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タイヤの点検はやらないと損をする?! 楽しく走るために「3つの項目」だけ知っておいて!【バイクライフ・ステップアップ講座/タイヤのチェック -初級編-】【Safety】

バイクに乗る前にチェックしておきたい項目はいくつかありますが、特に念入りにチェックしたいのが「タイヤの状態」です。

今回はタイヤのどこを確認したらよいのかを3つの項目に絞って解説します。

 

バイクに乗る前に必ず確認したい「3つ」のタイヤチェック項目って?

バイクに乗る前にチェックしておきたい項目はいくつかありますが、特に重要なのは「タイヤのチェック」です。

なんといっても走行中、バイクと地面が接しているのは前後2つのタイヤのみですから。

他の部分が完璧だったとしても、タイヤの状態に不備があるだけで、走るのが一気に楽しめなくなる。これ、嘘じゃありません。

でも“タイヤのチェック”と言われても、バイク初心者の頃は何をどうやってチェックしたらよいのか分かりませんよね?

今回はタイヤチェックを3つの項目に絞って解説してみたいと思います。

 

①濡れた路面でタイヤが滑らないために

初めてバイクに乗る時や久しぶりにバイクを動かす時は、跨る前にまずタイヤのゴムの状態を目視で確認してみましょう。

タイヤは一見すると単なる黒いゴムの輪っかのように見えますが、その内部はかなり複雑かつ緻密な構造をしています。

よく走るシチュエーションやライダーそれぞれの走り方などで「タイヤの擦り減り方」や「擦り減る部分」もかなり変わってきます。

例えば、直線の道をよく走る場合はタイヤの中央部分ばかりがたくさん擦り減りますが、タイヤの端の方はあまり擦り減っていなかったりもします。

しかし、ワインディングやサーキットでのスポーツ走行など、高い負荷でコーナリングを頻繁にする走り方をするとタイヤは端の方まで擦り減っていきます。

とはいえ、一般公道の走行では、やはりタイヤの中央部分から多く擦り減っていきますので、まずはその中央部分の磨耗状態を確認しましょう。

タイヤの磨耗状態を確認するひとつの手段として「スリップサイン」というものがあります。

一般的なバイクのタイヤには、サイドウォールの部分に「△」マークが数ヶ所刻印されています。

その「△」マークからタイヤの表面を辿っていくと、タイヤの溝の中に少し突起している部分があります。

これは『スリップサイン』というもので摩耗が進んで溝が擦り減って浅くなると、いずれスリップサインまで磨耗が到達します。

このスリップサインがタイヤ表面に現れたら、雨の日など濡れた路面でタイヤが滑る危険性が非常に大きくなります。濡れた路面でスッテンころりん。後悔は先に立ちませんので、溝のすり減ったタイヤは速やかに交換することをおススメします。

 

②溝だけじゃない、ゴムの劣化を知る目安

ちなみに、このスリップサインが現れるまではタイヤを使い続けてもOK、という訳でもないんです。

溝の無くなったタイヤは論外レベルだと思ってください。その他にも「ゴムそのもの」の劣化状態にも注意する必要があります。

ただし、ゴムの劣化状態は目で見てもわかりにくい! そこでチェックしたいのは、タイヤの劣化状態を知る目安のひとつになる「製造年」です。

一般的なタイヤにはサイドウォールの部分にこのような「数字の刻印」がされています。

この刻印はそのタイヤが作られた『製造年週』を示しています。

【9AVM4420】と書かれている部分の、下4ケタが「製造年週」の数字になっています。

前の2ケタの”44″は、その年の第44週目(11月上旬頃)に製造されたことを示しています。
次の2ケタの”20″は、年(西暦)の下2ケタを表してます。この場合は「2020年」ということになります。

よって、このタイヤは「2020年の44週目(11月上旬頃)」に製造されたものであることがわかります。

厳密にタイヤの使用期限が決められているわけではありませんが、一般的なタイヤメーカーの推奨使用期限は3〜4年程度と公称されています。

理想としては3~4年くらいで「溝が残っていてもタイヤ交換する」と快適&安全な走りがキープしやすいです。

 

③タイヤの空気圧ほど重要なものはない

そして、バイクを楽しく走らせるうえで、これ以上は無い!っていうくらい重要なのがタイヤの「空気圧」のチェックです。

冗談抜きで、タイヤの空気圧が減った状態だとハンドリングが悪くなって楽しく走れなくなりますし、燃費だって悪化するんです。
また、空気圧が低い状態で走っているとタイヤが編摩耗を起こしやすくなり、タイヤの寿命そのものを縮めることにもなりかねません。

そこでチェックしたいのが「メーカー規定の空気圧」です。

自分のバイクの適性空気圧を知るには、スイングアームやチェーンカバーに必ず貼られているコーションラベルで確認することができます。

空気圧の単位は、「kPa(キロパスカル)」や「kgf/cm²(キログラムフォース)」などの他にも、「psi」や「bar」などがありますが、測り方や単位が違うだけで基本的には同じ空気の圧力の単位です。

ホンダの車両は「kPa」と「kgf/cm²」で表記されていますので、その単位で測れるエアゲージなどでチェックします。

今回は、エアコンプレッサー(空気入れ)とエアゲージ(空気圧計)が一体型になっているもので空気圧をチェックしてみます。

タイヤの空気圧チェックと空気の充填を行うには、ホイールから突起しているこのような「エアバルブ」からおこないます。

ゴムキャップなどが付いていますので、キャップを外すとこのようなバルブが現れます。

ちなみに、自転車用のエアバルブには「米式」や「英式」「仏式」などがありますが、バイク用は基本的に「米式」のバルブで統一されています。

エアバルブにこのような「空気入れの先端」をまっすぐ差し込んで、空気の調節をおこないます。

ちなみに、まっすぐ差し込まないとプシュー!と音がして空気が抜けていきます。空気が抜ける音がしない角度を見つけて、グッと差し込んでください。

タイヤの空気を充填できるエアコンプレッサーには、このような空気注入レバーと空気排出ボタンが2つが備わっています。

❶のレバーを握ると空気が入れられ、❷のボタンを押すとタイヤの中の空気を排出できます。

この車両の規定空気圧は、フロントタイヤが250kPa(2.50kgf/cm²)、リアタイヤが290kPa(2.90kgf/cm²)になっていますので、エアゲージを見ながら空気圧を調整していきます。

これで空気圧チェックは完了です!

【おまけ】空気が入れにくい場合はL字バルブのアダプターがあると便利

ちなみに車両によっては、エアバルブの差し込み口に「空気入れの先端」を差し込みにくいケースがあります。

ガソリンスタンドなどで貸してもらえる空気入れなどはバイクに対応していない場合も多いです。また、リアタイヤは、ブレーキディスクやチェーンケースなどが邪魔になってエアバルブに差し込みにくいことがよくあるんです。

そんな時に便利なのが、このようなL字の形をした「L字バルブ・エクステンション」です。

L字バルブはバイク用品店などで1,000円以内で購入できるので、ひとつ持っておくとかなり重宝します。

L字バルブ・エクステンションを付けるとこんな感じ。

このアダプターをつければ、写真のように横から空気入れの先端を差し込むことができるようになり、チェーンやブレーキ類の部品が干渉しにくくなります。

これがひとつあるだけで、タイヤの空気を入れる時に困ることが激減することは間違いなし!

ちなみに、こちらはCB400 Super Fourのエアバルブですが、空気を入れやすように、あらかじめ「L字」になっています。こういう気遣いは「さすがホンダ車!」って思える部分です。

 

いががでしたか?

タイヤのチェックなんてしたことない!って言う人ほど、ぜひ一度お試しください。

このタイヤの状態が良いと、見違えるほどにバイクは気持ち良く走れます。チェックしないっていうのは、逆に『損なこと』だと思って、トライしてみてくださいね!

 

【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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