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レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【スーパーカブ110編】一家に1台欲しくなる究極の多用途モデル!

レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【スーパーカブ110編】一家に1台欲しくなる究極の多用途モデル!

’24年の最終戦で、全日本ロードレース選手権初表彰台登壇となる3位を獲得し、気持ちよくシーズンオフを迎えた岡崎静夏さん。激戦の疲れを癒すべく、じつは超お気に入りのスーパーカブ110で、海沿いをのんびり旅することに……。

街限定ではもったいない意外なほどのツアラー性

10月下旬に鈴鹿サーキットで開催された全日本ロードレース選手権の’24年最終戦で、初めて表彰台に立つことができました。トップ争いが最終ラップに混乱して“棚ボタ”の3位でしたが、ずっと応援してくれている方々に、ようやく表彰台登壇の姿を見せることができました。

J-GP3クラスに参戦を続けて、なんと丸13年。自分でも「よく続けているよなあ……」なんて思っちゃいますが、この鈴鹿のレースでは自己ベストを約2秒も更新して、レース中のファステストラップタイムもマークしました。ここ数年、この時期は来季の参戦について悩むことが多かったのですが、’25年シーズンに向けてトレーニングや練習をどうしていくべきか、とても前向きに考えられています。長く続けてきましたが、この歳になって来季のことを一番真面目に考えているかも……。

ところで、長く続けてきたということでは、ホンダのスーパーカブシリーズは、私とは比べ物にならないほどスゴいですよね。’58年に初代のスーパーカブC100が発売され、’17年にはシリーズ世界生産累計がなんと1億台を突破しています。

日本では現在、“カブ”の名を持つ多彩な原付二種と原付一種がラインナップされていますが、今回私がのんびり旅の相棒に選んだのは、原付二種ビジネスバイクのスタンダードとなるスーパーカブ110。“お仕事系”ではありますが、ツーリング用やコミューターとして愛用しているユーザーも多いモデルです。

私の中にあるカブの基準が50ccモデルということもあり、乗りはじめに毎回思うのは、「カブってこんなに力強かった?」ということ。新聞配達に象徴されるように、スーパーカブが得意とするのは鋭い発進と機敏な動きというイメージが強いからか、流れが速い郊外の幹線道路をごく普通に走れるスーパーカブ110に、頼もしさを感じてしまいます。

とはいえ、あくまで排気量109ccのロングストロークエンジンなので、出足からドンッと強烈に加速するわけではなく、これが逆に扱いやすさにも貢献。一般道オンリーになるとはいえ、スムーズに車速を伸ばすこのエンジン性能なら、距離が長めのツーリングも十分楽しめます。

適応能力が高すぎて、楽しみ方は無限大!

’22年4月のモデルチェンジ時にフロントブレーキがディスク式となり、ABSを装備したことも、ツーリングでの安全性はもちろん、快適性を高めて疲労を軽減する大きなポイント。しっかり効くだけでなくコントローラブルなので、頑張って操作しなくてもスッと減速できます。110の動力性能には、やっぱりこのブレーキのほうが合いますね。

車体は軽いけど、前後ホイール径は17インチと大きく、コーナリングの感覚は“ヒラヒラ”という表現がピッタリ。ちょこまかとした機敏すぎる動きがなく、上質感や適度な安定性があります。路面の段差などを通過するときの挙動や感触も優しく、小径ホイールのスクーターと比べたら、不安定さを感じるシーンが圧倒的に少なめ。これも、コミューターとして活用するだけでなくツーリングに連れ出したくなる要因のひとつになっていると思います。

近年、ビジネスバイクでオフロードコースを走る遊びが一部の界隈で人気となっていて、“カブ主”も多く参加しているのですが、そこまで極端なシチュエーションは別にしても、スーパーカブ110は色々なシチュエーションを難なくこなします。車体は軽く、重心位置が低めで、前後輪はそれなりに大径で、エンジンのトコトコトコ……という領域を使いやすく、さらに足着き性も良好なので、意外と舗装路じゃなくても走れてしまうんです!

ビジネスバイクとしての優れた信頼性や利便性については、今さら言及するまでもありませんが、レトロスタイルのシティコミューターや、タフで低燃費で荷物が積みやすいツアラーとしても楽しめて、旅先ではちょっとした不整地も怖くないなんて、本当にお得すぎ。ガレージに置いておいてもたいして困らない、気軽に引っ張り出して乗れる車格というのも魅力です。

ファイナルエディションが発表された伝統の50cc仕様も捨てがたいところですが、エンジン性能とブレーキ性能を考えたら、やっぱり110はより懐が広く、多目的に使い倒せる最高の相棒となること間違いナシ。私は、ハローキティ仕様※をすっかり予約する気でいますよ!

※「スーパーカブ50/110・HELLO KITTY」の予約受付けは既に終了しています。(受注期間:2024年11月8日(金)から2024年11月24日(日)まで)

SHIZUKAの評価

1)スタイリング:スーパーカブとしての定番スタイルを継承。ここから大きく外れたデザインになったら受け付けられないくらい、当然のカタチです。

2)スポーツ性:ワインディングを走って楽しいバイクというのとは少し違いますが、走行環境を問わず、意外なスポーツ性を秘めています!

3)ツーリング:とくに110の場合、一番やりたくなる遊びはツーリング。優れた積載性を活かしたキャンプツーリングや、フェリー旅にも最適なはず。

4)街乗り:発進や停止、狭い場所での取りまわしはとてもしやすく、段差の通過などがもたらす疲労も少なめ。言うまでもなく市街地は得意です。

5)コストパフォーマンス:仕事用やコミューターとしてはもちろん、ツーリング用途も、ちょっとした冒険気分まで楽しめるなんて、はっきり言ってコスパは最高!

SHIZUKAのお気に入りポイント

【動力性能に合う安心の前ブレーキ】
’22年型からフロントブレーキがディスク式となり、アンチロック機構も搭載。これによりブレーキング時のコントロール性と安心感が高まりました。力強いエンジンだからこそ、しっかり減速あるいは停止できることも大切です。

【カラバリが豊富でポップ感が増大】
カブはオジさんの乗り物というイメージを、大きく変えた要素のひとつが車体色。スーパーカブ110にはこれまで、明るい色も積極的に使われてきました。カブ定番のグリーンも、現行型はメタリック塗装でちゃんとオシャレです!

(クレジット)
●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希
※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2025年1月号)の内容を編集・再構成したものです。

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