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知っておきたい! ガスバーナーの燃料『ガス缶』にはけっこう種類があるんです!【バイクキャンプ GO!GO!/ガスバーナーの選び方① 後編】

キャンプツーリングでのアウトドア・クッキングに欠かせないガスバーナーですが、その燃料となる『ガス缶』についてもきちんと知っておくのも大事です!

ガス缶はメーカー指定のもの以外は原則使用不可と思った方が無難

アウドドア燃料の種類が分かったところで、いよいよ次はガス缶の取り扱いについての注意点を見ていきましょう。

先ほど少し述べたように、ガス燃料(特にOD缶)は、メーカー指定のガス・交換カートリッジを使う必要があります。

これは、バーナーメーカーが自社のガス缶を“優先して販売したいから”では決してありません。

バルブ形状の規格が同じように見えても、バーナーの種類やカロリー出力、充填されているガス燃料の違いなどで、実は他社製品とは互換性がほぼ無いからなんです。

OD缶のバルブ形状の規格は同じように見えますから、他メーカーのガス缶を使用しているケースをよく見かけます。

試しに、プリムス社のバーナーヘッドをジェットボイルのOD缶で試してみましたが、使用することは確かにできました。

しかし、これは筆者の私(岩瀬)の体験談ですが、バーナーヘッドと同じメーカーのガスカートリッジが手元に無かったので、他のメーカーのガス缶をしばらく使用していました。

始めは問題なく使えていましたが、火力バルブを最大まで絞ってもなんだか火力が弱い…。燃料切れを疑いましたが、ガス缶を振っても燃料はまだまだ入っています。

おかしいなぁと思いながらも、後日同じメーカーのガスを購入して使ったら、火力も申し分なく使えました。

やはり、同じように見えるバルブ形状の規格でも微妙にカタチなどが違っていて、本来の火力が発揮できていないことがわかりました。

また、ほとんどのメーカーのガスカートリッジには『生産物賠償責任保険』という、品質保証が付けられています。

しかし、この保険はメーカー指定のバーナーとカートリッジを正しく使用していてトラブルが起きた場合のみが対象。

もし、別のメーカーの製品や間違った使い方をした場合、万が一の時に保証の対象外になってしまうからでもあるんです。

ガスの成分や種類によって外気温に準じた「シーズン用」がある

また、メーカーにもよりますが、OD缶のガスカートリッジには外気温や使用用途によって種類があり、充填されているガス燃料の成分が違うんです。

プリムス社製のガスカートリッジでも、サイズは同じですが、春夏用、オールシーズン用、冷寒地専用と3種類あることがわかります。

ガスカートリッジの注意書きをよく見ると、可燃性ガス/有臭の下に、LPG、液化プロパン、イソブタン…などの表記があります。

LPG(Liquefied Petroleum Gas)とは、Liquefied=「液化された」Petroleum=「石油」Gas=「ガス」で、使用するときに気体になる「液化された石油ガス」という意味です。

これらが充填されているガスの主成分で、それぞれの特徴があります。

ブタン(ノルマルブタン)春夏用

ノーマルガスやレギュラーガスと呼ばれ、CB缶OD缶共に充填されているものが多い一般的な成分のガスです。<沸点-0.5℃ 使用目安温度(10℃以上)>

イソブタン オールシーズン用

ブタンと近い主成分ですが、パワーガスとも呼ばれ、外気温が-11℃くらいまで使用可能。汎用性が高い最も一般的に使用されています。<沸点-11.7℃ 使用目安温度(0~40℃)>

プロパン 極寒冷地用

プロパンガスという名称はお風呂のお湯を沸かす生活ガスなどで良く知られていますが、ハイパワーガスとも言われ、主成分のイソブタンにプロパンを混合して沸点を下げ極寒冷地での使用に対応。蒸気圧が高く、吹き出すガスの量も多くなり火力が強くなります。<沸点-42.09℃ 使用目安温度(20℃以下)>

……と、少し小難しい話になってしまいましたが、要約すると、バーナーヘッドとガスカートリッジは同じメーカー指定のものを使うべきであるということです。

入手しやすく使い勝手に優れたガスバーナーを選ぶのが正解

さて、今回はシングルバーナーを選ぶ前に知っておきたい「アウドドア燃料」の選び方について解説しました。

シングルバーナーがあれば気軽にお湯を沸かせたり、キャンプ料理を楽しめたりと、アウトドアの魅了がさらにアップします。

しかし、バーナーには料理向きのタイプやランタンやトーチなどにも使えるタイプ、ひとつでマルチに使えるものまで様々なものがあります。

次回からは種類別や使い方のノウハウなど、更にアウトドアバーナーの魅力に迫ってみたいと思います。

【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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