井谷さんはGB350に乗る24歳のライダーです。
天気が良い休日は、必ずバイクでツーリングに出かけるということですが、実は最近までバイクにはまったく興味がなかったのだとか。
そんな井谷さんがなぜGB350に乗るようになったのか、そして今、どのようにバイクライフを楽しんでいるのかをうかがってみるとこにしました。
仕事で仕方なく二輪免許を取得したことがキッカケだった
「大学時代に就職先が決まったんですが、仕事が始まるまでに中型二輪免許を取得することが条件でした。それで教習所でバイクに乗ってみたら、クルマより全然楽しいことに感動してしまって、そのことを両親に話したんです。実は両親2人とも昔、バイクに乗っていたもので、私の話を聞いているうちに両親のバイク熱が蘇ってしまったんです」
その後、大学を卒業した井谷さんは、仕事が始まるまでの1ヶ月を実家で過ごすことにします。
そこで待っていたのはお母様が買ったバイクでした。
「母もバイクは久しぶりだったこともあって、まずは扱いやすさや価格を考えて125ccバイクにしたようです。結局私が母のバイクの慣らし運転をすることになりました。公道を走ってみたらこれがまた楽しくて、それから完全にバイクにはまってしまいました」
しばらくしてお父様もCB125Rを購入します。
「それからしばらく両親2人で125ccバイクに乗っていましたが、すぐ大きいバイクに乗りたくなったようで数ヶ月後には2人とも大型二輪免許を取得してビックバイクに乗り換えました。今でもよく2人で走っていますね。天気が良い週末は、大抵どこかへツーリングに行っています」
井谷さんの言葉がキッカケでご両親がバイクにリターンし、ご両親が買ったバイクで井谷さんがまた更にバイクへの興味を募らせる。
そんな家族間の連鎖反応が井谷家に起こったのです。
この状況で井谷さんが、自分のバイクを購入したいと考えたのも無理はありません。
「初めてのバイクは絶対に新車だと決めていました。バイク雑誌の付録についていた最新バイク図鑑を見て勉強しました。最初はRebel 250がカッコいいと思ったんですけど、GB350の排気音をSNSで聴いてからGB350も良いなと思うようになりました。悩んだ結果、GB350を購入することに決めました」
2022年の9月末に、ホンダドリーム静岡でGB350を契約。
タイミング悪く、バイク人気や世界的な部品不足で納車までは7ヶ月ほどかかることになりました。
GB350が届くのを待ちきれなかった井谷さんは、我慢できずにHondaGO バイクレンタルでGB350を借りたのだと言います。
「久しぶりにバイクに乗るから不安もありました。でもすごく乗りやすくてスイスイと走ることができたし、なんの不安もなく楽しむことができました」
納車された時は、自分のバイクで家に帰るまで感動の連続だったと言います。
「家までの1時間がとても楽しかったんです。『これが自分のバイクだ』ってズッとニヤニヤしていました。レンタルのときはそれなりに緊張もしていたし、時間までには返さなければいけないというシバリがありますよね。でも自分のバイクなら好きなとき、好きなところにいけるじゃないですか。『どこまでも行けるんだ』ということが大きな喜びになりました」
通勤用とレジャー用、2台のホンダを使い分け
実は井谷さん、PCX125も所有しています。
でもPCX125は趣味ではなく、あくまでも通勤のための手段。
GB350は、気持ちが良い天気のときだけ走る、休日の相棒です。
「GB350って、馬力があるわけじゃないけどトルクが凄いんです。低回転から力強く伸びていきます。『これがシングルのドコドコ感だぞ』と言われている感じがします。バイクって馬力が全てじゃないんだってGB350に乗ってみて、初めて理解できました。同僚がレブル250に乗っているんですけど、同じシングルでもGBは音が違いますね。単気筒らしい排気音がクリアに聞こえます。満足感はすごく高いです」
GB350が納車されてからは休日のたびにツーリング。
週末だけの日帰りツーリングを繰り返した結果、最初の1ヶ月で2,000kmを走りました。
「焼津に住んでいたので、1時間くらいあれば御前崎まで行けましたし、伊豆、富士山、浜松のほうへも出かけました。寒くなる前には少し足を伸ばして湘南や鎌倉の方も走ってきたんですよ」
今まで出かけたところで印象に残っているのは伊良湖岬。
「浜松まで高速で行って、そこからは下道です。愛知に入った瞬間、信号が少ない真っ直ぐな道路になって、そこをGB350でトコトコとノンビリ走ったのがとても楽しかったんです。GB350にビッタリな道でした」
仕事の関係で、今は日帰りツーリングがメインですが、今後は休暇を取って一泊のツーリングにも出かけたいと言います。
「職場のバイク仲間と一泊でビーナスラインに行きたいね」なんて話しているところです」
井谷さんのGB350は、自分なりのアイデアで少し手が加えられています。
「最初に装着したのはエンジンガードです。最初のバイクだから『絶対に倒さないぞ』って思っていたんですけど、万が一倒してしまったら嫌じゃないですか。調べてみたらエンジンガードにも色々あったけど、どれも車体の上の方につくので目立ってしまうんですよね。それで取り付け位置が低い、エンデュランス製のエンジンガードを選びました」
ツーリングがメインの井谷さんにとっては、荷物を搭載する装備も重要です。
サイドバックをそのまま装着するとタイヤと接触するかもしれないと思ったので、サイドバッグのステーを取り付けました。荷物を確実に固定できるので、安心して走ることができるようになったようです。
大型二輪免許を取得してホンダのビックバイクにも乗ってみたい
井谷さんは最近、大型二輪免許を取得中です。
それはホンダのビックバイクが気になりだしたから。
「父がHawk 11を購入したんですが、それを見てHawk 11にも乗ってみたいと思いました。どことなくクラシカルなイメージが漂っていて、GB350にも似た雰囲気があるような感じなんですよね。ビックバイクは乗り心地もずいぶん違うだろうから、どんなものなのかとても興味があって、大型二輪免許が取れたら乗せてもらう約束をしています」
実は井谷さん、最近は色々なバイクに興味が出てきてしまい、HondaGO バイクレンタルを利用して、違うバイクのフィーリングを楽しんでいるのだとか。
「レンタルでCBR400Rに乗った時は、ツアラー的な性格があるところが良いと思いました。400Xも借りました。アドベンチャーバイクのライディングポジションは長距離走行でも疲れが少ないし、ライディングもしやすかったです」
色々なバイクに乗っているうちに、少しずつ頭の中に「次に欲しいバイク」のイメージが出来上がってきました。
「扱いやすさとかを総合的に考えると、自分で購入するならミドルクラスでしょうね。今気になっているのはCBR650Rと新型のトランザルプです」
まったく違う2台ですが、これには井谷さんなりの理由があります。
「GB350はオーソドックスなネイキッドですよね。せっかく乗り換えるのなら、まったくタイプの違うバイクが良いかなと思って。CBR650Rを考えたのも、単気筒のGB350からの味変みたいな感じで4気筒にも乗ってみたいという気持ちがあるんですよ。4気筒でもレーシーなバイクよりは、スポーツツアラー的なバイクが良いので、そうなるとCBR650Rかなと。後はアドベンチャーバイクが好きなので、トランザルプが気になっているという感じです」
今はGB350でのバイクライフを満喫しているところなので、すぐに買い替えようと考えているわけではありません。
でもバイクの楽しさを知った井谷さんにとっては、色々なバイクに試乗することも、次のバイクのことを考えることも楽しくてしかたない様子です。
「購入とかを考えているわけではないんですが、大型免許が取れたら乗ってみたいと思っているマシンにNT1100があります。DCTがどんなものなのか体験してみたいんです。最近はSNSで色々なインプレ動画見てイメージを膨らませています。GB350と違って、コクピット感があるのも面白いですよね」
ところで井谷さん、これまで乗ってきたバイクも、興味のあるバイクもホンダ車だけ。
なぜホンダのバイク一択なのでしょう。
「最初はバイクが車よりも壊れやすい乗り物だというイメージがあったからですね。それだったら一番信頼性が高くて壊れないホンダにしようと思ったんです」
そしてバイクのことを知るにしたがって、ホンダへの思いが強くなっていったといいます。
「バイクのことを調べたり試乗したりしているうちにホンダのバイクが一番自分にシックリくるということが分かってきて、それからホンダのバイクしか目に入らなくなってきたんです」
自分の感性を刺激してくれる唯一無二の存在。
井谷さんにとって、ホンダのバイクはそんな位置づけになっているようです。
【文/後藤武(外部ライター)】