バイクに乗って楽しいと感じる部分は人それぞれ違います。
これは絶対楽しいと思って乗ってみたらすぐ飽きてしまうものもあれば、半信半疑で試しに乗ってみたら良さが少しづつわかってきて乗り続ける場合もあります。
今回紹介するのは様々なバイクを乗り継ぎ、HAWK 11も半信半疑で試しに乗ってみたらジワジワ良さがわかってきて、とうとう購入に至った43歳オーナー、原田さんのお話です。
最初は半信半疑だった
原田さんは車・バイク関係の仕事に携わり、これまで様々なバイクを乗り継いできたベテランライダー。 ミドルクラスもあれば大型クラスもあり、中にはアフリカツインを所有していた時期も。
ですが、いいバイクでもイマイチ自分のライフスタイルにハマらず、乗り換えを繰り返した時期もあったそう。
そんな中、HAWK 11の発表を知ります。 しかしHAWK 11という名前から想像するのは昔のHAWK 11で、車両画像を見た時は「ホンダが不思議なバイクを出したな」くらいの印象だったといいます。
あまり最初は響いてませんでしたが、好奇心から試しにHonda Dreamに行ってみると近日レンタル車が入ってくるということで、後日レンタルでHAWK 11に乗ってみることにします。
この時点では買う気はなく面白そうだからレンタルしてみようという程度。
しかしいざ乗り始めるとジワジワとHAWK 11の魅力に気づき始めました。
「前にアフリカツインに乗っていたのでどんなエンジンかはある程度わかっていたんですが、HAWK 11はアフリカツインで感じていた疑問点がクリアになっているように感じました。エンジンの鼓動感が凄く良くて、アフリカツインと同じエンジンなんですが、少し味付けが違ってHAWK 11のほうが自分にとって丁度良かったんです」
原田さんがバイクに乗り始めたのは18歳の頃。
漫画の影響や周りに乗っていた友達が多かったこともあり、高校卒業と同時に免許を取得。 後に大型免許まで取得します。 間8年ほど家庭の事情で乗らなかった時期があったものの、現在43歳まで様々なバイクを乗ってきたそうです。
バイク仲間からは今回もすぐ乗り換えるんじゃないの?と言われているそうですが、「今回は長い付き合いになりそう」と語る原田さん。
HAWK 11の味わいは原田さんのバイクライフにマッチしていたそうです。
迫力のカウルは裏側にも注目
HAWK 11で一番気に入っている部分はロケットカウル。 以前乗っていたアフリカツインほどの防風性は正直無いそうですが、少ないながらもしっかり防風されているゾーンはあり、見た目的にも迫力があって好きとのこと。
原田さんは、特にカウルの裏側も好きな部分だと言います。
「ライダー側からしか見えないロケットカウルの裏側のFRPの質感がレーシーな感じがして気に入ってます。よくあるプラ製のカウルだと裏側を見ても特に面白くありませんが、分かる人にはわかるFRPの質感はHAWK 11全体のシックなスタイルとギャップがあってかっこいいんです。乗っていてその気にさせてくれるし、少しだけ優越感を感じるポイントでもあります」
他にもマフラーサウンドも気に入ってるポイントの一つ。
「純正マフラーですが音質が心地よくて今の所変える気はありません。アフリカツインの音質ともまた少し違っていて、高回転ではそうでもないんですが、日常的に使う低速、中速の回転域でちょうどいい音量と音質になっているので、気持ちがいい音で乗れてます」
取材中走って頂いた際にもHAWK 11のマフラーサウンドが良いという話になり、純正でここまでいい音を出せるなら社外マフラーに変える人も少ないんじゃないか、という話で盛り上がりました。
機能ではなく味を求めてる
HAWK 11をレンタルして原田さんが感じた良さは、今も衰えることなく原田さんのバイク心をくすぐり続けています。
今回は鎌倉方面へツーリングしながらHAWK 11の良さを教えてもらいました。
「正直自分はバイクに対して機能よりも味わいを求めてるタイプです。まず乗ってエンジンを掛けて一番最初に伝わってくる鼓動感が心地よく、走り出してからもトルクがあるので街なら3速まででまだまだ余裕を感じます。逆に5速くらいまで使っていて低回転からスロットルを開けてもついてきてくれるので変に気を使わずに乗れるんです。これがスーパースポーツになるともっとシビアで同じように走っても気持ちよくありません。いい意味でダラっと乗っていても許容してくれるバイクなので、親しみやすさと乗って感じるバイク本来の味わいがちょうどよくバランスされてるように感じます」
「ハンドリングもシビアすぎずエンジンと同じように懐が深いのでワインディングが楽しく乗れます。絶対的な速さを求めたらスーパースポーツの方が断然速いですが、HAWK 11は攻めて速く走るのではなく、ちょうど気持ち良い速度域で走った時に良さが出るハンドリングだと思っているので、気楽にワインディングを楽しめて今自分が求めているバイク像にピッタリ合っていたんだと思います」
ミドルのように乗れる1100
HAWK 11は1100のエンジンに前傾姿勢のセパハンと一見スパルタンに見えますが、実はもっとフレンドリーでその点も原田さんが気に入ってるポイントでした。
「HAWK 11のスタイルは好きですが、見た目から感じるスパルタンさで損してる部分はあると思います。実際乗ってみるとまず1100の割に軽く、取り回しも自分にとっては楽です。アフリカツインに乗っていた時は、重くてサイズも大きいのでツーリング先での取り回しだったり、細かいところで多少の苦労がありました。HAWK 11は、ポジションも多少前傾でやる気にさせるポジションではありますが、自分的には座る位置を調整してコツを掴めば楽に乗ることができます。少し前寄りに乗ってニーグリップしながら乗ると負担が少ないので、見た目と名前からはリッタースポーツバイクをイメージしますが、HAWK 11はミドルクラス並みに扱いやすいので乗って初めて気付かされる部分が大きいバイクなのかもしれません」
毎日乗っても飽きない存在
HAWK 11の乗り味は原田さんにとって毎日味わっても楽しめるものだと言います。
「ステーキは豪華な食事ですが、毎日ステーキは食べられないじゃないですか。でも生姜焼き定食くらいだったら毎日食べられる。HAWK 11は自分にとってそんな存在で、毎日乗れるくらい丁度いいバイクなんです。 実際仕事で乗れない日が続くときもありますが、そういう時に持っているバイクが外車だったりするとバッテリーが上がっていたり、なにかしら準備が必要なこともあって、その点HAWK 11ならしばらく乗れなくても次乗り出すとき特に準備することなく普通に乗れてしまいます。もちろんメンテナンスをしっかりしている前提ですが、そういう部分もHAWK 11が今の自分にあっていると思った部分です。」
これまで様々なバイクに乗ってきた原田さんですが、乗ってきた中でも乗ってみたら飽きるバイクはあっても、乗ってみたら想像より良くて楽しいポイントを次々見つけられるバイクは少なかったといいます。
日常的に乗るシチュエーションの中をどう楽しむか考えた場合、HAWK 11の立ち位置が一番乗りやすくて楽しみを感じやすいのかもしれません。
速く乗るではなく楽しく乗る前提ならバイクレベルを限定せず、初の大型でも400からのステップアップでもHAWK 11は親しみやすいキャラクターだと原田さんは教えてくれました。
HAWK 11で楽しみの幅が広がった原田さんのバイクライフはこれからもまだまだ続いていきそうです。
【文/佐藤快(外部ライター)】【写真/渡辺昌彦】