房総の海沿いを南下して、「原付二種」と「防寒装備」の組み合わせが真冬のツーリングでも寒くないのかを検証したいと思います!
【後編】はこちらから!
【文/岩瀬孝昌(外部ライター)】
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