冬でもバイクツーリングを楽しむライダーはけっこう多いものですが……この時期は予想外の『降雪』に見舞われることがよくあります。
そんな時の対処はどうすればいい?
すこしの雪ならすぐに止むかも……そう考えてしまいがち……
きちんとした装備を整えて走り出せば、冬のバイクツーリングというのは他の季節にはない楽しみがたくさんあり、この時期に走ることが好きなライダーも実は数多くいます。
しかし、冬時期にツーリングに出ると、どうしてもたまに遭遇してしまうのが『予想外の降雪』です。平野部では安定した天気だったのに……そんな経験はないでしょうか?
そんな時に多くのバイク乗りはこう考えると思います。
『すぐやむかもしれないし……もう少し進んでみるか』と。
今日は久しぶりにバイク乗るぞ! とせっかく走りに出たのに、目的地にたどり着けないのは残念すぎますからね……
ですが!
そういう時、特に『これから標高が上がっていく道』を走っている場合はだいたいダメです。十中八九は雪が強くなる一方に……
なので基本的な姿勢としては、雪が降り始めたら問答無用で即座に引き返す! これが正解です。ふたつのタイヤでバランスを取りながら走るバイクは雪や凍結路面には無力だと思っていて間違いありません。
ですが、これを書いている私(北岡)もツーリング大好きライダーなので『ひょっとしたら大丈夫かも? もうちょっと進んでみるか……』という気持ちはすごく理解できます。というか、過去に何度もそういうシーンに遭遇してきました。
引き返すことを決断するひとつの基準
先に言ったように、基本的には雪が降り始めたらすぐ引き返すのが最良の選択です。
でも様子見を兼ねて進んでしまった場合に『引き返すことを決断するタイミング』はどこにあるのでしょうか?
これは私(北岡)の過去の経験から学んだことなので厳密には正しくないかもしれません。でもまだ経験が浅いライダーさんもいるとは思いますので、参考程度ですが私の『引き返すことを決めるタイミング』をお伝えしておきます。
その決断のタイミングとは!
『これ以上、前に進んだら安全に引き返すことができなくなる』
バイク乗りとしての直感がそう告げた時、そこが最後の撤退のタイミングです。これは『進むことに不安を感じた時』と言い換えて良いかもしれません。
特に大事なのは『安全に』引き返せるという部分!
ちょっと無理すればいけるかも……この考えは絶対に良い結果を招きません。なぜかと言えば、進めば進むほど状況は基本的に悪化するのみだから。徐々に悪くなっていく状況がいきなり好転するなんて奇跡は起きないのです。
今ならまだ、転ばずに引き返すことができるはず……
ではありません。
今ならまだ、転ばずに『安全に』引き返すことができる。
その『安全に』のマージンを取ることが非常に重要になると思っています。降雪は時間が経つほど状況が悪化するケースが多いので……
『目的』と『気持ち』を切り替えることが大事です!
ちなみに、突然予想外の降雪に見舞われた!というケースは最初に言ったように『山間部のみ』であることが多いです。山を下りてみたら先ほどまでの雪はどこへやら……これ「冬ツーリングあるある」のひとつだったりします(笑)
そういう時はパッと気持ちを切り替えて『時間が余っちゃったから、なんか普段食べない美味しいもの食べてプチ贅沢とかしちゃう!?』みたいな感じで、その日の目的と気持ちをパッと切り替えるのが大事。それができれば、走りに出たことは決して無駄にはなりません。
最悪のケースは「無駄にがんばって後悔するような結果になる」ことに他なりません。
経験を積んでいくと、降雪に見舞われた時点で『この先はダメだな』と素早い決断ができるようになると思います。
大事なことなので何度も言いますが、雪が降ってきたら即撤退!が基本。ベテランライダーほどその判断が早いものです。
冬のツーリングには他の季節にはないリスクがどうしてもあります。
でも、正しい判断ができれば必要以上に恐れることはありません。寒い日々はまだまだ続きますが、それでもバイクで走りたい!という人は参考にしてみてください。
安全には十分に配慮しつつ、寒さに負けず、冬ならではのバイクライフを楽しでくださいね!
【文/北岡博樹(外部ライター)】