新しいバイクを手に入れたら、相棒と共に遠くへ走り出したい気持ちになるのがバイク乗りというもの。でも前傾姿勢のHAWK 11でツーリングはちょっとキツいんじゃ?
ツーリングできないバイクなんて存在しない
まず前提として、ナンバーがついていて公道走行が可能なバイクであれば、基本的に『ツーリングができないバイク』なんていうものは存在しません。
愛車と一緒に走りに出たいという気持ちがあれば、どこにだって走っていけるのが『バイク』という乗り物です。
だけど、その旅を快適に楽しめるかどうか? という話になると、車種によって差が出てくる……
そしてご存じの通り、HAWK 11はセパレートハンドルで乗車姿勢は前傾。正直に言いますけど、ツーリングでの快適性を最優先にしたバイクと比べるなら、快適とは言えないでしょう。
だけど、HAWK 11というバイクは開発がスタートした段階から『ライディングポジション』に徹底的にこだわって作られたバイクです。もちろんそれはワインディングを爽快に愉しむためのもの……なのは間違いないんですが、大人の大型スポーツバイクとして設計されたHAWK 11は『乗り手が疲れないこと』にも配慮されているんです。
じゃあ、HAWK 11で実際に長めの距離をツーリングしてみたらどうなるのか?
こういうのは『やってみるのが1番』なので、東京から福島県の磐梯吾妻スカイラインを目指して走ってみました!
目的地までは寄り道せずに走ったとしても片道約300km。ツーリングっていうのは目的地だけで終わるものじゃないですから走る距離はそれ以上になります。果たしてHAWK 11は『ツーリングがしんどいバイク』なのかを検証してみます!
ツーリングの必需品
ちなみに今回はツーリングのために純正カスタマイズパーツのタナックス『カービングシェルケース』と同じくタナックスの『MOTO FIZZ シートシェルバッグSS』を装着!
カービングシェルケースが左右合計で容量32L、シートシェルバッグが容量5Lと1泊2日程度のツーリングには十分な荷物の積載量となるのですが……実際に使ってみて驚いたのは『積載容量』のことじゃありませんでした……が、それはまた後ほどのお話しで。
HAWK 11(ホーク11)での高速道路は我慢の時間?
まず、長距離ツーリングをしようと思うと気になるのは『高速道路の快適性』です。
前傾姿勢で腰が痛くなる、あるいは手首が痛くなる……セパレートハンドルのバイクの宿命と言ってもいいかもしれません。
ところが!?
走りはじめてみたら予想していたよりも遥かにラクだった、というのが嘘偽りない感想。
開発段階から『これだけは譲らない』と、こだわりを貫き通したライディングポジションの絶妙を実感することに……
HAWK 11はステップ位置や着座位置こそスーパースポーツCBR1000RR(2008年式)とほとんど同じですが、ハンドル位置はかなり高めの設定。それでも跨ってみると、体感的にはなかなかの前傾姿勢に感じます。
だけどHAWK 11のライディングポジションは本当に優秀、っていうか不思議なほどに快適です。
ちょっと意識的にシートの前方に座って、なるべく上半身を起こすようにして。
私(北岡)の身長は176cmなのですが、高速道路を走っていると『ココ!』っていう着座位置が見つかるんです。そして、そこに座っていると、ほとんどハンドルに体重を掛けることなく走ることができる。これは本当に『高速道路をある程度以上、走ってみないとわからない』としか言いようがありません。
街乗りやワインディングでは感じられない、ある意味とても不思議な『快適ポイント』が確かに存在するんです。
それに加えて、ロケットカウルの防風性能。これがなかなかどうして、あなどれない!
見た目だけじゃなく、きちんと走行風からライダーを守ってくれます。意識的に上半身を起こした乗車姿勢でも、胸あたりまでの風をカットしてくれていました。
感心したのは、腕や袖口あたりの風もコントロールされているところ。きちんとしたライディングジャケットとフルフェイスヘルメットを装備している状態であれば『走行風が直撃している』という感じがしません。
200km程度の高速道路は問題なし
出発から高速道路を降りるまで約220km。特に『疲れた』という感覚はありません。
HAWK 11は2気筒エンジンらしく常用回転域では味わいもあるエンジンだし、追い越しの時のちょっとした加速でも乗り手を楽しませてくれるから『疲れ』よりも『楽しさ』が勝っているだけ、なのかもしれませんが……でも、手首や腰の痛みも感じなかったのが事実です。
ちなみに……走りはじめてから約149.8kmのサービスエリアで最初の給油。給油量は6.4Lでした。高速道路上はエンジンのパルス感を楽しみながらのんびり走っていたんですが……満タン法で測ってみた実走燃費はガソリン1Lあたり約23.4kmという結果でした。1100ccクラスの大排気量エンジンとしてはまずまず良好と言っていいと思います。
給油のタイミングに関しては、150km~200km前後が目安だと感じています。計算上だと航続距離として300km以上走ることができますけど、休憩がてら給油する、といったペースがバイクにもライダーにもちょうどいい感じでした。
警戒していたよりも全然余裕で約220kmの高速道路区間を走り切ってしまったHAWK 11。
だけどツーリングって言うのは高速道路を降りてからの『一般道』こそが本番です!
気力・体力ともに充実した出発と違って、午後は疲労も溜まってくるはず……HAWK 11でのツーリングは楽しめるのか、修行になるのか? いちばんキツかった事も含めて、続く【後編】でお伝えできればと思います!
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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