HONDA

HAWK 11(ホーク 11)で カフェ巡りツーリング

1970年代、ホンダからHAWKの名を冠にしたHAWK-II CB400Tが誕生。

デザインやスタイルを変えながら1980年代まで製造され、そしてライダーに愛されていた。

あれから約40年、長年バイクを乗り継いできた大人にぴったりのカフェレーサースタイルで登場したHAWK 11。カジュアルで心地よい乗り心地は、大人のツーリングにぴったり。


そこでカフェレーサーらしく、東京から箱根へと少し足を伸ばし、途中美味しいコーヒーが飲めるカフェに立ち寄りながら、ゆっくりとHAWK 11でツーリングとしゃれこみたい。



今回のツーリングカフェ巡りは、東京・新宿から出発し、厚木→箱根→小田原というコース。東名高速道路(E1)から小田原厚木道路で箱根を目指す。

途中厚木ICから圏央道に入り、1軒目のバンクバーコーヒーへ。そして小田原厚木道路を走り箱根にあるエアストリームを店舗にしたCafé Ryusenkeiへ向かってみた。復路では小田原の国道1号線沿いにあるポンデケージョが有名なgritに立ち寄ってみる。


ツーリングの中継地点としてバイカー御用達「VANCOUVER COFFEE ROASTER」


東京から東名高速道路で厚木まで。

都会の喧噪から徐々に自然が多くなるこの道は、バイクで走っていてもとても気持ちがいい。厚木ICを降りて国道468号線を走りながら路地に入っていくと、のどかな風景が目の前に広がる。その風景に馴染むかのように佇むのが、倉庫風の建物をリノベーションしてコーヒーショップ「バンクーバーコーヒーロースター」だ。

建築デザインを兼任するオーナーが、自分たちの作っているものを間近で見て欲しいとオープン。厚木ICから約15分ほどの立地ということもあり、箱根方面へ向かうツーリングの中継地点として、多くのバイカーが利用する人気店でもある。天井が高く広々とした店内には、オリジナルのテーブルや棚などを設置。席と席の間に距離をとっているので、周りが気にならずパーソナル空間としてゆっくりコーヒーを楽しめるのもリピーターが多い理由だろう。


内観はインダストリアル系、そこにウッディーなインテリアを組み合わせ、とても居心地のいい空間に仕上げている。天井の高さも開放感を生み出している理由のひとつだろう。入り口近くにカウンターがあり、ここで注文をする。オーダーを受けてからコーヒーを淹れるので、出来上がるまでに少々時間を要するが、それも楽しい時間だ。



バンクーバーコーヒーロースターはイタリア・マルタの本場の味を再現している。近隣には米軍も多く、この味にはまり常連さんになってくれているとか。

ハンドドリップで淹れてくれるスペシャリティコーヒーやカフェラテなどのコーヒーメニューはもちろん飲んでいただきたいが、モークチョコレートやチャイラテなどコーヒー以外のドリンクも充実。バリエーション豊かで、しかもどれを飲んでも外れナシ。美味しい!



コーヒーと一緒に食べたいのがハンドメイドのスイーツ。これがちょっと驚くほどの味のよさ。クッキーにレーズンを加えたバニラアイスを挟んだレーズンサンドは、すぐに売れ切れてしまうほどの人気スイーツ。実際食べてみるとわかるが、上品でほのかな甘さと煮込んだレーズンに手作りクッキーがバランスが絶妙。そして白ワインにスパイスを加えたブドウのコンフォートの乗せたチーズケーキもおすすめのひとつ。濃厚でしっとりとしたチーズケーキにブドウのマリアージュが絶品。日替わりスイーツもあるので、行く度に新しいスイーツに出会えるもの楽しみのひとつだ。



建物内にはロースターもあり焙煎も行っている本格派。バンクーバーコーヒーロースターの名前は出していないが、OEMで全国7社の焙煎も行っているそう。実力があるから選ばれる。もしかしたらアナタの街にもバンクバーコーヒーロースターが焙煎したコーヒーを出しているショップがあるかもしれない。


エントランスはそんなに広くはないが、この通りバイクを停めるスペースも。風合いのある建物に佇むHAWK 11の風景もマッチしている。自転車のツーリストも立ち寄るため、駐輪用のスタンドも用意。

 

【shop data】
VANCOUVER COFFEE ROASTER
神奈川県厚木市関口322-1 1F
TEL070-6480-2602
11:00~17:00
日・月曜休
https://vancouver-coffee-atsugi.business.site



エクストリームでアットホームに「Café Ryusenkei」



箱根の山道。木々の間を走り抜ける爽快感を感じながらひたすら上り強羅方面へ。

「Café Ryusenkei」は主に箱根周辺でオープンしている移動型コーヒーショップ。アメリカンキャンピングトレーラーの代表格であるエアストリーム(1967年製)に、カウンターとイートインスペースを設けたユニークなシステムがウリだ。現在は「囲炉裏ゲストハウス天幕」の一角にエアストリームを駐車してオープン。イベントに出店することも多く、そんなときはエアストリームを牽引して移動する。まさに“旅するコーヒーショップ”だ。


「最初は固定店舗でオープンしたかったんですが、いい物件がなかなか見つからず。そんなときにずっと好きだったエアストリームをお店にしてしまえばいいんだ、と思いついたんです」
と話すのは、オーナーの合羅智久さん。好きな映画と音楽、そしてエアストリームをテーマに“コーヒー屋さんでいい時間を過ごして欲しい”と2年前にオープン。地元の人と井戸端話をし、旅人には箱根の魅力を話す。常にお客さんの立場を考えながら、コーヒーを提供する合羅さんの温かさにも触れられるショップだ。



北欧デザインの内装は明るくとても落ち着く空間。コーヒーの豊かな香りが漂い、合羅さんと会話をしながらゆっくりいただくコーヒータイムは、とても充実した時間になるはずだ。決して広くはないが、このこじんまりさが居心地がよく、お互いの距離を狭めてくれるのも嬉しい。



元々音楽関係の仕事をしていたという合羅さん。いずれカフェを開きたいと構想を練り、会社を辞めてCafé Ryusenkeiをオープン。温泉好きということ、仕事で疲れたときに箱根を訪れて羽を休めていたことから場所は箱根に決めた。

常連さんも多く、バイクやクルマ好きが集まる場所にもなった。そして気になる店名は、Ryusenkei=流線形でエアストリームのR型から名付けたそうだ。


注文が入ったらハンドドリップでコーヒーを淹れる。オリジナルブレンドの豆を挽き、少しずつお湯を注いだら30秒蒸らす。これを5~6回繰り返すと美味しいコーヒーのできあがりだ。この淹れている時間もコーヒーの楽しみである。


メニューは濃厚なコクに後からフルーティな味わいが訪れる落ち着いた大人のブレンド「No.1」と、華やかな酸味と複雑な香味が楽しめる「No.2」の2種類のみのシンプルなラインナップ。

このわかりやすさもいい! もちろんテイクアウトも可能だ。



エアストリームの前に駐車スペースも。イートインの席によってはエアストリームの出入り口から愛車も眺められる。思わず写真を撮りたくなる光景だ。

【shop data】
Café Ryusenkei
https://cafe-ryusenkei.com/
※オープン場所はHPのスケジュールで確認可能


ポンデケージョのもちもち食感がツーリングの疲れを癒やす「grit」


箱根の山を下り小田原方面へ。眼下に見えるのは海の街。山の風景から海の風景に変わる瞬間だ。

潮風が吹く海沿いを走りながら、歴史ある小田原の風情のある街並みに入るとポンデケージョとシフォンケーキの専門店「グリット」がある。ポンデケージョとは、ポルトガル語でチーズパンのこと。ブラジルのミナス・ジェライス州というところで生まれた小さな一口サイズのパンだ。専門店を謳うのは全国でも珍しく、観光客も多く訪れる。小田原城から歩いてすぐの好立地。パステル調のかわいらしい小さな店に、次から次へとポンデケージョを目当てにお客さんが入っていく。ポンデケージョはWチーズ、ほうれん草、コーン、チョコ、カボチャのココナッツ、紫芋のアップルシナモンは6種類。どれも素材を活かした味が魅力で、全種類購入して食べ比べするのもおすすめだ。



忙しいときは200~300個売れるというポンデケージョ。1日に何度も焼いているので、店内には常に焼きたての香りが漂っている。タイミングがよければ、焼きたてを食べられるかも。



店内の奥には数席だがイートインスペースも。ドリンクメニューも用意しているので、コーヒーと一緒にポンデケージョを食べてツーリングの疲れを癒やそう。



オーナーの伊藤勇作さんは、フレンチ、イタリアン、和食の元シェフで、グリットの他、子ども食堂も運営しているというパワフルな方。加えて若かりし頃からのバイカーでもあり、店の前には愛車を駐車するスペースも。バイク乗り同士、ポンデケージョを食べながらバイク話に花を咲かせられるのもグリットならではだ。


ポンデケージョとコーヒーをテイクアウトして、近くの浜辺で潮風に吹かれながら食べるのもアリ。

そろそろツーリングも終わり。もちもち食感のポンデケージョでお腹を満たし、帰路につく。


【shop data】
grit
神奈川県小田原市本町1-11-14
TEL0465-23-1927
11:00~18:00(売り切れ次第終了)
水・木曜休
https://grit-odawara.com

ライトニング編集部・松本めぐみ

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