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レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【CBR250RR編】さらなるパワーを手に入れ、ますますイケメンに!

※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2023年9月号)の内容を編集・再構成したものです。

全日本ロードレース選手権で活躍を続けてきた岡崎静夏さんが、もっとも深く関わってきたバイクのカテゴリーがスーパースポーツ。

直接比較するまでもなく、新旧CBR250RRの違いにすぐ気づいたようで、進化を続けるその姿勢も高評価!

速さにつながる走り方を つい考えてしまう本格派

6月中旬の全日本ロードレース選手権第4戦筑波大会は、今季3戦目でようやくトップ10フィニッシュ。ここまで全戦で、少しずつポイントを獲得しています。全日本ロードは筑波以降に長いインターバルが設けられていて、しかもJ-GP3クラスは第5戦もてぎ2&4レースでは実施されないので、次戦は9月第1週のスーパーバイクレースinオートポリスとなるのですが、調子は上向きなので、シーズン後半はまず6位以内入賞、そして表彰台争いに絡めるよう頑張ります!

そんな全日本のインターバル期間中となる8月第1週には鈴鹿8時間耐久ロードレースが開催され、私はとあるチームで初めてピットクルーをするので(クビにならなければ……)、7月上旬には合同テストのため鈴鹿に出向いたのですが、その前にしばらくCBR250RRをお借りして、楽しませてもらいました。

’17年に初登場し、’20年型で出力向上やアシスト&スリッパークラッチ新採用などの改良が施されたこのモデルは、’23年型で4年ぶりのマイナーチェンジ。スタイリングが刷新され、エンジン細部の変更により最新排ガス規制に適合しながらも最高出力が1ps増えて42psとなり、3段階+オフのトラコンが新搭載され、フロントフォークがショーワ製のSFF-BP仕様になりました。

乗りはじめてまず感じたのは、ワインディングや高速道路で、イメージしている以上に加速が高回転域まで滑らかに続くということ。先代あるいは初代のCBR250RRには何度も乗ったことがあり、同じようなフィーリングではあったのですが、新型を試乗してみて「CBR250RRってこんなに速かった!?」とまず思いました。

250ccクラスには単気筒エンジンも多く使われ、ホンダのCB250Rなどがロードスポーツ系としてはその一例ですが、CBR250RRのエンジンは2気筒。そのため、単気筒と比べて高回転域での伸びがあります。具体的には、7,000~8,000rpm付近から力強さが増し、それが続いていくので、楽しさがあります。ちなみに、42psというこのクラスの2気筒エンジンとしてはかなりある最高出力は、1万3,500rpmで発揮されます。

やっぱりワインディングが一番似合うマシンです!

従来型までと同じくライディングモードの切り替えが可能で、スポーツ+/スポーツ/コンフォートの3タイプから選べますが、ワインディングを走るなら、やっぱりもっともレスポンスに優れるスポーツ+がベストマッチ。ただしUターンのときだけは、ハンドルを右にフルロック近くまで切ったときに、燃料タンクサイドのカバーと腕が干渉しやすいので、スロットル操作に対してレスポンスがマイルドなコンフォートにしておくと、より扱いやすさを感じられるかもしれません。

ちなみに、Uターンのときだけはややネックとなる燃料タンクサイドの張り出したカバーは、本気でサーキットを攻めたときに、コーナーで外側の腕によるホールド性を高めるのには効果的なはず。また、これがあるからこそトータルでの車体デザインが成立するはずですし、そこまで悪いイメージではありません。

車体ディメンションは、相変わらずかなり本格的なスーパースポーツまたはレーサーに近い仕様。つまり、フロントが低くてリヤが高めです。加えて、フロントサスがややソフトなので、ブレーキングでフロントタイヤの接地感がわかりやすい反面、ハードブレーキングでは車体が起きようとする力が大きめ。そのため、スポーティに走らせるときは、減速時にリヤブレーキも上手に使って進入で車体姿勢を調整してあげると、よりスムーズなコーナリングができると感じました。

逆に、それほど上手にフロントブレーキを使えないライダーでも、車体姿勢が旋回力を生み出してくれるので、スポーティな走りを簡単に味わえると評価することもできますね。

あとは、2気筒250ccならではの軽さも魅力。しかも、車重だけではなく“転がり”も軽い印象で、これも軽快な走りにつながります。

CBR250RRに乗ると、ついつい「より速く走らせるには……」なんてことまで考えがちなのですが、250ccクラスでありながらそれくらいレーサーに通じる雰囲気が取り入れられているところも、このバイクの魅力だと思います。

CBR250RR:SHIZUKAの評価

1)スタイリング:CBR1000RR-RやCBR600RRとイメージをしっかり共通化。250ccクラスながら見劣りしない質感も備わっていて、満足度は高めです。

2)スポーツ性:スポーツ性をかなり優先して設計されているバイクで、レースベース車にも使われるほど。もちろん公道でも、たっぷり味わえます。

3)ツーリング:高速道路を巡航するような行程では長所を発揮しづらいですが、一般道中心で峠道をつなぐショートツーリングはかなり楽しいです。

4)街乗り:車体は軽くてコンパクト。意外と足着き性もいいので、市街地でも問題なく使えます。ただし、やっぱり楽しいのはワインディング!

5)コストパフォーマンス:排気量だけで考えたら高いですが、現代のバイク価格、搭載されている電子制御、峠道での楽しさを考えたら、納得できる範囲内です。

SHIZUKAのお気に入りポイント

【尖ったデザインがまさにCBR!】鼻先やテールが尖った、現行のCBR1000RR-RやCBR600RRに通じるデザインが好き。新型は、先代のイメージを継承しながらデザインが一新されていますが、実際に新旧を見比べてみて、新型のほうがイケメンだと感じました。

【細かいところまでしっかり設計】新型のテールカウルは、左右に設けられたダクトの内部に、ウイングが配備されています。これが実際の空力特性にどのような影響を与えるのか私にはわかりませんが、細かいところまでこだわって設計されているところにも好感!

●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希
※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2023年9月号)の内容を編集・再構成したものです

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