バイクツーリングは楽しい! だけど、クルマと違って体力的にちょっと疲れるのも事実です。なので『勢いまかせ』なのはNG。旅の達人はいつだって『帰り道』のことを考えてツーリングプランを組んでいるんです!
ツーリングは『帰り道』に魔が潜む……
バイクでツーリングに出る時って、テンションが上がりますよね! あの道を走って、あそこで写真を撮って、その後に名物のアレを食べて……とか、ワクワクが止まりません。
けれど、だからこそツーリング慣れしていないライダーの場合は、ちょっと気をつけたいことがあります。
それが『帰り道』のこと。
正直な話、ツーリングに出る前はテンションも高いし、体力・気力ともに充実した状態なのでガンガン走りたくなっちゃうんです。
ちょっと欲張っても大丈夫、これくらいならイケるはず! みたいな感覚。基本的に、バイク乗りなら誰だってそうなります。だけど、実際問題としては『欲張りすぎると後が大変』になりがちなんですよね……
朝に出発して、勢いまかせでどんどん走って、その日のツーリングの目的を全部達成して大満足! だけど、ふと気づいたらもう日が暮れはじめて……
その時になって『これは家に帰るの遅くなっちゃうナァ』と軽く後悔する事、長くバイクに乗っている私でも未だにあります。
ツーリングが楽しいからこそ、なんですが、そうなると帰り道はけっこう大変。
夜間走行は日中に走るよりも気を使いますし、季節によっては日暮れ以降、一気に気温が下がって冷え込むこともあります。何より最大の問題は『まる1日、力いっぱい走って、そこそこ疲れも溜まっている』ということ。
体力的なことも含め『行きと同じようなペース』では走れません。ぶっちゃけ、ツーリングは帰り道のほうが時間がかかると思っているくらいのほうが無難です。
家に帰着する時間をイメージしておく
それを解決するのに有効なのが『家に帰り着く時間をあらかじめ決めておく』こと。厳密なものでなくてもいいんですが『だいたい○○時くらいまでには家に帰るようにしよう』って意識を持っておくだけでかなり違います。
翌日のことなども考えて事前に帰る時間を決めておくと、ツーリング中でも『これ以上進むと、家に着くのが遅くなるな』って、自然に思うことができるようになります。そうすると、勢いで走り過ぎちゃうことが無くなるんです。
その時、場合によっては、その日のツーリングの目的をすべて達成できていないかもしれません。
でも、それでいいんです。そういう経験こそが何より大事!
今回はちょっと欲張りすぎたか……っていう実体験をすれば、次のツーリングの時には確実にその経験が活きます。プランの立て方が上手くなることは間違いありません。
その逆に、限界まで走ってヘトヘトで家に帰ると『今日は疲れた……』って身体だけじゃなく気持ちもぐったりしちゃいます。楽しいツーリングに出かけたはずなのに、その日の終わりにそんな気持ちになっちゃったら本末転倒じゃないですか!?
だからこそツーリングに出る時は『帰りのこと』を、ちゃんと考えてプランを練るのがとっても大事!
実際のところツーリングっていうのは、上級者になればなるほど、帰り道に余裕を持たせるようになります。日帰りはもちろんのこと、泊まりで長距離を走る場合などは尚更そうなる。例えば2泊3日の旅の場合、最終日は『基本的に帰るだけ』にする人もけっこういますし、そのほうが結果的に『楽しいツーリングだったな!』っていう良い想い出になりやすい。
初心者の頃はどうしても気持ちが先走りやすいものです。だけど『帰りこと』を考えてから走り出せば、失敗は確実に少なくできます。
何よりも、そうやって経験値を貯めていけば『ツーリングライダー』として自然にレベルアップしていけるはずから!
【文/北岡博樹(外部ライター)】