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『GB350 C』は妥協しない。味わい・性能・重厚感の三位一体が排気量の枠すら超える【Honda2024新車ニュース】

燃料タンクやシートなどコストのかかる部位においても『GB350 C』はそのクラシカルスタイルを実現するためにデザインを優先。そのうえで性能面に影響する部分にまでこだわりを貫いた『GB350 C』というバイクには、死角というものが見当たりません……

『見た目にこだわる』は言うほど簡単ではない

クラシカルスタイルの『GB350 C』というバイクが、細部に至るまで徹底してこだわっていることはこれまでにもお伝えしてきたとおりですが、それと同時に『GB350 C』はHonda最新の製品のひとつでもあるということも忘れてはいけません。見た目だけでマトモに走らないバイクを生み出すことは、Hondaとしてはありえないことです。

しかし、現実問題として量産車が『見た目にこだわる』を貫くというのは、想像するよりも困難が多いのも事実……例えば『GB350 C』のマフラーもそのひとつです。

マフラー

スタンダードのGB350やスポーティなGB350 Sは原点的なバイクのスタイルを踏襲しつつも、マフラーには現代の最新バイクとしてスポーティさも感じるデザインが採用されています。

しかし、それでは『GB350 C』のクラシカルなイメージにはそぐわない。そのためCタイプはクロームメッキが美しい水平基調の専用マフラーに変更されています。とはいえ、こういった機能部品のデザイン変更は性能面にも影響を及ぼしてしまうので、簡単なことではありません。

車体後方に向け、まっすぐ水平基調のサイレンサー部分は『GB350 C』の特徴のひとつですが、実際はデザイン変更によって排気容量なども変わってしまうため、メーカーとしては『デザインがカッコよくなったからOK』では済まされない。GB350シリーズが搭載するテイスティな空冷単気筒エンジンの性能・フィーリングを損なわないようにしつつ、法規にも適合させる必要があります。

でもHondaはそれをも厭わなかった。

すべては『GB350 C』というこだわりを貫き通すために、です。

スチール製フェンダー

そして、マフラー以外にも走行性能に関わる部分のパーツが変更されている箇所があります。

それは『GB350 C』のスタイルの核でもある、ボリューム感のある前後フェンダーです。しかもこのパーツ、スチール製となっていて、クラシカル感を演出するためにフェンダーステーまで追加されています。

『GB350 C』のデザインコンセプトのひとつに「ロー&ワイド」というものがあるのですが、大型化された前後フェンダーの質感と存在感はそこに大きく影響するディテール。しかし、スチール製の部品は樹脂パーツよりも重くなるのが必然です。車両重量が増加することは避けられません。

当然、フロントフェンダーの重量増などはハンドリングにも影響を及ぼします。それでもHondaは『GB350 C』を“ロードスポーツモデル”として成立させてきた……GB350シリーズの持つ「味わいの走り」はCタイプでも妥協することなく追求されています。

リア側も深くタイヤを覆う大型フェンダーの視覚的インパクトが絶大。初見で『GB350 C』を見た時には最も視線が集中するディテールであり、「ロー&ワイド」を印象づける部分でもあります。

また、大型化されたスチール製フェンダーを保持するフェンダーステーまでもが「デザイン」に昇華されているのは特筆すべき部分と言えるでしょう。

フロントフォークカバーとリアショック

ここまででも「ロー&ワイド」を決定づけるこだわりが満載されている『GB350 C』ですが、Hondaはさらに重厚感にこだわり、フロントフォークをカバードタイプに変更。クラシカル感と共に高級感を積み増しています。

このカバーによりボリューム感を得たフロントフォークは、純粋な機能部品でありながらも、古き佳き時代を想起させるディテールのひとつとなっています。

ちなみに現代の精密なフロントフォークは旧車の時代とは違い、性能面でいえばこういったフォークカバーは必要ではありません。

だけど、Cタイプはそういう性質のものじゃない。こだわる人が選ぶ、こだわりのバイクです。

スタイルをクラシカルに徹底して整える。そこに一切の妥協をしない。このフロントフォークカバーは、そういった想いが見て取れるディテールということができるでしょう。

同様の意図からリアショックもカバードタイプに変更。機能部品であるリアショックを装飾することでクラシカルスタイルを調和させています。大型のフロントフォークカバーやリアショックのメッキカバーは、言うなればクラシカルスタイルの仕上げとでも言うべき部分なのかもしれません。

『GB350 C』の価値とは?

クラシカルテイストに徹底された『GB350 C』はスタンダードモデルに比べて、車両本体価格(メーカー希望小売価格)として107,800円の価格差があります。

ですが私(北岡)は、実車を目にして、こう思います。

ここまで徹底してこだわりを貫いた『GB350 C』というバイクにおいて、この価格差は妥当、むしろ「安い」と言っても良いのではないか? と。

もちろん趣味嗜好は人それぞれで、価値を決めるのは貴方自身です。

ですがもし、私と同じように「もしかして『GB350 C』ってお買い得なのでは?」と少しでも感じるのであれば……

それはもう、このバイクに惚れてしまった気持ちの何よりの証拠なのかもしれません。

【文/北岡博樹(外部ライター)】

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