バイクの楽しみ方は様々。
街中の移動や日帰りツーリングだけでなく、荷物を積んで泊まりの旅に出かけるのも面白いですよね。
そんな旅人ライダーを応援するため、日本各地にライダーハウスやライダーを歓迎してくれる宿があります。
こういった場所での宿泊は思い出に残りますし、他の宿泊者さんとバイクを通じて思わぬ出会いがあるかもしれません。
今回は関西エリアの三重、滋賀、兵庫の代表的なライダーハウスをご紹介します!
三重県:ライダーハウス志摩
ライダーハウス志摩は三重県志摩市にある旅人宿。
宿泊者のバイクを屋根の下に駐輪することができ、1人の方はもちろん、複数人での宿泊も歓迎してくれるライダーハウスです。
2008年創業の宿で、元々旅が好きで日本一周をしていたオーナーさんが旅先で色んな方に助けてもらい、その恩返しが自分にもできればという想いで始められたそうです。
早速中へ入ってみると、廊下を真ん中に左右に部屋が別れています。
壁にはこれまで宿泊してきた旅人たちのメッセージがずらり。
廊下の壁から共有スペースの壁までびっしり書かれていて、それだけ多くの旅人たちが宿泊し、多くの人に愛されているのが伝わってきます。
壁のメッセージを見ていると「こんなところからここに来たの?!」とびっくりするような書き込みもあるので、じっくり読むのも面白いかもしれません。
旅人たちが集う共有スペースはこんな感じ。
新しい建物というわけではありませんが、しっかり隅々まで整理整頓されていて、キレイに使われていました。
複数人で泊まりに来た際はここで宴会をしたり、1人で泊まりに来た方同士が交流を持って仲良くなったり、旅人たちの憩いの場になっているそうです。
ですが夜22時には消灯し、翌日のライディングに備えましょうというライダーに対して健全な宿でした。
大部屋は中々の広さ。
大人数グループでの宿泊の場合はこちらの部屋になるそうで、6〜8人くらいは余裕で寝れるスペースがありました。
グループ10人くらいで宿泊される方もいるそうです。
大部屋の窓を開けるとバイク駐輪場に繋がっているため、屋根付き駐輪場に停めて愛車を目の前に宿泊できるというのもライダーのことを考えたライダーハウスならではのレイアウトだと思いました。
少人数用の個室も用意。
ライダーハウスは基本どこもそうですが、一般的なホテルとは違うため寝具は寝袋持ち込みになります。
その代わり1泊2,000円という破格の安さ。
ご主人の経験からバイク旅をするにはお金がかかるけど、安宿だから旅が続けられると旅人を応援した価格設定となっています。
お風呂や洗面所など水回りがキレイというのも良いところ。
炊事場やお風呂付きで2,000円で泊まれると思うと、かなり質の高い旅人宿だと思います。
宿の裏には畑があり、野菜が育っていました。
一角は開けていて、暖かい時期はここで宿泊者さんたちとBBQをすることもあるそうです。
ライダーハウス志摩は漁師町にあり、伊勢神宮などこの辺りのメジャーな観光スポットからは少し離れています。
だからこそ静かでゆったり過ごせる宿なので、まるでおばあちゃんの家に泊まりに来たようなアットホーム感がありました。
ライダーハウス志摩に泊まって翌日は伊勢志摩スカイラインやパールロードなど、ツーリングスポットは近くに様々あるので、旅人ライダーはもちろん、関西の方で1泊2日で伊勢志摩ツーリングを楽しむ際にもおすすめのライダーハウスです。
【 ライダーハウス志摩 】
住所:〒517-0506 三重県志摩市阿児町国府3716−59
定休日:12月半ば〜2月、7月〜8月は休業
宿泊料:素泊まり 2,000円
Webサイト:ライダーハウス志摩
滋賀県:ライダーハウス 日本何周
琵琶湖湖畔から一歩入ったところにあるライダーハウス日本何周さん。
このエリアは関西都心部の方がツーリングへ、関東から関西方面へ向かうライダーの経由地など、様々なライダーが寄りやすい立地となっています。
オーナーさんは24歳のときに日本一周にチャレンジし、北海道のライダーハウスに泊まったことをきっかけにライダーハウス開業を決意。
その後10年以上どこにライダーハウスを作るか探す旅をして日本各地を巡り、2019年春この場所にオープンしました。
1〜2台は宿の中に入れることができ、宿泊スペースの目の前に駐輪することができます。
元々空き家だった古民家を改造して作っているため、土間があります。
宿泊者たちが集う共有スペースにはオーナーさんの趣味アイテムが並んでいます。
レトロでかわいいアイテムがたくさんあって、オーナーさんの好みと旅好き具合が伝わってきます。
こんな量では見たことがない通行手形はオーナーさんが旅路で集めたものもあれば、もう廃盤となってしまってオークションで購入したものも。
旅の記録としてだけではなく、コレクションとして揃えられているので、こういったアイテムを見ていくのも楽しめました。
取材時はこれまで泊まった日本一周ライダーさんたちの写真展が開催されていて、多くの旅人たちに愛されていることがわかります。
隣の大部屋は広々していて、寝袋ならかなりの人数が宿泊できそうな広さ。
複数人で来て雑魚寝する人もいれば、別室で静かに休む方など、旅人それぞれが楽しい時間を過ごしやすいレイアウトとなっていました。
こちらの利用料は1泊2,000円となっています。
2階には+1,000円で利用できる個室と女性限定の寝室も。
こちらも古民家らしい味わいを感じる作りとなっていますが、全室空調完備のため快適に宿泊することができます。
お風呂や台所など水回りもかなりキレイにされてました。
台所は共有スペースにあるため、宿泊者さんたちとオーナーさんでご飯を食べることもあるそう。
このライダーハウス、古民家なんですが細かいところまでしっかりキレイに仕上がっているのでボロさを感じることはなく、一昔前の日本家屋を雰囲気良く使っているのが魅力的でした。
他にもバイク系の小物を販売していたり、周辺の情報や旅人が次に泊まるライダーハウスの情報など、旅人ライダーに優しい設備となっています。
カヌーのインストラクターもやっているオーナーさんなので、宿泊して翌日は琵琶湖でカヌーを楽しむ方もいるんだとか。
長旅の方も多く、それこそ日本一周中の旅人ライダーや、車での旅人、駅が近いため電車で泊まりに来る人もいるそうで、様々な旅人が利用している宿です。
寝具のレンタルも行っているため、ライダーハウスではありますが、民宿に近い感覚でも利用できるので、日本一周にチャレンジする旅人ライダー、琵琶湖ツーリングを泊まりで楽しみたい方にもおすすめの宿です。
【 ライダーハウス 日本何周 】
住所:〒529-0721 滋賀県長浜市西浅井町大浦881
定休日:12月半ば〜4月1日は雪のため休業
宿泊料:1泊 2,000円
Webサイト:ライダーハウス 日本何周 Instagram
兵庫県:ライダーハウスかなじ村
関西エリアの西、兵庫県赤穂郡にも古民家を改装した素敵なライダーハウスがあります。
ライダーハウスかなじ村はライダーハウスだけでなくゲストハウス、キャンプ場も併設された宿泊施設。
元々オーナーさんの母屋が空き家になり、もったいないなぁと思っていたところ「ライダーハウスやったら?」という声があり、じゃあやってみよう!ということで当初はオープンしたそうです。
実際ライダーハウスとして日本一周中のライダーや長距離ツーリング中のライダーが集まる場所となり、オーナーさん自身も色んなライダーに会えて楽しめているんだとか。
受付兼共有スペースにはオーナーさんのハンターカブが置いてあり、こだわりのカスタムが施されていました。
棚に収納してあるバイクパーツやヘルメットなど、オーナーさんのおしゃれな雰囲気が感じられます。
オーナーさんは元々はエンデューロをやっていたため、予約時に希望があれば付近の林道ツーリングを案内することもあるそう。
ライダーハウスのオーナーとしてだけでなく、バイク乗りとしても面白い方でした。
部屋の中はこんな様子。
ライダーハウスですがしっかり個室が用意されており、共有スペースは別途あるため、自由に過ごすことができます。
インテリアがおしゃれというのもポイントの1つです。
和室の大部屋もあり、複数人での利用も可能。
料金は一般的なライダーハウスと同じく素泊まり2,000円で、+500円で寝具の貸出も行っているため、安宿としても利用しやすくなっています。
水回りもしっかりキレイにされていて、トイレなんかもオーナーさんのインテリアセンスでおしゃれに仕上がっています。
暖かい時期は外のキャンプ場でキャンプしたり焚き火を楽しむことができます。
予約時に希望があればドラム缶風呂にも入れるんだとか。
下段の薪は自由に使うことができ、夜空の下焚き火しながらドラム缶風呂に浸かって星空を見る、なんておしゃれな時間も過ごせそうです。
オーナー自家製のピザ窯や、お好み焼き用鉄板を使うことができるため、仲間とワイワイ料理なんかも楽しむことができます。
キャンプ場の雑草をムシャムシャ食べてくれるヤギさんもいます。
駐輪場は屋内にあるため、宿泊中は室内保管が可能。
バイクのメンテナンス用品もオーナーさんに相談すれば貸してもらえるので、旅で疲れた愛車をメンテナンスして再出発もできます。
周辺のバイクで行って楽しいスポットなどもオーナーさんが教えてくれるので、古民家好き、エンデューロ好き限らず多くの旅人ライダーを受け入れてくれる宿です。
【 ライダーハウスかなじ村 】
住所:〒678-1201 兵庫県赤穂郡上郡町金出地823-1
宿泊料:素泊まり 2,000円
問い合わせ:090-1071-1458 サイト内に問い合わせフォームあり
Webサイト:ライダーハウスかなじ村
ライダーハウスはライダーをメインにしているだけあって、徹底的に旅人が過ごしやすいように考えられています。
バイクで旅をするならライダーハウスに泊まったほうが得るものが大きいし、お財布にも優しいので、ガソリンや高速代など旅の中で他のことにお金を使う余裕が生まれます。
オーナーさんもフレンドリーで良い方ばかりなので、ライダーなら必ず話が盛り上がるはず!
気になった方は是非宿泊してみてください!
▶▶ こちらの記事では京都・滋賀のライダーハウス&おすすめホテルをご紹介しています。
【文/佐藤快(外部ライター)】