テイスティさと、本格的なスポーティーさを電子制御で使い分けるHAWK 11の走り。けれど、それらはすべてロケットカウルをベースとしてスポーツバイクとしての『普遍的な美しさ』が土台になっていると思うんです。
走るだけじゃない、愛でる愉しみも併せ持つ
先のファーストレビュー【中編】の最後に、私(北岡)はHAWK 11のことを『見た目だけじゃない。実力で乗り手を納得させにくるバイク』だと言いました。
そこに嘘はありません。とはいえ……やはりHAWK 11のロケットカウルは無視できない存在感です。
【中編】からの続きです
そもそもロケットカウルっていうのは、スポーツバイクの原点的なスタイルで、そこには時代に左右されない普遍性があります。
だからこそ、眺めていて飽きがこない。自分の『愛車』として、誇らしい気持ちになれると思う。
そこに加えてライディングモード『STANDARD』で流せば、2気筒のテイスティなバイクとして、穏やかな気持ちで走ることができる訳です。
ちなみに付け加えておくと、本当でのんびり走りたい時は『RAIN』モードも実はおすすめ。『RAIN』は悪天候や路面状況が悪い時に使うセーフティのような位置づけですが、実際に走ってみると、その穏やかさはツーリングにもってこい。2気筒エンジンらしさを感じやすく、旅ではけっこう重宝すると思います。
そして、極めつけは『SPORT』モード!
熟練のベテランライダーや、スーパースポーツ乗りですら満足させる『ちょっとした手強さ』が面白くて仕方ない! もちろん実際の『速さ』として言うならスーパースポーツには届かないでしょう。だけど、バイクで走ることの魅力ってスピードだけじゃありません。
乗っているライダーの満足感。何より大事なのはそれです。
そして、その部分もHAWK 11はちゃんと満たしてくれます。
愛車を愛でる愉しみ、趣のあるスタイルと共にエンジンを味わうクルージング、そしてワインディングで夢中になれるスポーティーさ。
それらはHAWK 11の中に三位一体でパッケージされていて、乗り手は趣味嗜好に合わせ、楽しみ方を選ぶことができる。おそらくHAWK 11って、そういうバイクなんだと感じています。
HAWK 11(ホーク 11)は『長く愛せるバイク』だと思う
今は流行り廃りが激しい世の中で、それこそ2~3年も経てば『最先端のデザイン』は『時代遅れ』になってしまいます。 けれど、HAWK 11にそれは当てはまりません。
HAWK 11を構成するすべての土台として、ロケットカウルを纏った普遍的な美しさがあるからです。
それにHAWK 11はMT(マニュアルトランスミッション)のみの設定となっており、言ってしまえば『シンプル』なバイクです。
だからこそ、時代に左右されない。時間が経っても、その魅力が褪せることがない。
なんなら10年くらい乗って、バイクが適度に『ヤレている』感じが出てきても、それはそれで似合うんじゃないかな? なんて思ってしまいます。
それで、つまるところ何が言いたいかって言うと……
このバイクは間違いなく『長く愛せる1台になる』 っていうことです。
今回、私はほんの2~3時間程度、HAWK 11に触れただけ。それでも、そう感じるバイクに仕上がっていると思いました。
そして、このバイクにはまだまだ楽しみかたの『奥行き』が残されていることも感じています。
だけど、それを知ることができるのは、このバイクを愛車に選んだオーナーだけの特権でしょう。
HAWK 11の個性はきっと、万人に向けたものじゃありません。こだわりを持つ人、趣味人に向けて限定的に作られてる。だからこそ、それが『わかる人』には最上級の相棒になるんです。
2022年の最新バイクとして生み出された、普遍の大型ロードスポーツ。
まだ生まれたばかりと言っていい新生『ホーク』のイメージは、2022年9月の発売の後に、それを駆る多くのライダーたちによって創られていくことになるでしょう。
そして、そのひとりは今これを読んでくれている、貴方なのかもしれません。
【文:北岡博樹(外部ライター)】