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伊藤真一PRESENTS ロングラン研究所 Rebel1100 S Edition DCT 編

今回は伊藤真一さん率いるAstemo Honda Pro SI Racingのエースとして、全日本最高峰クラスであるJSB1000を戦う野左根航汰さんをゲストにお迎えしました。取り上げるのは野左根さんが乗りたい‼ とご指名の機種であるレブル1100S エディションDCT。第一線で活躍するトップライダーは、この1台をどのように評価したのでしょうか?

足をどこに置けば良いのか考え込んでしまいました(苦笑)

野左根 航汰(のざね こうた) 2010年より全日本選手権へのフル参戦を開始。2017年にYAMAHA FACTORY RACING TEAMに加入し、2020年には国内最高峰であるJSB1000のタイトルを獲得。2021~2023年は世界スーパーバイク選手権とMoto2に参戦。2025年より伊藤監督率いるAstemo Pro Honda SI Racingに加入。チームのエースライダーとして、JSB1000と鈴鹿8耐を戦う。

自分にとって2024年9月号以来のロングラン研究所ですが、今回のレブル1100 Sエディションを乗ってみたいバイクとして指名させていただいた理由は、普段乗ったことのないクルーザータイプのバイクだからです。レースで乗っているCBR1000RR-Rのような、スーパースポーツとはかけ離れたバイクに乗ってみたいなぁ、というわけです。

クルーザータイプのバイクにまたがるのも初でしたが、レースで乗るバイクはスイングアームピボット付近にステップがありますが、レブルはかなり前側にステップがありますね。こんなにステップが前にあるのは初めてで、最初はどこにステップがあるのか、信号待ちから発進するたびにどこに足を載せればと、足の置き場を探してしまいました(笑)。

右足でブレーキレバーを踏むのも、どうやって踏めば良いのだろう…と悩んでしまいましたね。4輪車のブレーキペダルを踏むときのような感じで扱えば…と思いました。しばらく走らせていたら慣れてきて、そこから先はそんなに気になることはなくなりました。

レブルはシート高が低くて、とにかく足つき性が良いですね! 1100㏄も排気量がある、大きく重いバイクなのですが、レブルは足つき性が良いため取りまわしが非常に楽に感じられます。何かあったとき、すぐに足を地面につけられるというのは精神的にも安心感ありますし、足つき性を気にする女性ライダーの方にとっては、レブル1100は扱えるという気持ちにさせてくれる貴重な大型バイクではないかと思いました。

ホイールベースが長いですが、小さい曲率のコーナーで旋回させてみると、予想以上に小まわりがききます。そして車高が低くて低重心なので、低速走行時でもふらつき感が少ないです。目の前にある車体を見ると大きいなと感じますけれど、実際に乗って走らせてみるとその大きさをあまり意識させないのがレブルの良いところですね。

初体験のDCTでしたが違和感を覚えることはナシ

クラッチレバーを操作しなくても、シフト操作ができるEクラッチは、CBR650RとCL250のEクラッチ採用モデルで体験したことがありますが、オートマとマニュアル操作の切り替え可能なDCT採用車に乗るのは、今回が初めてでした。編集スタッフの方から、乗り始めは一般的なマニュアルトランスミッション車と比べ違和感あるかもしれませんが…とアドバイスをいただきましたが、走り出しから戸惑うこともなく、これは走りやすい! と思いました。

4輪車のオートマに多いトルクコンバーターのイメージがあったのか、思ったよりスロットル開けた分だけ進んでくれるな、とは最初思いました。でも違和感は全然ありませんでしたね。エンジンブレーキを積極的に使いたいときは、MTモードを選べば良いし、モードを任意に選ぶことができる点も気に入りました。

走行モードもいろいろ試しました。出発直前まで雨が降っていたこともありレインモードを選んでみましたが、かなりパワーが落とされた感じになりますね。シフトアップがかなり早く、トルクを活かしてすごく低い回転で走っているように感じます。選ばれているギアが高すぎて、自分の感覚からすると止まっちゃうんじゃないか、と思ってしまいました(笑)。

一方でスポーツモードは一転して結構アグレッシブというか、一般の方ですと「あああ~」って声がヘルメットから漏れちゃうくらい速いんじゃないかな、と思いました。

思いの外、サスペンションの設定は硬め寄りでした

スタンダードモードではスロットルに対し1:1くらいのツキですが、スポーツモードは開けた分よりも車体が進んでいる感じがします。スタンダードモードで100㎞/h以下で走っているときはあまりパワー感はないですが、スポーツモードにしてスロットル大きく開けると、3000回転からの出力とトルクがすごくあって、100㎞/hまでの到達時間はかなり早いです。レーサーと違って重さを伴った加速というか、すごく質量を伴った速さといいますか、非常に印象的でしたね。

他のモードに比べてスポーツモードは、回転数をかなり上げてシフトアップするので、シフトダウン時のエンブレも強く感じますね。2気筒独特のパルス感や排気音も、いつもレースで乗っているCBR1000RR-Rとは全然違いますので、速さの質の違いといいますかそのあたりも今回面白かったです。

レースで乗るバイクはかなり前輪に荷重がかかる構成で、前輪がライダーに近い感覚ですが、レブルのようなクルーザーはかなり前輪がライダーから遠いところにある印象を受けました。レース用バイクは車体を倒した瞬間に舵がついてきますが、レブルは倒したときの舵のつき方、ハンドルの切れ方がちょっと遅く感じるというか、ゆっくり曲がってから舵がついてくる感じですね。

前輪が遠いためか、フロントフォークは硬めに感じました。この手のクルーザーモデルは、ホワンホワンした柔らかいサスペンションなんだろうなと想像していたので、硬めの設定にちょっと驚きました。サーキットを走るときみたいに、ちょっとフロントブレーキをかけて前を沈め、その分前輪を近くにするとコーナーに入りやすいかな、と感じました。

レーサーとは異なる乗車感覚を楽しむことができました!

もっとも、このモデルのコンセプト的にはおっとりリラックスして乗るのがその楽しみ方なので、コーナーで細かな操作をする必要はないかなとも思います。リアサスペンション側ですが、ショックが2本付いたバイクって今までほとんど乗ったことがないです。乗り心地はとても良いですが、柔らかくて底付きしちゃいそうとか、頼りない感じとかはまったくありません。前輪に対して後輪はホイールベースが長いにも関わらず、ライダーに近い位置に感じられますね。

制動力あるブレーキって結構カックンブレーキというか、オン/オフスイッチ的なフィーリングになりやすいんですけど、レブルのフロントブレーキはそういう感じがなく、しっかり効くのでとても好印象でした。ABSも作動させて試してみましたけど、キックバックがでかいということもなく、ABSがちゃんと作動しつつもしっかり制動してくれることが確認できました。今まで体験したことのないライディングを、今回のレブルの試乗では楽しむことができました。

まとめ:宮崎 健太郎/写真:南 孝幸 *当記事は月刊『オートバイ』(2026年8月号)の内容を編集・再構成したものです。

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