E-Clutchが初めて電子制御スロットルと融合。全日本ロードレース選手権J-GP3フル参戦中の岡崎静夏が、早速試してきました。

HondaCB750 HORNET E-Clutch 価格:114万9500円
主要諸元
■全長2090 全幅780 全高1085 軸距1420 シート高795(各㎜) 車重196㎏(装備)
■水冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 754㏄ 91ps/9500rpm 7.6㎏-m/7250rpm 6段リターン式 燃料タンク容量15L
■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=160/60ZR17
滑らかシフトダウンにプロレーサーも嫉妬!?

最新クラッチ機構の導入で自在性の幅をさらに拡大!

スポーツランドSUGOで開催された全日本ロードレース選手権の今季初レースを、表彰台圏内まで一歩届かず4位で終えた直後、最新モデルのCB750 HORNET E-Clutchで気分転換してきました。
CB750 HORNETは、754cc水冷並列2気筒エンジンやスチール製フレームをXL750 TRANSALPと共用するスポーツネイキッド。外観刷新や装備充実化が施された’25年型で日本初導入されたばかりでしたが、’26年4月にHonda E-Clutchとアンダーカウルが標準装備化され、カラーバリエーションも変更されました。
’24年以降、市販車への導入が進められているE-Clutchは、既存エンジンに大きな変更を加えることなく、クラッチ制御を自動化する技術。これにより発進停止と変速でのクラッチ操作は不要になりますが、システム搭載車にはクラッチレバーも備わっており、これを握ればいつでも瞬時にマニュアル操作が可能になり、レバーから手を離せば数秒以内に再び自動制御に戻ります。またCB750 HORNET E-Clutchの場合は、システムをオフにして一般的なマニュアルクラッチ車と同じように乗ることもできます。
そしてCB750 HORNETおよび兄弟車のXL750 TRANSALPに搭載されているE-Clutchのこれまでにない大きな特徴は、初めてスロットルバイワイヤ(=電子制御スロットル)と組み合わされているところ。これまでのE-Clutchは、シフトダウンの際に半クラッチ制御だけで変速ショックを逃がしていて、これだけでもスゴい技術なのですが、スロットルバイワイヤのおかげでエンジン回転差を収束するブリッピングも使えるようになり、よりスムーズなシフトダウンが可能になりました。
シフトアップに関しては、市販車のクイックシフターも現在はかなり進化していますし、E-Clutchは以前から秀逸なので、そこまで大きな差を感じづらいのですが、シフトダウンの滑らかさは圧倒的。車体の挙動が乱れるようなことは皆無です。変速ショックの少なさという点では、同じHondaのDCTがかなりハイレベルなのですが、E-ClutchのシフトダウンはDCTのシフトアップに匹敵する印象です。レースで使っているNSF250Rにはダウン側シフターがないので、クラッチ操作で変速ショックを逃がす技術はかなり磨いてきたのですが、そんな私の左手より圧倒的に上手でした……。
発進や極低速走行では、私の場合はクラッチ操作がカラダに染みついているので、つい自分でレバーを操作してしまうのですが、信号待ちや一時停止から真っすぐ加速するようなシーンでは、E-Clutch任せでもちろん問題ナシ。低回転域トルクのあるエンジンなので、歩くような速度だとスロットル操作のみでの調整はやや難しいので、このような状況ではリアブレーキで速度を調整することをオススメします。間違ってペダルを強く踏み過ぎても、絶対にエンストしないから安心を。
クラッチ機構を除けば、マシンの仕様はこれまでとほぼ同じ。車重が4㎏増えていますが、その差はまるで感じられず、相変わらず軽快で、とてもナナハンクラスには思えません。ワクワク感なら同じHORNETでもCB1000が上ですが、優しさや気軽さなら圧倒的にCB750。マシンが手の内にある感じで、だからこそスロットルを開けていくのが楽しいし、一方で小排気量帯のようなパワーの物足りなさはありません。
背伸びせず楽しめる日本の公道にちょうどいい車格や性能と、オートマチックでもマニュアルでも乗れるE-Clutchの組み合わせ。大型クラス初心者からダウンサイジングを考えているベテランまで、本当に万人ウケするバイクだと思います!
SHIZU’s お気に入り
電スロ+E-Clutchの変速!
E-Clutchとスロットルバイワイヤの協調がもたらす変速ショックのなさは驚異的。とくにシフトダウン時の滑らかさは最上級!
気軽だけど退屈しないストリート最適モデル
マニュアルでも楽しめちゃう!フルLED仕様の灯火器類もシャープにデザイン。質感にも優れます。
SHIZU’s 評価

スタイリング
アンダーカウルが標準装備されたことで、シャープな雰囲気を崩すことなく、低重心のイメージがプラスされました。そして質感も向上!
スポーツ性
公道でのスポーツ性は十分。扱いやすく、シフトダウンで挙動が乱れることもないので、サーキットでもすぐにマシンの限界領域で走れそう。
ツーリング
幅広いシーンで軽快に操れ、足着き性の不安が少なく、疲労軽減につながるE-Clutchも装備。ムリすることなくツーリングを楽しめます。
街乗り
電子制御クラッチだけどいつでもマニュアル操作できるので、発進や極低速域では自分でクラッチを操作したい私のようなライダーも大満足。
コストパフォーマンス
従来型からは11万円アップですが、E-Clutchとアンダーカウルが追加されているし、楽しさと扱いやすさを考えたらまだまだお値打ち!
まとめ:田宮 徹 写真:楠堂亜希



















