高速道路からワインディングまで、ヘッドライトカウルを装着したCB1000F SEは現実問題としてスタンダードモデルを上回るパフォーマンスを発揮してくれました。しかし、それでも……
CB1000F SEは『スタイルのある人』に乗ってほしい
スタンダードモデルのCB1000Fは名機CB750F/CB900Fを強く想起させる、いわば『正統派』の丸目1灯ネイキッド。しかしそこに『SE』としてヘッドライトカウルが装着されることによって印象は一気に変わり、レトロ感を残しつつも全体としては『新しいもの』になっている。最初の【① 概要編】でも同じことを言いましたが、私(北岡)はそんな風に感じています。
また、ひとつ事実としてCB1000Fシリーズの国内発売が発表されたのち、ユーザーが真っ先に求めたのは『正統派』のスタンダードモデルでした。具体的に言うとCB1000Fシリーズの人気はスタンダードモデルが約7割、SEが約3割に分かれているとのこと。この数字だけを見ればSEは“マイノリティ”に映るかもしれません。

だけどSEはおそらく「これから伸びていく」ことになると思う。
現段階では名車の面影を求めた人々が丸目1灯の正統派ネイキッドを欲したのだろうということは容易に想像がつきます。けれど私(北岡)自身も含めてCB750F/CB900Fが打ち立てた伝説の数々をリアルタイムで知らない世代にとっては「目の前にあるもの」がすべてです。レジェンドバイクのバックボーンを取り払った目線でCB1000Fシリーズを見た時に『SEのほうがカッコいい!』と感じる人はたくさんいると思う。

もちろん『バイクの好み』なんていうのは人それぞれなので、それをとやかく言う意図はありません。自分自身がいちばん好き! と思えるバイクを選べばいいだけの話。
けれど今回こうしてヘッドライトカウル付きの『CB1000F SE』にじっくり乗ってみて思った。新しさすら感じさせるヘッドライトカウル スタイルのSEこそは、若年層などの「これからを担うライダー」が乗っていたらすごくカッコいいだろうナァ……って!

CB750FやCB900Fへのオマージュを否定することはなく、だけど周囲に流されず、自分で決めたものを選び取る。自分らしさに一本筋が通った人が、自分の信じるスタイルでCB1000Fを走らせたら、それはきっと『カッコいいライダー』になると思う。現代版の“硬派”と言ってもいいかもしれません。
まぁ……あくまで私の個人的なイメージなんですけどネ。

でもそう考えると『SEを選ぶ』というのはやっぱり性能や装備、あるいは価格差の問題じゃないな、と。
SEのヘッドライトカウル自体が持つ性能そのものは今回の【② 高速道路編】や【③ ワインディング編】でお伝えしたとおりで、クイックシフターやグリップヒーター、ラジエターグリルなどの装備も魅力であることに変わりはありません。
だけど、核心はそうじゃない。

重要なのはこのスタイルに価値を感じられること。新しさを受け入れられること。それこそが『SE』を選びとる基準になるのだろうと思います。
仮に今、CB1000Fシリーズに魅力を感じている人がいるとして、スタンダードかSEで迷っているのならば……その人には「SEの新しさ」を受け入れる土壌がある、ということになるはずです。だって正統派の丸目1灯ネイキッドが欲しい人はきっとそこで迷わないから。
そしてCB1000Fシリーズに限ったことではありませんが、バイク選びにおいて最も大事なのは自分の『好き』をブレずに貫くことです。

だから、心の天秤が『SEが好き!』と感じるならば一直線!
そうすればきっと、CB1000F SEは貴方にとっての特別な相棒になってくれるはず……だって、自分が信じたバイクだもんね。
スペックの数字や装備品じゃない。SEという『新しい個性』を乗りこなす。CB1000F SEはそんなライダーにこそ乗ってほしい! なんて思った1台なのでした!
【文/北岡博樹(外部ライター)】

















