もうすぐ3月、2024年のモーターサイクルショーのシーズンです。
ライダーの皆さんや、これからバイクに乗りたいと考えている方々はワクワクしているのではないかと思います。
そんな方々にモーターサイクルショーでHondaブースにて展示される最新モデル、CBR1000RR-R FIREBLADE SPの情報をお伝えしておこうと思います。
その前に、先日発表になったCBR1000RR-R FIREBLADEについて紹介します。
加速性能が更に向上
CBR1000RR-R FIREBLADEのエンジンには、レースで蓄えられた技術が惜しみなく注ぎ込まれています。
GPマシンRC213Vと同じボア・ストロークになっていて160kW(218PS)/14,000rpmというパワー。前後長もコンパクトに設計されていて、マスの集中化と運動性も追求しています。
全日本ロードレース選手権では、市販車ベースのマシンで戦われている「ST1000」というレースでも大活躍しているマシンです。
2024モデルのエンジンは更にパワフルになりました。
重視されているいるのは中速からのトルクと加速力です。カムシャフトのバルブタイミングとリフト量を変更。ピストントップの形状を変更して圧縮比をアップするなどして中速域からの加速性能を向上させているのです。
クランクシャフトは軽量化されたうえで形状も変更。
慣性マスが少なくなったことでスロットルレスポンスが更に鋭くなり、パワーの追従性もスムーズになりました。
加えてミッションのレシオも中速域の加速力を高める方向に変更。サーキットだけでなくストリートでの楽しさや扱いやすさも考慮されています。
中速域の加速力はサーキットのラップタイムを縮めるだけでなく、スポーツライディングでマシンを楽しく操るためにも重要な要素。
そこが新しいモデルでは強化されているのです。
電子制御が更に進化
最新のスーパースポーツでは電子制御が非常に重要です。
CBR1000RR-R FIREBLADEでは、これまでも最先端の装備でライダーをサポートしていました。
新しいモデルではこの電子制御も進化を遂げています。
注目はスロットルバイワイヤ(TBW)がホンダの2輪車としては初めて2モーター式になったこと。
低中速域では2気筒ずつ独立したモーターがスロットルを制御することで、スロットルを開けはじめた領域など低開度域の扱いやすさが向上し、減速時のエンジンブレーキの効果も大きくなりました。減速から加速に移る部分って、スポーツライディングではとても重要になりますが、この部分がとてもスムーズになっています。
2モーター式スロットルバイワイヤになったことでライディングモードのパラメーターも再設定。
ライディングの更なる楽しさと安心感を作り出しているのです。
意のままに反応する操縦性
フレームの構成部品も新設計となり、従来モデルに対しフレーム構成部品トータルで –1,100gの軽量化されています。
横剛性17%、ネジリ剛性を15%低減したうえでエンジンを6箇所でマウントし、全体の剛性バランスを緻密に調整しました。重心のバランスも整えられ、ライダーの意思にシンクロするような操作性を生み出しています。
また、ハンドル位置は手前に引かれて少し高くなり、ステップ位置が下げられています。
ステップワークなどの操作性が向上して、ストリートからサーキットまで走る楽しさが向上しています。
レースから生まれたデザイン
カウリングはレースで積み重ねられたエアロダイナミクスのテクノロジーが生かされ、ウイングレット、ミドルカウル、アンダーカウルを新設計。
ウイングレットはフロントを押さえつけるリフト抑制効果によって加速時のウイリーを防止し、減速時はタイヤを押し付けて安定感を生み出してくれます。
ただ、この力が時としては軽快な動きの邪魔をしてしまうこともあるんです。
新型ではウイングレットの上面に段差をつけることによって整流効果を高め、リフト抑制効果を確保したまま車体をバンクさせるときのヨーモーメントを10%低減。高速走行時の軽快性につながっています。
アンダーカウルはリアタイヤ付近まで伸ばされ、後ろに段差をつけることで整流効果を高め、リアタイヤの接地感を高めています。
実車を見てみたら、細部まで徹底したエアロダイナミクスの考えが取り入れられていることが分かるはずです。
モーターサイクルショーにて展示予定!専用足回りを採用したSP
モーターサイクルショーにて展示予定のCBR1000RR-R FIREBLADE SPは、CBR1000RR-R FIREBLADEをベースに足回りを専用化したモデルです。
フロントにÖHLINS φ43 NPX Smart-EC 3.0。リアにÖHLINS TTX36 Smart-EC 3.0というオーリンズ製の電子制御サスペンションを装備。第3世代ÖHLINS Smart ECシステムに適合したÖHLINS Object Based Tuning interface(OBTi)を採用しました。
OBTiは、工具を使わずスイッチひとつで簡単にセッティングを変更できる最先端の制御システム。これが最新のCBR1000RR-R FIREBLADE SPでは更に進化を遂げているのです。
更にフロントのブレーキキャリパーはBrembo STYLEMA™ 。
クイックシフターを標準装備しています。
更に進化したスーパースポーツ
CBR1000RR-R FIREBLADE のニューモデルでは、単にサーキットの速さを追求するだけでなく、ストリートでの楽しさも考えた変更が加えられました。
車体や足回り、ボディデザインにいたるまで、すべてがホンダの最新技術の結晶のようなバイクです。
実車を見て、跨ってみればどんなに魅力的なマシンになったのか伝わってくることでしょう。
是非、モーターサイクルショーの会場でCBR1000RR-R FIREBLADE SPのハンドルを握ってカウルに身を伏てみてください。
ホンダが追求している「走る喜び」が感じられるはずです。
【文/後藤武(外部ライター)】