従来型以上に『ツーリングバイク』として得難い資質を手に入れた2022モデルのアフリカツイン。このバイク、本当にどこまで進化するつもりなんだろう？
アフリカツインはいつだって想像を超えてくる
ツーリングが好きな私（北岡）にとって、アフリカツインというバイクはひとつの『理想』に近いものがあります。
その『理想』にまた一歩近づいた。
2022モデルのアフリカツインの進化は、個人的にはそう感じられるものでした。
【中編】からの続きです
だってそうでしょう？
今回のアップデートによって高速道路クルージングでは長距離でも飽きないフィーリングを手に入れましたし、形状変更されたウインドスクリーン（※CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES／DCTのみの変更）のおかげでウインドプロテクション性能もこれまで以上に高まってる。加えて一般道でも、深みを増したテイスティさを武器に、どこまでも走っていけるような気にさせられる。
味わい深さっていうのは数値化できないものなのに、それすら装備させてくるホンダの技術力には舌を巻くしかありません。
そして、新しくなったアフリカツインに乗って改めて『スゴいなぁ』と思うのは、高いオフロード走破性を与えられたバイクであなりながら、例えばオンロードのワインディング走行においても我慢を強いられることが無いこと。
もちろんプロが乗れば話は違ってくるかもしれませんが、私（北岡）を含む『普通の腕前のライダー』がアフリカツインを走らせる限り、そのコーナリング性能は十分以上にエキサイティングです。むしろ、オフロード走破力を優先したフロント21インチの大径タイヤで、よくぞここまで安定した走りができるものだと逆に感心するばかり……
変な話ですが、私のようにワインディングで『なんちゃってスポーツ』を楽しむレベルのライダーにとっては十分すぎです（笑）
しかもそれが、ワインディングだけじゃなくて、オフロード走行においても同じなんですよ？
ぶっちゃけ言ってしまいますけど、これほどの巨体を持つ大型バイクでオフロードに挑むなんて、本来であれば『絶対に無理！』って思うはずなんです。
なのに『怖い物見たさ』レベルで試しにオフロードに踏み込んでみると、あまりの平和さに驚く。
誤解を恐れずに言うなら『オンロードとそれほど変わらない気分』でオフロードを走ることができてしまうんです。もちろん節度を守ることが前提条件ですけど、それにしたってもう少し『万が一コケちゃったら……』みたいな気持ちがブレーキになるはずなんですが、このバイクだけは本当に例外。
もうちょっとイケるんじゃないか？ って『その先』へ踏み込んでみたくなる。
このバイクに乗っているだけで、自然と冒険の旅に誘われるというか、チャレンジしてみたくなるというか……そういう気持ちが芽生えてくるんです。
でもそれはあながち無謀なトライっていう訳でもなくて『アフリカツインとなら走れる、大丈夫！』ってバイクを信じることができる。
そういう意味でも、本当に素晴らしいバイクだな、と心の底から思います。
言うなれば、とんでもなく高い潜在能力でライダーをまるごと包み込んで、その人の夢を叶えてくれる。
私にとっては、アフリカツインっていうのはそういうバイクです。
もはや隙が見当たらない……
従来型でもそんなバイクだったのに、今回のアップデートでさらに隙を無くしてきたアフリカツインは、本当に『パーフェクト・ツーリング』と呼びたくなるバイクに成長しました。
元々あった高性能に加えて、『味わい』の部分まで強化されたとなれば、文句のつけようがありません。
アフリカツインは今回、乗ることができたビッグタンク仕様のCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESで価格194万7000円。DCTモデルに至っては200万円を超えるプレミアムバイクです。
私は間違ってもそれを『この性能なら安い』なんて言いません。立派に高級車。おいそれと手が届く存在じゃない。
だけど、それを『夢を叶えるためのお金』と考えるならば、清水の舞台から飛び降りる覚悟が持てる。そして舞台から飛び降りた後、アフリカツインは絶対にその決断を後悔させません。これだけは断言できます。
2022年モデルの時点で、既に完全無欠に思えるアフリカツイン。
このバイク、本当にどこまで進化するつもりなんでしょうね!?
【文：北岡博樹（外部ライター）】
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